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皆さんにご報告があります。この度、CV.鈴代紗弓さんと入籍致しました。何卒宜しくお願いいたします。

ぼざろ、面白かったな……
特に虹夏ちゃん。可愛かった。CV.鈴代紗弓と結婚したいな……


ん……?
これは……!?


「【耳かき・添い寝】幼馴染と結婚の約束をしたけど、思春期を迎えて距離が出来ました。【CV.鈴代紗弓】」!?
「【耳かき・添い寝】幼馴染と結婚の約束をしたけど、思春期を迎えて距離が出来ました。【CV.鈴代紗弓】」じゃないか!!!
素晴らしい。「【耳かき・添い寝】幼馴染と結婚の約束をしたけど、思春期を迎えて距離が出来ました。【CV.鈴代紗弓】」を聴けばCV.鈴代紗弓と結婚が出来るわけですな!!


当然、迷わず購入。早速、トッラク1から再生っと……
………………………………………………
………………………………
………………






!!?!?!?!??!??!?
なん……だ……これは……???



突如、
俺の脳内に溢れ出した




トラック01「ぜ〜ったい、けっこんしようねっ♪」


これは、まだぼくが小学生のころの話。
こうえんに行くと、CV.鈴代紗弓ちゃんがないてた。
しゃべりかたが気持ちわるいと。いやだと、友だちからいわれたみたいだ。
ひどいとおもった。CV.鈴代紗弓ちゃんがかわいそうだとおもった。なきやんでほしいとおもった。まもらなきゃいけないとおもった。
だから、ぼくが、きみをまもるっていった。
そしたら、CV.鈴代紗弓ちゃんがなきやんでくれてうれしかった。やさしくて、つよくて、かっこいいといってくれて、うれしかった。

「わたし、けっこんするならやさしい人がいいな~」

そうだね。ぼくもそうおもうよ。

「あのね……」
「わたしと、けっこんしてくれる……?」
「わたし……好きだよ?好きって、いってくれる?」

うん……すっ、すきだよ……

「やったー!!」
「ぜ~ったい、けっこんしようね♪」
「約束だよ!」


あの時の記憶を繰り返し思い出す。時間が経つにつれて、景色も、言葉も、だんだんと薄ぼんやりとしてくる。
だが、これだけは確信できる。CV.鈴代紗弓への気持ちは、あの頃から、ずっと……

素直になれなくてごめん


俺は中学に入学してサッカー部に入った。はっきりとした理由は特になかった。ただ、今思えば男らしくなりたかったのかもしれない。優しいだけでなく、強い人になりたかったのかもしれない。
その後、CV.鈴代紗弓は吹奏楽部に入ったらしい。やっぱり、俺も吹部(すいぶ)入れば良かったかもしれないと、あの頃の俺は少し後悔していた。けれど、俺は思春期だった。なんとなく距離を取ってしまった。

ある日の昼休み。彼女と廊下でばったり会ったことがあった。たまたま、人気がなく、まるで二人きりの空間にいるみたいだった。
その頃は互いに意識してしまって、小学生の頃みたいにいつも一緒にいるということはなくなってしまった。

「最近、どんな感じ?」

まあ、ぼちぼちだよ。

「最近、おかし作りにハマっててさ~」
「大会前に作ってあげて、気合注入してあげるよ!」

ありがとう。

キーンコーンカーンコーン…………

「あ、そろそろ戻らなきゃ」

そうだね、戻ろうか。
それと、
俺、久しぶりに話せて嬉しかった。

「うん……私も、久しぶりに話せて嬉しかった!」
「あ、ちょっと待って!」



「あの約束、覚えてる………?」
「私、一度も忘れたことないよ………?」
「ちなみに、今。彼氏いないから」



気持ちは一緒だって、分かっている。
素直になれなくて、ごめん。


勇気を出すよ


CV.鈴代紗弓と同じ高校に入学した。
高校に入ってからも、俺は素直になりきれなかった。中学の頃よりも一緒に行動することは増えたが、恋仲というよりも、腐れ縁の幼馴染といった感じだったかもしれない。


高校2年生の頃、文化祭でCV.鈴代紗弓はクラスでコンカフェを出しており、彼女はその店長をやっていた。
店長か。凄いな。立派だな。もう、泣き虫の彼女はそこにはいなかった。

甘やかしカフェというコンセプトらしい。
いや、ちょっと。それはどうなんだろう……。
CV.鈴代紗弓は、他の奴らを癒すのか……?嫌だ……CV.鈴代紗弓が俺以外の野郎を癒すだなんて許せない……。そんな奴がいたら普通に殺そうかと思う。不安になってそれとなく聞いてみたら、店長だから、彼女はそういうことはしないらしい。めちゃくちゃほっとした。
流れで、俺はCV.鈴代紗弓に耳かきをしてもらった。その時だけは、俺たちは確かに恋人関係だった。


ぼんやりしていると、すぐに高校卒業の日が来てしまった。結局、この日までずるずると俺たちは腐れ縁の幼馴染だった。
卒業式前日。クラスの打ち上げの帰り道。CV.鈴代紗弓と一緒に帰宅した。
色々な話をした。
体育祭で一緒にサボって、カップル扱いされた話。
文化祭で一緒に回った話。カップル限定のお店に一緒に入った話。耳かきをしてもらった話。
中学生の頃、バレンタインにフィナンシェをくれた話。それで、同級生からからかわれた話。
CV.鈴代紗弓が吹奏楽部に入った話。体育祭でチアをやった話。吹奏楽部もチアも、サッカー部に入った俺を応援するためにやっていたという話。

俺がCV.鈴代紗弓を想ってるのと同じように、CV.鈴代紗弓も俺を想ってくれていたんだ。
だから俺は、勇気を出すよ—――――――――


交響曲第6楽章「これって……そういうこと?(25歳:クリスマスイヴ)」


卒業式の前日に告白をして、俺とCV.鈴代紗弓は恋人になった。
そのまま大学生になり、社会人になり、同棲を始めて、もう3年の月日が経った。

クリスマスイヴの日。俺はCV.鈴代紗弓とBBQをしに来た。アパートの屋上で、貸切のBBQ。二人きりのBBQだ。
25歳。出会ってからもう18年も経った。CV.鈴代紗弓はすっかり大人っぽくなっていた。もう、幼馴染という感じはしなかった。18年経っても、あの頃の約束は忘れない。

「なに……?」
「なにか、探し物……?」
「真剣……?うん……?」
「これ、私に……?」
「これって……そういうこと?」

開けてみて。

「あはは……」
「そうだよね。見てからだよね」
「いきます……!」
「……」
「婚約指輪……」

うん。
待たせてごめんね。

「ううん……時間かかってないよ」
「むしろ……やばい……泣きそうかも……」
「けど、言葉も欲しいのは、わがまま……かな?」

そうだね。言うよ。
俺と、結婚してください。

「うん……喜んで!!」
「こちらこそ、末永くお願いします……!」


君を幸せにする。君を守る。愛している。命を懸けるよ。
トラックを全て再生し終わって、イヤホンを外して目を開いても、目の前に君がいるよ。これからもずっと、俺とCV.鈴代紗弓は一緒だ。


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