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【自由詩】追いつかぬこころと夏至の風🍃



夏至の朝は 誰よりも早くやってくる
窓を開け 目を閉じて 耳を澄ます

サーッ  サーッ  ザァー
吹き抜ける風の音

思えば、、、40代にもなると
良い意味で自分に図々しさがでてきた

、、、生きるのが楽になった

歳をとるのも悪くないなと感じるようになった


、、、そして50代に。

もっと図々しくなって

もっと生きるのが楽になっているはずなのに

なんだかつらいのは、、、。

平均的な引退年齢を遥かに越えてもなお
現役でイキイキと働いていた母の入院。

以前より前かがみになって歩くようになった父は
バランスを崩し 転んでみたりする

記憶力も格段に、、、

私の話す声は人一倍大きくスローになり
滑舌は際立つ。

老いのスピード感が一気に増した両親の姿に 

私のこころは 追いつかぬままだ

むしろ 水をあけられていく


が、、、別に人間誰でも老いるんだから
そんな風に感じる必要もない

老いることを体現し
間近で娘に見せているだけ

、、、と思い直し 心をニュートラルに戻す


夏至の朝は 誰よりも早くやってくる
窓を開け 目を閉じて 耳を澄ます

サァー サァーッ ザーッ

吹き抜ける風が

ざらついたこころを修復していく

、、、目を開けると いちばん沙羅が咲いていた

夏至の日の朝に、、、


 by  ぶどう🍇

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