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2023.8.14 大阪万博はどうなる? 三橋貴明氏

サプライロス型インフレ どうなる?24年問題と大阪万博【三橋TV 第742回】 2023.08.14 

https://youtu.be/GnHoc4dimB0

https://youtu.be/GnHoc4dimB0

1:18~


「原発の耐震化工事」、もうやれる人がいない?


三橋氏

今日はですね、この話なんですけど、先日「原子力発電の技術者がいなくなる」って話をした時に、「浜岡原発に視察に行った」って言ったじゃないですか。

高家氏
はい。

三橋氏
私が、あの「原発ゼロの真実」を書く時に。で「常陽」とか作ってたんですけど、それだけじゃなくて、原発全体の「耐震化工事」もしてたのね。

高家氏
はい。

三橋氏
で、もう大プロジェクトですよ。
それ確か「某ゼネコン」がね、そのプロジェクト率いてたわけなんですけど、その時に現場の方から伺ったのは 、「こんな巨大プロジェクトをやれる人材は、うちにすらいない」と。

高家氏
はい。

三橋氏
だから、お辞めになった「引退された方を戻して、やってもらってる」って言ったの。
その時には一番このデフレのね、本質的な問題ってのが分かったわけなんですよ。

「技術」が継承されない、すなわち「供給能力」が継承されない


高家氏

「技術」が継承できない?

三橋氏
あるいは「供給能力」です、「供給能力が継承されない」。

高家氏
はい。

三橋氏
これ「当たり前」で、デフレって、この「デフレギャップがある」

「総需要に対して、供給能力が過大になってる」状況だからこれ(⬇️本来の供給能力の中のデフレギャップ部分)削りますよね。

本来だったら、政府がここ(デフレギャップ)を埋めろって話なんだけども、 「緊縮財政」でやらないとなると、企業は「合理的」に「供給能力を削っていく」しかないですよ。
で、さらにですね、この状況だと何が起きるかというと、「労働者」あるいは「生産者」「働き手」にとっては「賃金の下落」です。

高家氏
はい。

「供給能力」が削られる、すなわち働き手にとっての「賃金の下落」


三橋氏

「賃金の下落」が合ってます。
「サービス価格」も下がりますが、「賃金」も下がります 。つまり「食えなくなっていく」わけですよ、業界で。
すると「人が離散してしまって」という状況になるんですね。

で、そういうのが続いたら最終的にどうなるのかなと思ったら、これ(インフレギャップ)になるわけですよ。

高家氏
はぁ〜。

三橋氏
「需要に対して、供給能力が不足」して「提供しきれない」という形の「悪い形のインフレギャップになるな〜」と。
それをね、なんて呼ぶべきなのかっていうのはね、実はね多分用語がないんですよね。

高家氏
うん。

「消費税、輸入物価上昇によるコストプッシュ型インフレ」は「悪いインフレ」


三橋氏

「コストプッシュ型インフレ」、これが例えば「輸入物価が上昇」してそれで「コストプッシュ」で「インフレ率が上がって、物価上昇率が上がって」、(でも、それは)我々は「所得増えない」じゃないですか。 
「支出だけ、増える」んだけれども。

「需要の拡大によるデマンドプル型インフレ」は「良いインフレ」


で、例えばこの「総需要」が牽引して

「供給能力が引き上がってくる」

その「インフレ」は「デマンドプル型インフレ」。
これがゴールですよね、我々の。

高家氏
はい。

「サプライロス型インフレ」(※三橋氏考案)、つまり「供給能力不足によるインフレ」


三橋氏

でも、日本で起きるのはこれがひたすら削られてってしまって、

否応なしにこの状況になってしまう

っていう形の「物価上昇」が「これから始まるんだろうな」、
もちろんそれがデマンドプル型に転嫁するかもしれないですよ?
でも「当初」は、違うだろうな、と。

とにかく「人がいない」、「供給能力足りない」。
「上げざるを得ない」「高いんですか?じゃあやりません」「買いません」みたいな形の「物価上昇」を、何て呼ぶんでしょうか?と思ったのね。

高家氏
はい。

三橋氏
「サプライロス型インフレ」ってどうでしょう?
(「supply(サプライ)」・・・「供給」という意味。ビジネス用語としては「仕入先」や「納品業者」、「供給元」など。)

高家氏
あぁ〜。確かに。

三橋氏
これ(本来の供給能力・・・潜在GDP)が消えてっちゃった結果、こう(インフレギャップ)なっちゃって「物価上昇率が上がる」と。
「サプライロス型インフレ」になってる、「なる」んじゃなくて「なった」というのがですね、
これでもう、決定的にわかるんですよ。

