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ワッフルにはバターを乗せる。


「ビジョナリーカンパニーZERO」とは?


ジム・コリンズとビル・ラジアーが共著で書いた、「ビジョナリーカンパニー」シリーズの最新作。『ビジョナリー・カンパニー』シリーズが発行される前の1992年に著者らが執筆し、日本語訳されずにいた名著『ビヨンド・アントレプレナーシップ』の改訂版で、ビジョナリー・カンパニーの原点となる一冊です。

ビジョナリーカンパニーZERO

本書では、「業績」「影響」「評価」「持続性」の4つの基準を満たす組織を「偉大な企業」と定義して、「ビジョン」「戦略」「卓越した戦術」といった基本に加え、最高の人材の確保・育成と文化の醸成、効果的なリーダーシップ、イノベーティブな企業になるために必要な基本要素についても詳細に解説しています。

第1章「ビルと私の物語」が面白い!

この基本要素の中身もすごく勉強になるのですが、私が最も印象に残ったのが第1章の「ビルと私の物語」。ビルはジムの先輩で起業家でありながらスタンフォード大学で教鞭をとり、ジムは同じ大学の2年生の時にビルと出会い、教員の道に誘った師弟関係でした。

1991年にジムは、『ビヨンド・アントレプレナーシップ』の執筆をビルと一緒に書き始めるのですが、ジムはなかなか筆が進まず、ビルに相談しました。

ジムはビルにマラソンを乗り越えるように苦しんで頑張れと言われると思いきや「ジム、楽しくないことを続けるには人生は短すぎる。僕らが執筆を楽しめないなら、この本を書くのはやめるべきだ。」と人生を楽しむことを優先することを勧めたのです。

ビルのバイパス手術で禁断のワッフルを!


その後、『ビヨンド・アントレプレナーシップ』は無事に出版されますが、ビルが心臓発作を起こし、バイパス手術を受けることに。

手術後、数カ月たったある日ジムとビルは二人でカフェに朝食に行ったときにビルはワッフルを注文し、出てきたワッフルにバターをたっぷりと塗るのです。それを見てジムは「ビル、ダメじゃないか!心臓に悪いからバターは禁止と医者に言われているだろう。」と思わず声をあげると

「私は心臓発作で手術室に入っていくときに、ドロシー(妻)と私は素晴らしい人生を送ってきた。手術室に入る瞬間に最高の人生だったと心から感じたんだ。」

「すでに最高の人生を送ってきた。これから後のことはすべて追加のボーナスだ。だからワッフルにバターを乗せるのさ。」

引用:ビジョナリーカンパニーZERO


最高の人生を送るには?

ビルは最高と人生と長い人生を明確に区別していました。人生の長さは自分では決められない、いつなんどき病気や事故で死んでしまうかもわからない。つまり、たとえ100年生きようとも人生は短く、重要なのはどうやって出来るだけ長く生きるかでなく、どうやって最後まで充実した人生を送るか、いつ終わりが来ても最高だったと思えるような人生を生きることが大切だと第1章では伝えています。

人生の長さと幸福感は比例しません。それよりもこの一瞬一瞬、一日一日、楽しく、やり残しが無いように生きることが大切ですね。

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