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あのたび -台湾でも吉野家-

 香港で4泊し朝5時半に起床。33HK$のエアポートバスで空港へ行く。わずか1時間半で台北に到着。早い。あっという間である。

 (1台湾ドル=)1元=0.2506HK$で香港の余ったお金を両替する。1370元が手持ちとなる。この頃の1元≒3.5円。空港からバス110元で台北鉄道駅に到着。

 台北駅近くにあるだろう、事前に調べていた宿を歩いて探す。20年前の当時はスマホがなくネット黎明期なので目と足とガイドブックでウロウロすることになる。FormosaとHappy Hostelは見つけられず、日本人経営のゲストハウス「おおしろ」はお休みだった。中国の旧正月にあたる時期は営業していない店が多く旅行には向かないようだ。

 結局Taipei Hostelに泊まる。10人くらいが寝るドミトリー部屋1泊250元(≒890円)。テレホンカードを買う。一番安いのでも100元だった。なぜ購入したのかというと、台湾北部の基隆から那覇へフェリーで行くという便を予約するためだ。このころ予約は電話だった。

 フェリー就航会社は有村産業という日本の会社なので、台湾国内で電話しても日本語が通じるはずだ。1年以上日本を離れていた。ずっとアジアを周っていた。その旅の最後が飛行機であっという間というのは味気ない。そう考えてやはり最後はのんびり船で帰国したくなった。片道18000円ということを考えると安くはない。しかしそれでいいのだ。

 残念なことに令和の現在、有村産業は倒産して台湾と日本をつなぐ船はない。格安航空券の勢いに押されてしまったのだろう。

 宿の電話で無事予約した。船は週2便しかなく次は日曜日発とのことで台湾には2日しかいられない。さらには香港からずっと体調が悪い。シンガポールでも香港でも訪れた吉野家に、台北でも行った。なぜか牛丼がなくチキンカツ丼セットにした。75元(≒267円)。安い。大判焼きっぽいものを露店で買う。3個20元。
 台湾は夜市が良いというが出歩く元気がなく寝る。

 翌朝、卵粥風のものと茶45元。ネット1時間20元。昼はいいものを食べようとカニ+肉+米50元。何も観光せず去るのもどうかと午後からMRTに乗って龍山寺へ。地下鉄は冬なのにクーラー。寒いだろ。龍山時は立派で派手な中国風寺院であった。甘いクリームたっぷりおやつを食す。69元。高っかい。観光地価格か。

 翌日昼前にチェックアウトして台北駅へ。ここから電車で基隆へ1時間ほど。事前に予約していたフェリーのチケットを購入し時間を潰す。出港は夜の6時だ。

 長かった1年ちょっとの海外旅。右も左もわからないほぼ初めて海外一人旅で孤独に負けずよく過ごしてきたと思う。この船で寝て起きたら終わってしまう。いろいろな思いが走馬灯のように頭を巡る。仕事を辞めて出国したことに後悔はない。
 しかし何か大きなことを成し遂げたかったという目的は達せられなかった。いったいボクは日本に帰ってなにをするのだろうか。

台湾ルート

(つづく)



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