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坂木司「アンと愛情」(和菓子が食べたくなるミステリー)

坂木司の「和菓子のアン」「アンと青春」に続くシリーズ3冊目です。

高校を卒業して、デパ地下の和菓子店でバイトを始める主人公のアン(梅本杏子)。食べることが大好きだけど自分に自信がないアンちゃんが、バイト先の人々やお客さんとの交流などを通して成長していく物語です。

日常の謎形式の連作短編ミステリーです。
和菓子を中心としたスイーツの知識も得られます。
和菓子を食べたくもなります。

この3作目では、成人式を迎えたり、同い年のやり手の従業員との遭遇、友達との金沢旅行、大切な人との別れなどのお話が続きます。

前2冊が未読でも楽しめるとは思いますが、以前の話と関係のある話も多いので、未読の方は順番に読んだ方が良いかもしれません。また、本作品はミステリー色はかなり弱い感じがしました。

このような感じの小説が好きな方には、北村薫の「空飛ぶ馬」から始まる<円紫さんと私>シリーズや、加納朋子の「ななつのこ」から始まる<駒子>シリーズもお薦めです。

自分の自信の無い子が自分の居場所を見つていく成長ドラマは、テレビ番組になりますが、現在放送中の「あたりのキッチン!」や「セクシー田中さん」(田中さんは年齢がかなり上ですが)もそうかと思います。


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