というわけでブログ「供給能力ではなく、カネを重視し続けたツケを払う時が来た」、「7月29日」のエントリーですね。

「大阪万博」、準備が全然進んでいない


ここで取り上げた記事がですね、これです、「大阪万博」です。

高家氏
はい。

三橋氏
で「大阪万博は本当にできるのか?」ぐらいですね、全然準備が進んでいないんですよ。
「パビリオン」の建設とかも、建設が始まるどころか「契約が、なされてない」んですよ。 
これいくつも理由があるんですよ。

高家氏
はい。

三橋氏
「外国が、何を考えてるか?』っていうのもあるだろうし、もう一つは「複雑」じゃないですか、「パビリオン」って。

高家氏
はい。

三橋氏
それで「人件費」が「人手不足で上がるだろう」と、かつ「資材価格上がってる」と。
となると、やりたくない安い金額で、その建設会社が。
それ、当然ですよね。

高家氏
はい。

三橋氏
じゃあ「高くつきまっせー」ってやると、向こう側が、外国側が「こんなに高いの?」みたいな感じで、
「そこまでして大阪の万博にパビリオンを出す価値あるのかな」とか、悩んでもしょうがないですよね。
この状況になっちゃってるんですよ。 

ということでここにね、実は「土木業建設業」の「2024年問題」も入ってくる。
「運送業」の「2024年問題」は有名だけど、「土木建設事業」もなんですよ。

土木業建設業の、2024年問題? 「残業規制」を万博だけ「適用外」にするご都合主義


高家氏

もう「2024年」なんですか?

三橋氏
そう、だから「延期されてた」の、「働き方改革」による「残業規制」が。
それが「来年4月から始まる」わけでしょ? 
するとますます人手が足りなくなるでしょ?

そこで「大阪万博のパビリオン」、だって「25年」でしょ?あれ。
「できるんかい、本当に?」って事で、それで「日本国際博覧会協会」、「万博協会」ですね、の幹部が
「来春に予定される建設業界に対する時間外労働の上限規制」を、「万博工事だけは適用しないでくれ」と、政府に依頼して、

高家氏
へぇぇ〜。

三橋氏
それで、当たり前ですけども、その「土木業建設業」の方で「建設業界団体」とか、「猛反発」ですよ。
「ふざけるんじゃねえ」と。
「ふざけるんじゃねえ」と、「こういう状況にしたの、お前ら(政府)だろ」って言うんです。
それで「ご都合主義」でしょ?


高家氏
はい。

三橋氏
で、政府もですね、「岡田万博担当大臣」が、「事務方」が、「博覧会協会とともに将来的な課題を洗い出す過程において、残業時間の規制適用を外すことが話に上ってるって事は聞いております」ということだから、本当に検討してるんだよね。

高家氏
はぁぁっ。

三橋氏
何考えてるの?「そんなこと言うなら、全部やめろよ」ですよ、私に言わせれば。

高家氏
思いますよね。

「万博」終わったら壊す予定のパビリオン建設より、「インフラ建設」で未来に投資を!


三橋氏

「延期?」でしょ?とりあえず。あの「運送業」も含めて。
「万博だけは〜」みたいな、そういう状況になってるんです。

でねこれね、「万博が問題」だと思うのはもちろん「短期的」には「雇用」とか「所得になる」から別にいいんだけども、「万博のパビリオン」って、万博が終わったら「取り壊す」んですよ。 

それに対して「高速道路を作りました」と。
そうするともちろんその短期の所得にもなるんだけど「インフラが整備される」と、そうすると「生産性」が上がって、

この「供給能力」引っ掛けてくるん ですよ、その「インフラの整備」によって。

だから「同じ人手不足」です、で「インフラの構築」と「万博と、パビリオン建設」と「どっちに金使うべきですか?」と問われたら、
私はその「インフラ建設にしとけ」と言う。

高家氏
うん。

三橋氏
それは「将来の生産性向上をもたらすから」なんだけど、なんだけど、ここでまた「政治力」のバカな話になっててですね。

「万博だけ適用外」と政治力を使って、国民の権利を「分断」する


だから、これから「企業」と「人」の「奪い合い」、「金」じゃないですよね、「奪い合い」って ものが起きてって、
で、ほら大阪の連中って、特に「菅」とかと「実行?」じゃないですか。
そういう政治力を使って「万博だけは適用外」みたいなね。

