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ホドロフスキーとリンチとヴィルヌーヴのDUNE

「DUNE 砂の惑星」が2021年10月に封切られる。

新型コロナウィルス感染症のパンデミックは全米の映画館に壊滅な打撃を与えていて、本作は2020年10月に公開予定だったが、一年の延期を余儀なくされた。
監督はドゥニ・ヴィルヌーヴで、主演はティモシー・シャラメ、共演にゼンデイヤ、ジュシュ・ブローリン、ジェイソン・モモア、ハビエル・バルデム、
レベッカ・ファーガソン、シャーロット・ランブリング、デイブ・バウティスタ、オスカー・アイザック、ステラン・スカルスガルド、チャン・チェンなど、錚々たるメンツが勢揃いしている。
凄まじいスターパワーに溢れた作品で、今のハリウッドの旬の大物全部乗せ!的な感じですらある。

然し、監督はあの『ブレードランナー2049』のドゥニ・ヴィルヌーヴのため、これは傑作の予感しかしないわけだ。
私はドゥニ・ヴィルヌーヴが「次はDUNEを撮るんだ〜。暫くは大きなバジェットの作品を試してみたいんだ」という発言をしていた2017年から楽しみにしていた。だからこそ、昨年の一年延期は凄まじいショックだったが、
案外、時というものはすぐに経つものだなと思う。

『砂の惑星』はフランク・ハーバートの長編SF小説が原作である。フランク・ハーバートは売れない作家で、ライターの仕事が本業だった。『砂の惑星』も彼が40代前半の仕事で、それまでは数はあれど、売れない小説を
書いただけである。砂の惑星も、複数の出版社に出版を断られていた。
『砂の惑星』のシリーズは6作の連作で、私も全ては読んでいない。

何度か映像化もされていて、一番の有名所は1984年のデビッド・リンチの『デューン/砂の惑星』だと思うけれども、
この作品は当時相当な予算で、イタリアの大プロデューサーのディノ・デ・ラウレンティスの企画として制作された。主演はカイル・マクラクランで、『ブレードランナー』のレイチェルことショーン・ヤングも出ている。
この映画は珍作で、然し、相当なインパクトを持つ。私は、初めて観た時は原作も読んでいなかったから、物語が一切不明だった。ダイジェスト的な筋運び、人物の紹介の少なさに、真剣に観ていても意味不明だったのだ。最後まで観るのが困難な作品である。
然し、ビジュアルインパクトは強烈で、2021年版にも多大な影響を与えているように思える。

そして、アンドレイ・ホドロフスキーが撮る予定だった『DUNE』が存在する。ホドロフスキー版はプリプロダクションの時点で頓挫したわけだが、この企画を語るドキュメンタリー映画、『ホドロフスキーのDUNE』という作品がある。

ホドロフスキー版もまた、負けず劣らず豪華なキャスト、いや、あらゆる映画の中でも豪華さならばトップクラスといってもいいだろう。
大物ならば、ミック・ジャガーにオーソン・ウェルズ、アマンダ・リアというだけでも凄いのに、サルバドール・ダリも出演の予定だった。

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ダリは1時間の撮影で10万ドル、そしてキリンを出してくれと、意味不明な要求もあったが、それをホドロフスキーは飲んだのだ。
そういえば、チュッパチャプスのロゴデザインはダリによるものだという。
このロゴは1時間で描かれて、ヒナギクをあしらったものだそうだ。

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スタッフでもダン・オバノンやギーガー、メビウスにピンク・フロイドなど、破格のメンバーである。
ホドロフスキーは彼らのことを魂の戦士たち、ウォリアーズと呼んでいた。やはりブレない男である。然し、企画は空中分解して、デビッド・リンチに監督が決まると、ホドロフスキーは本当に悔しかったらしい。けれど、客として映画館で観ていると、デビット・リンチ版が○ソ映画だったため、狂喜乱舞したと、ドキュメンタリー内で嬉しそうに語っていた。
子供のような魂を持つ男である。

2021年のDUNEはヨルダンで撮影されて、美しい砂の惑星が再現されている。
サンドワームはデザインに鬼のように時間をかけて仕上げたそうだ。
今作は初めから複数作の予定として制作しているとのことだが、果たして、興行の結果はどうなるだろうか。

とりあえず、今年最高に楽しみな1本です。




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