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【1】たばこ柄のごみ箱が、当たり前にある会社。

 あまりに何気なく置いてあったので、最初はその価値に気づきませんでした。社長席の斜め後ろ、柱のところにあった代物です。

 「なるほど!ザ・文化時報ワールド」。記念すべき(?)第1回は、このたばこ柄のロング缶ごみ箱について書こうと思います。

くずかごたて

 デザインは「マイルドセブン」という昔の主力銘柄。「マイセン」などの略称で、喫煙者に絶大な人気を誇りました。

 ちなみに、マイルドという表示は健康被害が少ないとの誤解を招くとして、EUなどではたばこに用いることが禁止されているそうです。そうした影響もあったのでしょうか。JTは2013年、名称を「マイルドセブン」から「メビウス」に変更しました。

 たばこ柄のロング缶ごみ箱は、スモーカーが大勢いた昭和の頃、ノベルティグッズとしてよく見かけました。今では昭和レトロを象徴するアイテムとして、まずまず人気があるようです。画像を検索したら、ヤフオクやメルカリで1000円から売られていました。

 「何年後かには、もっと価値が上がるかも。大切にしまっておこうか」

 そう思ったのですが、よく見ると…

くずかごへこみ

 凹んでいました。

 私が文化時報社に来たのは、2019年12月。

 先代の社長は喫煙者ではありませんでしたから、先々代か、その前の社長が置いたのだと思います。しかしこの凹み、どう見ても蹴飛ばした跡ですよね…。触らぬ神に祟りなし。

 このたばこ柄のロング缶ごみ箱は、驚くほどオフィスに溶け込んでいます。これが置いてあって不自然でない会社って、会社そのものが昭和レトロなんじゃないか…。今さらながら、気づいてしまいました。

 文化時報社は1923(大正11)年に創業しました。これまで宗教専門紙「文化時報」を週2回、合計1万2700号以上発行してきましたが、戦中戦後の混乱期や経営者の交代によって、歴史が断絶してきました。社史もありません。

 裏を返せば、この会社は謎だらけ、ということです。たばこ柄のロング缶ごみ箱だって、だれかが置いたから歴史になり、だれかが蹴ったからミステリーになったわけです。そして文化時報社には、こうしたガラク…いえ、物が、たくさんあります。

 さてさて、第1回はいかがでしたでしょうか。これから不定期で、ゆる~~~く更新してまいりますので、皆さまどうぞご愛読ください。それではご一緒に!

 「な~るほどっ、ザ・文化時報ワールドっ!」

(文・代表取締役 小野木康雄)

※たばこのパッケージに警告表示されている通り、喫煙は、肺がんをはじめ、あなたが様々ながんになる危険性を高めます。この記事は喫煙を推奨するものではなく、代表取締役もスモーカーではありません。

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