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ワクチン騒動


敦はこんな夢をみた。コロナで窮地に立たされた国民がワクチン投与を望んでいる。保健所や病院にワクチンを求める群衆が大量に押し寄せた。われ先にと、求めるあまり、全ての施設が破壊され、病院などが絶滅の危機に瀕してしまった。まるでゾンビと化した群集は、ワクチンを求めて、闘い始めてしまう。それをテレビやマスメディアが煽る。地獄絵を見ているような光景だ。羅生門の再来のような飢餓と絶望の民が集まる。

そんな時、東京新聞のWEBニュースに『コロナワクチン、歴代の米大統領3氏が接種を表明 国民に抵抗感「チップ埋め込まれる」と陰謀説も』と載った。チップ埋め込みの疑惑の張本人である米マイクロソフトの共同創業者のビル・ゲイツがBBCの取材で「『ワクチンのためにもっと協力を』陰謀論にも言及」と弁明している。本当の悪党は、平気でメディアを使って弁解したり、弁明するものだと敦は思った。

ただ、アメリカの科学雑誌『ディスカバー』は、陰謀論を唱えやすい集団には、「社会経済的地位の低い人々、排除されている人々、人生が手に負えないと感じている人々が含まれる」と指摘し、これらの集団の数はコロナ禍が始まって以降増加していると述べているとあった。そんも中の一人である敦もまた、犠牲者なのかもしれない。当のアメリカでも半分がワクチン接種を拒んでいるという。

これだけ、多くの情報が飛び交っている現実とフェイクだらけのニュースや陰謀に次ぐ陰謀は、ネットが世界中を飛び交っている証明だ。中国が世界中に流す真実っぽいフェイクニュースやアメリカが流す攻撃型のフェイクニュースなど国家間でのバトルが庶民を悩ませている。コロナ以上に人を殺す武器がニュースや情報だった。ワクチンを摂取したい政府とその裏で暗脈する製薬会社の思惑。その利益の一部を狙うマスメディアという絡みが、透けて見えてしまうのが、現代社会だ。

ワクチンを接種しても死ぬ、しなくても死ぬ、そんな選択をしなければならない時代になったと敦は悲観している。『トランプ大統領が、悪魔ビル・ゲーッ人口削減計画『ID2020 』を中止させ、ワクチンは強制ではなく『任意』であり、軍がその純正度をチェックし配布する事を宣言!国中での5Gの展開が中止!』とネットで見た。トランプ発言も影響して、悪魔に仕立てられたビルゲイツでもある。

どちらにしても、傍観するしかないワクチン騒動。「潔きよくいの一番で、接種しても面白い。人生を丁半で賭ける。何が起こっても、自分の人生、実験台になって、家族やみんなが結果を見て、接種すればいい。ワクチン騒動に決着をつけなければならない」と覚悟を決めた敦であった。「すでにお墓があるからな」と敦。
「ちゃんと葬りますから」と瑠璃子が笑った。彼らのワクチン騒動は、始まったばかり。

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