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大切なことを教えてくれた、小さな小さなみどり

外出自粛が促される前。とある春の昼下がり。

私は草木が生い茂る、
近くの河川敷を歩いていた。

そこで出会ったのは、
何の変哲もない小さな一本の雑草。

普段だったら見逃すに違いない、
その一本を観察する中で、
私はとても大切なことに気づいた。

「雑草の葉って、一枚一枚、長さや形が違うんだ!」

忙しい毎日の中では、
絶対に気づかない、見逃してしまうこと。

心に余裕があるときは、
当たり前すぎて普段気づかないようなことに
感動できる。

そう、
雑草の葉は一枚一枚、その造形や長さ、
僅かな色合いなど、
様々な点で異なっていたのだった。

私はその時思った。
普段は目を向けないような雑草ですら、
こんなにも違いがある。

人間だったらなおさらだろう。
どんなに小さな小さな違いだって、
看過しては勿体ないほどの、
存在の輝きがあるんじゃないかと。

「自分には価値がない」

そう嘆く人を自分含めたくさん見てきたが、
今なら言える。

「普段は目に留めないような、
道端の小さな緑に目を向けてほしい」と。

そこに咲く草木は、
一本一本、
葉の一枚一枚まで、
個性を発輝しながら、健気に生きている。

それと同様に、
必死にこれまで生き延びてきた自分たちにだって、
存在の輝きがあるんじゃないだろうか。

そしてそれは、何か特別なことをしなくても、
ただそこにいるだけで発輝できるもの。
きっとそうだ。

とはいえ、また気が付けば私は忙しさに翻弄されて、
今の感情すらも忘れてしまうだろう。

そんな時でも、道端で大切なことを教えてくれた、
一本の草木のことを思い出せるよう、

今日も欠かさず備忘録。

明日も素敵な一日を。

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