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鬱とか不安とかに効く、人類史のススメ

 僕は子供のころから理屈っぽくて、何か嫌なことがあると「なんでこうなったんだろう」と考えだして、答えのない沼にはまっていってしまう。
 そんな性格だから、自分が孤独感とか絶望感を抱いているときには、「なんでこんな気持ちなんだろう」と考えて、どんどん暗い気持ちになる。これが「今朝の占いで最下位だったからなぁ!」という考え方ができれば、すぐに割り切れるのになあ、と思う。

 そんな僕の対処方法の一つは、なるべく理屈っぽいことが書いてある本を読むことだ。学者さんやお医者さんが書いている本だとより説得力がある。 自分の頭で考えるより、そういった本を読む方が何かしら答えが見つかることが多い。
 その中でもおすすめしたいのは、人類史に関する本だ。
「僕は今なんでこんなに寂しいのだろう」→「そもそも僕はどうしてこんな寂しがりな性格なんだ」→「僕っていったい何者なんだ」→「人ってなんだ」。と、大体の悩みは結局自分が人であることに起因しているから、人とは何か、ということがわかると色々な悩みに少しだけ理由がつけられる。
 おすすめの本は「サピエンス全史」とか「われわれはなぜ嘘つきで自信過剰でお人好しなのか」です。

 そういった本を読むと、僕たち人類は数十万年前からホモサピエンスとして生きていて、ほとんど進化していないらしい。そして数十万年前から今現在まで奇跡的に生き延びてきた僕たちは、この世界で生き残るための機能がしっかりと備わっているとのこと。

 なんで僕はこんなに今寂しいのだろう、と考えるけれど、大昔僕たちは、基本的に群れで行動していて、群れていないと外敵に襲われて死んでしまうことが多かったからだ。だから寂しさという機能がしっかりと働いた人たちが生き残ったんだ。
 なんで僕はこんなに不安で落ち着かないのだろう。大昔は、外敵に襲われたり、食料が尽きたり、病気にかかったり、自分の死に直結するいろいろな出来事があって、それらをしっかりと気にして、行動してきた人間が生き残ってきたからだ。
 なんで僕はこんなに疲れているのだろう。大昔は電気なんてなくて、暗くなってから働くことはなかったのだ。それに農業が始まる前は、その日の食料を狩りや採集で得ていただけなので、労働時間はそこまで長くなかったらしい。だから朝から晩まで、じっと座ってパソコンの小さな画面を眺めながら仕事をするように僕たちの体はできていない。
 そんな感じで理屈がわかるとなんだか安心する。孤独感や不安感や疲れは、別に僕が異常なわけじゃなくて、その機能のおかげで僕たちは今ここにいるんだ。そしてその機能は思っているより過剰で、哀しいかな今の世の中にはあまり合っていないものなんだ。
 なのでその機能に抗わず、太古に思いをはせて、ちょっと原始的なことをやってみよう。寂しさを感じたら、自分の家族や友人と少し連絡を取ったり、不安だったらとりあえず運動してみたり、疲れたら早く電気を消して寝ちゃおう。
 そうやって物事への対処方法を考えることができる。それに理屈がわかるだけで(僕の場合は)少し安心する。原因不明の咳やら体の痛みがあって、お医者さんに行って、病名を付けられるだけでも安心する時ってありますよね、それと同じです。
 是非みなさんも人類史的なものを読んでみてはいかがでしょうか。

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