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日向ぼっこ

太陽が眩しい光を庭に注ぎ、その明るさは彼の肌を温かく包み込む。

彼は日向ぼっこを楽しんでいた。

青々とした芝生が足元に広がり、花々が色とりどりに咲き誇る中、彼は心地よい風に身を委ねていた。

その穏やかな光景の中に、徐々に不気味な静寂が漂い始める。

最初は微かなものであり、彼はそれを無視しようとした。

風が急に止み、鳥の鳴き声が途絶える。

彼は顔を上げ、周囲を見渡すが、何も見当たらない。

ただ、静かな庭が彼を取り囲んでいるだけだ。

けれどゆっくりと、彼の周りの影が、怪しく動き始める。

最初は見落とすほど微妙な動きだったが、少しづつ大きくなっていく。

まるで何かがそこに潜んでいるかのように、庭の影が不気味に揺れている。

彼は心臓の鼓動が早くなるのを感じていた。

彼は不安に駆られ、庭の外を見渡すために立ち上がる。

しかしその瞬間、彼の足元で何かが動く。

とっさに逃げようとする彼。

だがその瞬間、彼の足元から何かが伸びてきて、彼を引きずり込もうとする。

彼は悲鳴を上げ、必死にもがくが、その影の手は彼を離そうとしない。

そして、彼は気づく。
何かが、庭の影に潜んでいることを…。

彼の周りに広がる恐怖の影が、彼を飲み込むように襲いかかる。

彼は必死にもがき、影から逃れようとした。

けど、その試みは空しく終わる。

何が彼を襲っているのか、何が彼を追い詰めているのか、彼には理解できなかった。

ただ、彼はそれが恐ろしいものであり、自分の生命を脅かしていることを知っていた。

庭の中で孤立したまま、彼は絶望の中で叫び続けた。

しかし、その叫び声は虚しく、誰も彼の呼びかけに応える者はいなかった。

彼は運命を受け入れるしかないことを悟った。

少しづつ、闇に飲み込まれて行く体。
もがくこともままならない。

そして……。

彼の意識は次第に暗闇に包まれていく。
首元まで影が迫ったとき、彼は最後の希望を失った。

〈了〉

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