高家氏
へぇぇ〜。

三橋氏
ってことになり、そんなの非常によくないですよ、 非常〜に問題があると思います。

高家氏
はい。 

三橋氏
あの「国民の権利」をですね「分断しちゃう」ことになっちゃう。
「差」作るんじゃないか?って話なんだし、
さらにはですね、作って、まだ「間に合うの?』と。
で、作って、まぁうまくいったとしてもですよ「取り壊せるの?」とかですよ。

「万博」の問題「交通網」にも


「万博」いろんな問題があって、いずれ本格的に取り上げようと思ってんだけど、 
なんかね、「USJ」「ユニバーサルスタジオジャパン」、大阪にあるでしょ?
あれの「3倍」「4倍」の「来客数」を予定してるんですよ。 

高家氏
ええっ?(笑)

三橋氏
しかもね「交通網」がですね、整備、例えばね「橋」、「夢島」でやるんで「橋」で行かなくちゃいけないんだけど、あと「トンネル」が1こあるんですけど、増設してないら多分詰まる。 
USJの3倍4倍の客が来ると思わない。もし来たらそこで詰まりますね。
あと「夢島」って東京の「夢の島」と同じで、地盤がほら「ゴミを集めて作ってしまう」から、柔らかいんで大丈夫なの?

高家氏
大丈夫なんですか?

三橋氏
あと「環境問題」どうなの?と。
もちろんお金と時間をかければですね、ちゃんとしたものが作れると思うんだけど、「もう間に合わんだろう」とかですね、色んなツッコミどころがあるんですよ。 

「大阪万博」をやる理由?「維新」の票取りに役立った? 


あれ、何のためにやると思います?そもそも。

高家氏
いや、気になってました。
 
三橋氏
「維新」の政治力、高めるためです。

高家氏
えっ、そんななんですか?

三橋氏
あのね、最初の「大阪都構想」があったじゃないですか、2017年だったかな、確か15年、17年かな、あったんですけど、そこで負けたのね、維新が。

高家氏
はい。

三橋氏
本来だったらそこで「維新」は衰退していくべきはずだったんだけど、そこに「大阪万博」っての持ってきて「うわーっ」と支持率が回復したんです。

高家氏
えっ、「万博」持ってくると支持率は回復するものなんですか?

三橋氏
うん、「元気」になる。
「これを、やり遂げますっ」とか言って一応「景気は良くなるな」って予感はするじゃないですか、色んなプロジェクトやるから。

高家氏
あぁ〜、確かに。

三橋氏
そこに「IR」、「カジノ作ります」とかですね、もう思いっきり「グローバリズム」ですよね。

高家氏
はい。

「アイディアだけ」の人、「アイディアだけ」の政治の責任は?


三橋氏

そういう発想で進めてったんだけども、ああいうね何でしょうね、あえて言うけど「ポピュリスト」だよね。

(ポピュリスト・・・1890年代、アメリカの西部と南部の農村地域を基盤として組織された人民党(ポピュリスト党)
ポピュリズム・・・政治変革を目指す勢力が、既成の権力構造やエリート層を批判し、人民に訴えて、その主張の実現を目指す運動。日本では「固定的な支持基盤を超え、幅広く国民に直接訴える政治スタイル」という意味で使用されることが多い。)

高家氏
はい。

三橋氏
そういう感じで、とにかく「人気が上がればいいや」っていう連中って「インプリメント」めちゃめちゃ下手だから、「考えない」から。 

高家氏
インプリメント?

三橋氏
つまり「実際の現場で動く」ってことです。

高家氏
あぁ。

三橋氏
だから「アイディア」なんですよ。
私が嫌いなタイプの人間ね、「絶対雇いたくないな」っていう。
「アイディア」をポンポンポンプ出していくんだけど、「じゃあ実際お前やってみろ」って言ったら、全然分かりません、「人に丸投げ」みたいな。
こんな感じになってます、今。

高家氏
うぅ〜ん。 

三橋氏
だから今、このままだと日本の「土木業」「建設業」がツケ?に「うりゃあ」ってその「投げられる」っていうの分かってるから、そもそも「受けたくない」んですよ。

高家氏
はぁぁ〜。

三橋氏
だから来年はね、本当にそういう問題が集中することになります、びっくりするぐらい。

これから「サプライロス(発展途上国型)インフレ」が起こる?


