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やめてみると意外に困らない

必需品だと思っていたものを思い切って手放してみたら、意外困らなかったことはないだろうか。

ひとり暮らしを始めたとき、炊飯器を買った。
その炊飯器が2年ぐらいで壊れてしまった。
新しく買おうか悩んだが、その時ちょうど読んでいた漫画に「土鍋でご飯を炊くと美味しい」と書かれていた。
わたなべぽんさんの「やめてみた。」という本。
生活の中で必要だと思ってた物や考え方を「やめてみる」内容。

この本の中の「炊飯器をやめてみた」というエピソードがとても印象に残っている。
土鍋で炊いたごはんは、ツヤツヤのピカピカでお米が立つらしい。
当時ちょうど炊飯器が壊れた時で新しいものを買うか迷っていたとき、「鍋でご飯を炊く」という発想がそもそもなかった私には目から鱗だった。
家に土鍋はないが普通の鍋はある。
せっかくなんで鍋でご飯を炊いてみた。
上手く炊けたし、味も悪くない。
水加減さえ間違わなければ、イケる!
それから私は鍋でご飯を炊いている。
必需品だと思っていた炊飯器がなくても生活できることを知った。

炊飯器がいらないと思う理由のひとつに、ひとり暮らしだから保温機能がいらない。
炊いたご飯は冷凍して、食べる時にレンジでチンして解凍する。
保温して置いておく必要がない。
土鍋で炊くと、二日目のご飯がチンしても味が落ちず、美味しいとも書いていた。
土鍋ごはんにも憧れるが、残念ながらうちはIH。
たぶん土鍋は対応してないだろう。

そんな鍋でご飯を炊く生活を始めた時に、実家で父親に「炊飯器が壊れたから最近は鍋でご飯を炊いている」と話したら「え?そんな貧乏なん?
」と返された。
父の世界では「炊飯器を持っていない」=「貧乏」という図式が出来上がっているらしい。
炊飯器を買えないぐらい私がお金を持っていないと思ったそうだ。
意外な所で貧乏扱いを受けたので、人の解釈ってなんか面白いなぁと思った。

意外に使うのをやめてみて、困らなかった炊飯器。
この本には他にも色々な「やめてみた」が描かれている。
化粧の「やらねば!」という認識を変えてもらったのはありがたかった。
「世の中の人そんなに私達の顔に注目してないって」という言葉。
まさにそう。
メイクが好きな人はガッツリやれば良いと思うが、女性としてやらなくてはいけない使命感みたいなものを抱きながらするぐらいだったら、気持ち軽めで構わない。
そこまで頑張らなくて良いんだよと言われた気がした。

自分の身近なものが「これ必要か?」と考えるきっかけになった本だった。
わたなべぽんさんの描き方も上手いのだと思う。
あたりまえだと思っていたものを手放してみるとちょっと気持ちが楽になる。
そんな小さな発見をくれた本だった。

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