2023.2.24 木、捨ててる? 三橋貴明氏

全ての日本国民に知ってほしい 我々は目の前の膨大な資源を放置してる 【三橋TV 第669回】 2023.02.24

https://youtu.be/1DHwio_LN5g

1:30~


目の前の「資源」を放置する「政治家」たち


三橋氏
今日はね、「ブログ」からなんだけどね、2月12日のエントリーです。
『目の前の「資源」を放置する愚者』というエントリーを書きまして、ここに取り上げたのが「林業」です。

高家氏
「林業」?

三橋氏
はい。  えっと、「人類」って「一次エネルギー」、「一次エネルギー」っていうのは「加工していない」その「自然にあるエネルギー」ってことなんですけど、
基本的に「一次エネルギー」について、「木材」で「歴史を積み重ねてきた」んですね。

高家氏
へぇ〜。

三橋氏
「木」ですよ、「木」。
だって「石炭」や「石油」が使われ始める前、何で水炊きしてたのよ?

高家氏
「木」?

三橋氏
「木」なんですね。
だから、田植えとかがあまり上手くいかないとですね、そこ「砂漠化」しちゃうのよ。

「一次エネルギー」の「木」は、必要不可欠だった


例えば、「メソポタミア文明」がありましたけど、あそこは元々は「森」だったんですね。平和×○×○ね。
それがですね、今「砂漠」でしょ?まぁ、痕跡ちょっと残ってるんだけどね、そんな感じになっちゃうんですね。

「燃やさなきゃ、生きていかなきゃいけない」んです、我々。
まぁ「寒い」っていうのもあるんだけど、(その)「二択」です。
ほとんどの食べ物は水炊きしないと食べれないから、だから「燃料」がいる。
というわけで「木材」を使う。

高家氏
それ(木材)使いすぎちゃうと「砂漠」になるんですか?

三橋氏
なります。「黄河」の中流とかもそうですよね、「黄河文明」の。

「エジプト」もそうですね。まぁ「エジプト」は「ナイル川」でね、「プァ〜」って土地が潤うから得は得なんですけど、でも「麦」育てられたって「木材」ないと食べれませんからね、ということなんです。

「日本の文明」と「木」


で、日本の文明も「木材」に相当、相当っていうか「100%」だね、「依存」してきました。
「徳川家康」が「江戸」に「本拠」を構えることを決断したのは、「木材」が理由だった。

高家氏
(木材が)豊富だったんですか?

三橋氏
そう。あまり(江戸では木を)採ってなかった。当時、近畿地方はまだみんな「針山」。

高家氏
なるほど。

三橋氏
でも「江戸幕府」が開かれて、それで経済が発展していくと、全国各地「針山」になっていったの。
「葛飾北斎」の「絵」とか見ると、「針山に松の木がポツンと生えてる」、でしょ?

高家氏
はい、あります〜。

三橋氏
あれ、「松」は採っちゃいけないのね、「松ヤニ」採れるから。
だから、あれだけは切られなかったんだけど、他はどんどんどんどん切られていっちゃったの。

高家氏
へぇ〜。それで「お城」とか建てて、

三橋氏
「お城」とか、あと「お寺」。
まぁ、そのへんが膨大な「木材」使うんで、それで森林がなくなっていっちゃったんですけどね。

「植林」していく


高家氏

それで、どうしたんですか?

三橋氏
それで「植林」したの。

それでですね「タイミングよく」ペリーが来航してですね、そこで「石炭」に変えたんです。「一次エネルギー」が。

高家氏
ふぅ〜ん。

三橋氏
あれ、ペリー来なかったら、ちょっと「停滞」したと思うよ?日本の文明、「一次エネルギー不足」で。
今も同じようなことを、「なんでおんなじことをやってるんだろう?」、まぁ、いいんだけど。
ということで「木材」は非常に重要だし、しかも日本の場合は「木」で「家」を建てるじゃないですか。

2021年「ウッドショック」


それがですね、「2021年」に「ウッドショック」っていうのが発生しちゃったんですね。
これは「輸入材の価格が高騰した」んです。

これ「何で起きたか?」というとね、まずコ◯ナ禍で、「木材関係者」とか、「外国の」ですよ?「動けなくなっちゃった」んです。

高家氏
ふ〜ん。

三橋氏
「動くな」とか言われて「ロックダウン」とか言われて、そこにですね、色んな「事情」、

例えば、「カナダでストライキ」があったりとかですね、「北米とか欧州で、虫害」とかですね、「カリフォルニアで山火事」とか色々ありまして、「輸入材の価格が、対前年比で 2,75倍(に急騰)」。
「コストプッシュ型インフレ」どころじゃないよ、これ。まさに「ウッドショック」だったの。

それで「国内材」も上がっちゃったの。「ヒノキが 1.76倍」「スギが 1.29倍」になったの。

「じゃあ、どうしたらいいですか?」と。
結局「輸入材に頼ってる」から、こんなことになるの。
「国産材を使えばいいじゃないですか?」という話なんでございますが‥

高家氏
‥が?

