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化学物質過敏症の原因と予防


注釈


化学物質過敏症の原因と予防

化学物質過敏症の発症秩序はまだ解明されていませんが、化学物質などに大量に晒されたり、低容量でも長期に渡って晒されると、発症すると言われています。

現在、化学物質は工業的に生産されたもので十万種類、天然物由来のものを含めて数千万種類とも言われ、化学物質過敏症の原因物質を特定することは非常に困難です。

化学物質過敏症の発症の原因となり得るものは、多岐に渡っています。

この項では、統計上、化学物質過敏症の発症の主な原因となっているものを上げます。

化学物質過敏症の発症の原因として、日本の統計として多いものは、建材、農薬、日用品です。

化学物質過敏症の原因となりやすいものと、化学物質過敏症を発症した後に、化学物質過敏症患者が体調不調を起こしやすいものに共通のものが多く、日頃から、このような化学物質などに大量に晒されたり、低容量でも長期間晒されるような環境を作らないことが予防に繋がると考えられています。


化学物質過敏症の主な原因

化学物質過敏症の発症の原因として、日本の統計として多いものは、建材、農薬、日用品です。

建材の化学物質の規制は年を追うごとに、厳しくなっていますが、規制をくぐり抜ける新しい化学物質が随時開発されて、健康被害と規制のいたちごっこのようになっている感があります。

また、一度に大量の化学物質に晒される機会がある新築やリフォームの後などに発症することが多いです。

農薬に関しては、諸外国では禁止されている農薬が日本では使われているなど規制面での問題があります。また、狭い国土という関係もあってか、住宅地と農地の区分分離がされていないことも、農薬に晒されやすい一因かもしれません。

日用品は中でも、柔軟剤からの発症が、増えていると言われています。多くの柔軟剤に使われている一部の成分に関しては、アレルギーになりやすい化学物質が含まれていることがわかっています。

日用品の発症例としては、石油由来の化学製品からの発症も少なくありません。寒冷地でよく使われている石油ストーブなどは、石油が使われている例としてわかりやすいですが、学校などでのワックスや、柔軟剤、洗濯洗剤なども石油からできている製品があります。

また、タバコの健康被害は、さまざまな研究でも証明されていますが、タバコの受動喫煙による化学物質過敏症の発症もあります。


日用品と化学物質過敏症

日常で、化学物質過敏症の患者が体調不調を引き起こす主な化学物質などとして下記が上げられています。

反応を引き起こす主な化学物質など

▼発症者の90%以上に症状が出るもの 
・家庭用殺虫
・殺菌
・防虫剤類

▼発症者の80%以上に症状が出るもの 
・香水などの化粧関連用品類 
・衣料用洗剤類 
・防臭
・消臭
・芳香剤類 
・タバコの煙 
・シャンプーなどボディーケア用品類 
・灯油などの燃料類 
・ペンなど筆記用具類
・印刷物類

横浜国立大学・糸山景子氏らが、CS支援センターの発症者488名(回答者278名)に行ったアンケート結果より


職場、学校での化学物質

職場や学校で、大量の化学物質に晒されることによって、化学物質過敏症を発症することも少なくありません。

学校では、校内のワックスやリフォームなどが発症の原因となることがあり得ます。また、教室などでは、大勢が一度に集まるので、周りの方々の使用している日用品から発症することもあります。

特にお子さんは、身体の許容量が少ないと推測されますので、発症しない予防的な取り組みが必要なように思います。

職場では、医療現場での揮発性の高いアルコールなどの医薬品からの発症例があります。化学物質過敏症の発症者に看護師の職業の方々も見受けられます。

職業柄、化学物質に頻繁に接する機会がある場合は、大量にあるいは長期間、身体に取り込まないように気をつけましょう。


香りの強い製品

香りの強い製品の販売が増えるに連れて、香りによる健康被害が増えています。香りから、化学物質過敏症を発症する方々も増加しています。

香りの健康被害に関して、消費者庁、文部科学省、厚生労働省、経済産業省、環境省、5省庁が連名で、香りで体調を崩す方々への配慮を呼びかけられています。

香りの健康被害に関しては、「香害 (こうがい) 」という言葉も生まれ、社会問題になっています。皆が同じ空気を共有するため、空気汚染などの「公害」に掛けられています。

天然の化学物質

稀にですが、天然の化学物質からの発症も耳にします。

天然の木材などの建材や、天然であっても香りの強い製品などからの発症があるようです。

木材は、微量ですが、天然であってもホルムアルデヒドなどの揮発性有機化学物(VOC)を揮発します。

身体にとって、100%の安全が証明されている物質というのはありません。天然のものであっても、大量であったり、長期間晒され続けるといった環境は避けるように気をつけられることが懸命でしょう。

化学物質過敏症の発症によって、このような天然の化学物質にも体調を崩す方々もいます。

環境に溢れる化学物質

化学物質の溢れる現代社会において、化学物質過敏症は誰でも発症し得る病気です。

化学物質過敏症が重症になると、症状を抑えるために、身体に障る全てのものを避けて生活しなければいけなくなりますが、全ての化学物質などを避けて生きることは非常に困難です。

個人として、また、社会として、化学物質過敏症の発症を予防する予防的な取り組みが行われることによって、発症者が少しでも、少なくなることを願っています。







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