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本日の「読了」

森永卓郎氏『ザイム真理教』(三五館シンシャ 2023)

奥付を見ると20刷!巷間、話題になっていないようにも思うけれど、読まれてますねェ。
 予算成立時に「国の借金がぁ」「国民一人当たり……」と報道するのは恒例行事だが、本書に提示の「連結貸借対照表」(58ページ)を掲載し、株主(国民)に(国の)決算書の読み解き方を専門家の分析を交えて載せるところはないよな。

58ページ


私的には、アベノミクス、異次元緩和、消費税減税、MMT理論等々に、いままでと違った視点からみることができた。

著者自身が言うように氏の論は陰謀論的な受け止め方もされているようだが、読んでいて「あ、そういうこともあるか?」と思ったのは、今騒動となっている政治資金問題で安倍氏が還流をやめようとしたということ。
 本書でも回顧録を引く形で書かれているが、安倍氏は財務省を信じていなかった。
 だから、弱みを握られるようなことは潰しておきたかったのか? と。

財務省が諸悪の根源とまでは思わない。
 が、介護界を一時期沸せた施設人員配置基準の見直しや、もはやだれも言及していないが、先月末の介護報酬改定も、今日の朝刊にでていた医師の都市集中を「地域別単価導入で解消」も財務省が発端。
 この国を理念や理想ではなく、一円二円で動かそうという「結局は金でしょ」的な国民を見下したさもしい考えが、この国の貧しさの一員であることは間違いない。

[2024.04.18. ぶんろく]

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