三橋氏
ということでね、色々とデータを持ってきました。

まず、ビックリされるでしょうけど、日本って、先進国ではね、確か「フィンランド」と並んで「森林率が高い」。 「ほとんど森」なんです。

高家氏
なんか「フィンランド」はすごいそういうイメージありますけど。

三橋氏
ありますでしょ?「日本」も(森林が)ある。

「日本」は、まだまだ「森林」だらけ

日本は、実はですね「森林じゃないところ」って「3割」しかないんです。

高家氏
ああ〜、地図とかで見るそうですね。

三橋氏
ほとんど「森」ですね、厳密に言うと「山」なんだけどね、あれね。
で、「39.1%」、「40%弱」が「天然林」、「始めからある森」ですね、「我々が手を加えていない森」なんだけど、実は、「30%近くは人工林」、

高家氏
「人工林」?

三橋氏
つまり「植林」してった。

高家さんが「山」とか行って「林道」歩いていると、基本的に「森の中」なんだけど、あれって「人工林」なんです。

高家氏
えっ?

三橋氏
「自然じゃない」んですよ。まぁ「自然」は「自然」なんだけど、「人工の自然」です。

高家氏
えっ?どういうことですか?

三橋氏
だって基本的に「人間が入れるところ」、全部これ(青:人工林)だもん。

高家氏
そうなんですか?

三橋氏
ここ(赤:天然林等)入れないですよ。

植えて50年(使いどき)の「木」は51%も


高家氏

「樹海」とかはどっち?

三橋氏
樹海はここ(赤:天然林等)ですよね。「樹海」はそうですね。
確かに「富士の樹海」「青木ヶ原」とかは、何か「ぐしゃぐしゃ」じゃないですか、森が。あれは「天然林」。

でも基本的に「木」が「ピッピッ」ってキレーに生えてるっていうのは全部「人工林」なんです。
基本的に我々が見るところとか、入れるところは全部「人工林」なんです。

高家氏
「高尾山」とかも?

三橋氏
「高尾山」は「人工林」。

高家氏
ええ〜、人工林じゃないと思ってました。

三橋氏
典型的な「人工林」。

要はこっち(赤:天然林等)は「あまりにも奧深い」から「採りにくい」んですよね。
これ(青:人工林)は「使うために」育ててるんです、「人工林」は。つまり「資源」なんです。

「日本」は、「樹海」3割、「人工林」4割、「森林でないところ」3割

で、「日本の人工林の齢級別面積」って言いまして、
これね、「切って5年」=「1単位」なんですね。

ここ「10」じゃないですか、だからここ「50年」なんです、植えてから「50年」なんです。
で、大体、「50年以上」って「使い時」なんですね。

その(植えて50年以上経った)「木」がね、すでに「51%」。
で、これ確か「2016年」か「12年」だったと思うんで、このへん(の「木」)は「使い時」になってます。
多分ね、「6割」「7割」ぐらいの「人工林」は「今使うべき資源」なんです。
わかります?

高家氏
わかります。

三橋氏
で、これ「そのまま放置してるとどうなるか?」っていうと最終的には「使えなくなっちゃう」んですよ。

高家氏
それは「大っきすぎて」なんですか?それとも「耐久性」とかですか?

三橋氏
「木が劣化していく」から。「山も死んでいく」という形になっちゃうから、
今、目の前に膨大なですね、「ウッド」「木材の資源」があるんですよね。

しかし、関税「0」の輸入材だらけ


じゃあ、「使えばいいじゃねぇか」って話なんだけど。

高家氏
思います。

三橋氏
しかも「ウッドジョッカー」だから。

これがですね、「日本の木材需要」全体の木材需要、ですね、と「自給率」の推移です。

「自給率」右軸ですね。

「国産材」が「青」です。「オレンジ」が「輸入材」なんです。

実は「大東亜戦争」に負けたとき、「江戸末期」と同じ感じで、日本中の山「針山」になってたんです。
「戦争」やってたから、「一次エネルギー」使っちゃうから。

高家氏
ああ、使ったから?

