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書店パトロール14 夭逝って何歳までよ

左川ちかの本が目に留まる。

左川ちかといえば、24歳で亡くなった早世の詩人である。よく夭折の詩人だと言われるが、まぁ、私個人としては夭折はティーン・エイジャーまでのイメージ。
で、今年は文庫も出たりしている。

左川ちかは昨年全集も刊行されていて、この論考や評者のインタビューをまとめた本はとても欲しいと思いつつ、いや、然し、私という人間は、欲しい物を手に入れたら最後、大切なものがあっという間にいらなくなるので、この大量の論考を読むのは無理だと見送り。だって、多分、いや、絶対に、途中で投げ出しちゃうもの。

そんな私がウロウロと本屋を店員に変わってパトロールしていると、巨大な本が立ち現れる。うわー、大きいし、重いよー。4,620円という価格からして、恐ろしい本だ。うーん、綺麗な装丁に洒落たレイアウト。古今東西様々なSF文学や映画などと絡めてSF心を刺激するような謎の本だ。
私はSF強者ではないので、まぁ、パラパラと。

私は今回、漫画を買いに来たのだった。

今月は購入している漫画が何冊かまとまって発売される。読みたい本もたくさんあるが、どうように漫画もいっぱいある。

まずは『SANDA』の11巻であるが、板垣先生、御結婚おめでとうございます。然し、この『SANDA』という漫画は、本当に、いまいち掴みづらい。テーマは最高だ。大人と子どものあわい。とにかく物語が行き当たりばったりだし、それが上手く糊塗されていないというのに、なんというか読ませるんだよねぇ……。10巻から11巻の流れは良かったね。

それから『劇光仮面』の最新4巻。

これはもう間違いなく今一番おもしろい漫画。3巻の引きも素晴らしかったけど、そのままカタストロフに突入するかと思いきや、ゆっくりと怪人へとたどり着くまでを丹念に描く。
この世界ではヒーローは特撮でしかなく、特技研の皆がガチで研究を重ねて作ったスーツ、そして魂と覚悟はヒーロー、鍛え上げた人間が、いざ真の怪人と邂逅する、この昂揚と絶望感ったら。もうね、最高に燃えるし震えるぜ♡。そんな感じの漫画でござるな。とにかくとにかく、最後の正体を晒した怪人に、どう足掻いても人間勝てないって、というこの展開の読めなさ。素晴らしい漫画。傑作。

と、べた褒めしすぎの『劇光仮面』。本当に面白いのよ。


まぁ、漫画ばかり読んでたら莫迦ばかになるとね、皆そう言いましたね。でも、それは本当です。莫迦になります。それから映画。これも莫迦になりますし、小説も莫迦になります。アニメーションは莫迦の最たるものだし、スポーツも莫迦のやることです。勉強ばかりできる莫迦も社会では何の役にも立ちません。男女の睦み合いなんて莫迦の極地ですし、自分探しという莫迦が莫迦を探す堂々巡りなんかやってます。
結局世の中は莫迦ばかりですが、まぁ、でも、莫迦も捨てたもんじゃないと私は思います。
莫迦になること、人を莫迦に変えてしまうもの、それって全部面白いものばかりですからね。


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