で、結局この状況で「このままだとこれがなくなって、こうなるだろうな〜」と、それは「いい意味でのインフレギャップ」になるわけじゃなくて、
さっき言ったように「サプライロス型」、もうちょっと分かりやすく言うと「発展途上国型」の「供給能力不足になるんだなー」って予感が、
「原発」の、その視察というかまぁ原発を見てた時にね、分かったんですよ。

高家氏
うん。

三橋氏
今はできてるけど「10年後」どうなんだろう、と。まさにちょうど「10年後」なんですけどね「今」ぐらいが。

高家氏
あーそっか。

三橋氏
そう。「2013年」ぐらいだから私が全国(の原発)回ったのって。
「見事にそうなってるな」ってところに、「万博問題」とかが来た。
あと「2024年問題」ね、これもあん時はなかったからね。

でね、ここで改めて皆さんに「先進国」の定義について考えていただきたいんです。
今「日本」は、猛烈な勢いで「発展途上国化」してるけど、あ、 ちなみに藤井先生たちは「衰退途上国」って呼んだけど、同じね、同じなんだけどね。

高家氏
はい。

三橋氏
私がなんで「発展途上国化」っていうかというと、イメージがつきやすいから。
「衰退途上国」っていうのは、なかなかないからね、日本みたいに。
イメージがつきにくいんじゃないかな? どっちでもいいんだけど別に、はい。

高家氏
はい。 

そもそも「先進国」の定義は?


三橋氏

じゃあ逆に「完全なる先進国」って何だ?という話。

だいたいこういう定義になると思うんですよね、あまり反対しないと思うよ。
「政治面」「経済面」「文化面」いろいろあるじゃないですか。だって「政治面が素晴らしくて、経済面が強いんだけど、文化がありません」、
「それ、先進国じゃないんじゃね」みたいな。
「経済ファシズム」みたいな感じの国でしょ。 

高家氏
はい。

三橋氏
そうじゃないよ、と。

ということで「高度な工業化や経済発展を達成し、工業力や科学技術力で他国に秀で、生活や健康、衛生、教育インフラ、権利擁護、治安などの水準が高く 、各種の安全保障が維持され、政治的に自由で安定している国家」、これが「先進国」だと思います、私は。 
そう考えるとね、「完全なる先進国」なんかって「一つもない」ってのが分かる。

うぅ〜ん。

三橋氏
みんなどっか「弱点」があるわけ。

高家氏
うん、確かに。 

三橋氏
「アメリカ」ね、「アメリカ」はもちろん「先進国の代表」ですけど、だって健康面とか、衛生面とか、治安面って絶対我が国(日本)が勝ってますよね?

高家氏
そうですよね。

三橋氏
健康寿命も、平均寿命も低いし、日本よりもね、しかも下がりましたからね、先進国の中で唯一。
さらには、「衛生面」。
まぁ、衛生面じゃ、日本に勝てるところないと思うんだけどね。

高家氏
日本、そこ、すごいですよね。

三橋氏
すごいんですよ、だから私絶対外国行かないんだけど。

「日本」の 健康面、衛生面、治安面はトップレベル


あと「治安」。
日本はね、ずっとあの「犯罪率」が、「犯罪件数が下がってきた」んだけど 、昨年ちょっと増えたんですね、「5%」ぐらい。 
だから、ちょっとこれからどうなるかわかんないけど、アメリカには余裕で勝てますよと。
「銃の乱射事件」とか聞いたことないでしょ?

高家氏
あぁ〜、聞いたことないです。

三橋氏
ないでしょ?

高家氏
えっ、 「イギリス」とかはどうなんですか?

三橋氏
イギリス」もあります。
「カナダ」とかは、聞いたことないですね。「銃規制」ないんですけどね、謎ですね。

高家氏
ほぅ。

三橋氏
それはだから、ある意味、別の意味で「アメリカよりも先進的な部分がある」んでしょ?
人の、何でしょう、「空気」ですね、 「空気的なもの」が。

高家氏
うん。

「世界平和度指数」が一位の「アイスランド」は穀物農業ができない


三橋氏

ちなみに、どこが作ってんだっけな「世界平和度指数」ってのがあるんですよね。 
「一番平和に暮らせる国はどこですか?」と、で「アイスランド」が「13年連続で首位」なんですよ。

高家氏
へぇ〜。

三橋氏
「日本」はね「23年」「9位」でした。だいたいこの辺にいるんですけど「日本」って。
でも「アイスランド」って「穀物農業」できないんですよ? 
「ヴィンランド・サガ」見てます?

高家氏
えっ、見てないです。

三橋氏
一度見た方がいいですよ。


続きはYouTubeで確認🐈

https://youtu.be/GnHoc4dimB0




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