三橋氏
使った、使った。
それで「復興」ってことになると「木材」入りますから、関税「0」にしたの、「輸入材」の。
そしたら「輸入材」がぐわ〜って増えていきまして、「国産材」の割合が減っていったのね。
「自給率」元々、「ほぼ100%」だったの、「1955年」時点では。

それがぐあ〜って下がっていってしまって、「2001年」とかには「20%」ぐらいにまで「落ち込んで」いってしまったの。もう「輸入材」だらけ。

で、そのあと、回復はしてるんだけど、今「40%」ぐらいかな? 「林野庁」の最新の資料なんですけど。
で「50%にする」とか言ってるんだけど、なかなかたどり着けない。

なかなか変えれない
①「経路依存性」

高家氏
どうしてたどり着けないんですか?

三橋氏
はい、良い質問です。

一つはね、やっぱ「輸入材メインでずっと市場作ってきた」から、そもそも「商慣習」とか「ビジネスプロセス」とか「輸入材全体」になってるんです。
なかなかそこに入りにくい。

あのね、ちなみに「国産材」ってあんまり高くないんですよ?
厳密は「外国産の木材が高くなった」から「こっち(国産)が安くなってる」んだけど。
なかなかそこに入れない。

高家氏
だって「輸送」の費用とかもかからなくなるってことですもんね?

三橋氏
本来はね。 本来はそうなんだけど、「中々入れない」、「崩せない」というまぁ「経路依存性」みたいのになってるんですね。

で、2つ目なんです。こっちのほうが問題なの。

②「大きな道」がない


これ、なんでしょう?

これ、すごいでしょ?
これね、「コマツフォレスト」。「コマツ」の子会社です。ただ日本にないんだけどね。

「コマツフォレスト」ってところが作ってる「 ハーベスター931」っていう有名な「伐採機」です。

「コマツフォレスト伐採機」の「ハーベスター931」


これ、すごいんですよ、「山道」ぐわ〜って、山に入っていって、それで木材を、立ってる木材よ? 立ってる木材を掴んで、グワンって切って、それで枝を落とすのもぶわってやってしまうの。

高家氏
すごい。

三橋氏
それで、トラックで持ってく。もうとてつもない生産性です。

‥日本の山、入れないです、これ。

高家氏
それは「斜面」の関係とかですか?

三橋氏
(頭を横にふる)「道がない」から。

高家氏
道がないから?「せまい」ってこと?

三橋氏
そう、おそらく。

あるいはですよ、さすがにこの「 ハーベスター 」も「木を運ぶ」っていっても「1本」しか運べないから、当然「トラックに積む」わけ。「大型トラック」に積んで、ブワ〜って運ぶわけ。

日本の技術で作られた「伐採機」が、「日本」では、使えない


「スウェーデン」はそうやったのね。
(日本は)大型トラック通れないね、道が整備されてないから。

高家氏
ふぅ〜ん。

三橋氏
というわけで「目の前に宝の山」というか「資源がある」んです、で「投資すれば使える」と。
で、「ウッドショック」みたいなことも、もう「日本」だけは「例外」になりますよ、全部「国産材」使えば。

それが、「償還性?」の部分ね、色んな規制とかを、スリーボードで変えていくこととか出来るけど
「投資」は「金」の問題でしょ?
それを「出さない」んですよ、「政府」が。

で、一応ね、これすごく問題になっちゃってるから、「山」の問題って。

「森林環境税」を取るんなら、大型伐採機が通れる「道」を


「森林環境税」
っていうのが来年から、(我々日本人は)払うことになります。
年間「住民税に1,000円上乗せ」かな?

高家氏
どんな税金なんですか?

三橋氏
だから、「みなさんから税金を頂いて、自治体とかに配ります」「森林環境「贈与」税」っていう形で、
という政策なのね。

高家氏
なんのために?

三橋氏
ん? そう。だから「森を整備しなさい」っていう話なんだけど、要は「金は政府は出さない」のですよ。

高家氏
ふぅ〜ん。

三橋氏
我々に「出せ」と。 「増税」ですよ、だから、ということなんですね。

でね、「林野庁」って「農林水産省」の傘下だから、基本的に責任者は「農林水産省」なのね。
そこはね、もちろん問題はわかってるから頑張って色々やってるんだけど、例えばこういうことね。











続きはYouTubeで確認 🐈‍⬛


https://youtu.be/1DHwio_LN5g


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