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生きる意味、人生の価値

人間なら誰しも、自慢できることの1つや2つ、持っていたいものだ。

私は、少し頭の悪い高校で、少し努力をして成績上位をキープしていた。
周りからは頭がいいと持て囃され、それが私の唯一できる自慢になっていた。

しかし、大学受験という世界に触れ、私のアイデンティティは崩れ去った。

「井の中の蛙大海を知らず」とはまさにその通りで、大海を知らなかった私は受験戦争の波に飲まれ尽く敗れ去り、県外に出れば誰も知らないような無名大学へ進学することになった。

勉強以外何も持っていなかった私が、勉強で結果を残せなかった。
とても悔しくて、それでも現実は重くのしかかる。浪人する勇気のない私は、それを真正面から受け止めなければいけない。

アイデンティティクライシス。自己の喪失。

何も無い私は、何を糧に生きればいいのだろうか。
楽しいと感じる瞬間は度々あれど、生きる意味と見なすにはあまりにも軽すぎる。そんなものばかりだ。

こんな精神状態だから、何かを持っている人が羨ましくて仕方がない。趣味でもいい、特技でもいい、夢でもいい。何かを持っている人は、とても強い。それこそある種才能だと思う。

全国大会に行った、世間から評価された。目に見える成果だけではない。茨の道に挑む覚悟で大それた夢を語る人、将来のビジョンを目を輝かせながら語る人。
誰も彼も、生きがいを持ってがむしゃらに努力して、豊かな人生を送っている。それがとても羨ましくて。

自分も昔は大きな夢を持っていたはずなのに、そんな気持ちはいつの間にかどこかに置き去りにしてきてしまった。現実的に考えて、周りの目を気にして、何の面白みもない道を選んできた。結果が出ずに自分の才能の無さに気付かされるのが怖くて、挑戦することも躊躇ってきた。
だのに自分には何も無いと手前勝手に僻んで、本当におかしな話だ。

こんな気持ちで18年間生きてきたんだから、今更根本から自分を変えるなんて到底できない。ミュージシャンになる、俳優になる、何かしらの分野で名を轟かせる。そんな大きな野望を掲げたところで、いずれは朽ち果てて普通の仕事に落ち着くのだろう。分かりきったことだ。私には向いていない。

ならせめて、好きなことを見つけたい。特技になり得なくても、好きだと思えるものを。そのために、今まで逃げてきた「挑戦」をする覚悟を持ちたい。

もうすぐ高校生という肩書きは無くなって、子供ではいられなくなる。何かしようものなら、周りに若気の至りだと揶揄されるかもしれない。それでも、私にとっての「生きる意味」を見つけるために、挑む覚悟を決めるんだ。

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