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【越美線】未成線メランコリックジャーニー【福井編】

ども、ゆさっちです。
「未成線」という言葉を御存知ですか?
計画が途中で頓挫してしまい、完成に至らなかった鉄道路線を指す言葉です。
計画だけで終わってしまったもの、完成してレールまで敷いたけど開通しなかったもの。
その様子は様々ですが、その跡を訪れると地元の方の叶わなかった願いを強く感じることがあります。

さて、そんなわけで今回はそんな未成線のひとつをたどる旅です。
詳しい御紹介は車内で追々するとして、まずは列車に乗りましょう。
ここは福井駅、今日の予想最高気温は33℃。
水分大量に持って、気合い入れていきましょう。

JR福井駅

ホームに上がると越美北線えつみほくせん九頭竜湖くずりゅうこ行の気動車が発車を待っています。

九頭竜湖行、9:08発ですが、1番列車です。

列車は定刻に発車、少しの間北陸本線を走りますが、越前花堂えちぜんはなんどうという駅から、越美北線えつみほくせんに入ります。
車窓はそれまでの幹線の風景からローカル線の田園風景にがらっと変わります。

北陸は稲刈りが進んでいました。

さて、今回訪れる越美線、そして今走っている越美北線、この辺りの説明をさせて下さい。
マニアックな話がちょいと続きますが許して下さい。(*ᴗˬᴗ)⁾⁾ペコ

まずは下の地図をご覧下さい。

越美北線と長良川鉄道(越美南線)

むかしむかし、鉄道が輸送インフラの主役だったころ、「東海地方と福井を直接線路で結んだら超便利じゃん。」
と当時飛ぶ鳥を落とす勢いだった国鉄さんは考えました。
この計画された路線が越美線なのです。
岐阜県の高山本線(まだ太多線は未開業)の美濃太田みのおおたからとんてんかんとんてんかんと工事を行い1934年(昭和9年)には旧郡上郡白鳥町(現・郡上市)の北濃ほくのう駅に到達します。
これが現在の越美南線となります。

ここからは福井のターン1960年より工事を開始し、1972年(昭和47年)には九頭竜湖駅まで路線を延ばし、これが現在の越美北線となります。

さあ、後は中間の区間を完成させるのみ!
なのですが・・・・。
この残りの区間が山岳路線っぽくなるのでお金も労力もかかると踏んだ国鉄さん、冷静になってしまいました。(´∀`; )
「よく考えたら、福井へは米原経由で北陸本線で行けばいいんぢゃね?」
となにをいまさら的なことに気づいてしまい、計画は凍結、その後越美南線は国鉄から3セクの長良川鉄道へと転換され、2つの路線は結ばれぬまま、現在の姿となっているのです。
ここでようやく本題、今回は結ばれなかった2つの路線の想いをたどる旅なのです。

車窓には足羽川

さて、車窓は足羽川あすわがわを遡上するように山あいに入っていきます。
川に入って鮎釣りに興じていらっしゃる方もいらっしゃいますね。
車内は予想に反してほぼ全ての座席が埋まり、時折、立ち客も出る盛況。
減便を進めすぎたかも、と思う反面、様子をみていると終点の九頭竜湖まで行くと思われる方が多くいます。
それもいわゆる「同業者」だけではなく、普通にこの鉄旅を楽しむ家族連れの方が多いのです。
前に山陰の木次線きすきせんでも感じたのですが、いわゆる「非鉄」と思しき方達がローカル線を訪れる事が増えてきている印象です。
しばらく旅行・外出を控えていた方にとって鉄旅は手軽で魅力的なのかも知れませんね。
こういう傾向が地方の交通機関の再興に繋がってくれればいいと思います。

沿線最大の街、越前大野えちぜんおおので約半分の乗客が折り、九頭竜湖駅を目指し、山あいに入っていくと今度は九頭竜川が急峻な姿を見せます。

九頭竜側は急峻な流れ

ラストスパートはこの地域に鉄道を通すことが、難儀だったことを物語るように、長大なトンネルが続き、そして終点の九頭竜湖駅に到着します。

JR九頭竜湖駅

ここまで乗り通した方のほとんどは折り返しの列車で帰るようです。
また九頭竜湖方面へ足を延ばす方もいらっしゃいますね。

列車の乗客の中で、自分だけがぽつんと残った感じですが、車で来訪される方も多く(駅の隣は道の駅)、寂寞感はありません。
ちょっと駅前を散策しましょうか。

ティラノサウルス?

福井といえば恐竜。
なぜ恐竜なのかは詳しくないのですが、とりあえず福井と言えば恐竜です。
この駅前にも恐竜くんが棲んでいて、時折動いて吠えます。
前にはギャラリー席もあって、子ども達が恐竜くんの咆吼をわくわくした面持ちで待っておりました。

さて時刻は11:00を回り、お腹も空いてきました。
この後訪れるところは、コンビニはおろか自販機もないので、食べていきましょう。
駅の横におそばを食べられる店があります
「よう!おかみ!特盛冷やしぶっかけに舞茸トッピング!」
心の中でつぶやいて券売機に1000円札を静かに投入します。
さあ来ました。

特盛ぶっかけそば(800円)+舞茸(200円)

さあ、いただきましょう。
ずるずるっ!
うん、このざらっとした食感は十割そばっすね。(当てずっぽう)
たっぷりかかっている大根おろしは暮坪そばの暮坪カブなみに爽やかな辛みが印象的です。
舞茸も滋味深く、そばや辛み大根の風味と合います。
福井の名物と知りつつ、昨日永平寺の門前でバス時間の都合で食べられなかったので、想いを果たすことができ、格別の想いでした。

さあ、ここから県境をこえて岐阜県の長良川鉄道越美南線の北濃駅を目指します。
その前に県境付近に行ってみたいスポットもあります。

「そこまでどうやって行ったんですか?」というご質問もいただいています。
答えは簡単なのですが、後半の【岐阜編】に引っ張ります。(*´∀`*)

次回岐阜編、獰猛なあの生物がゆさっちの急所に襲いかかる!ゆさっち無事に列車に乗り継げるのか!(完全な煽り)

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