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空日記、始めます。

わたしは何かを継続して続けられたことがない。
好奇心旺盛な性格だ、といえば聞こえはいいが、いつも始めるだけ始めてすぐに飽きてしまう。中途半端にしか物事をやったことがないから、いつの間にか性格もかなり中途半端になってしまった。宿題はいつもギリギリにならなきゃ始められないし、遅刻もよくする。何かを貫き通して頑張った経験もないから、いつだって自分自身に自信がない。すぐに楽をしたがる。辛いことを避けたがる。書きながら改めて思ったが、情けなくなるほどどうしようもない人間だな。自分のことじゃなければよかったのに。

なんて思っても仕方がない。
なんて言える人間に、ずっとなりたかった。
悪いところを探すのは得意だ。いつだって自分が傷つかない方法を探しているから。誰かに指摘される前に、自分で自分のだめなところを把握しておけば、ある程度苦しいことを予測できる。そうやって、誰かに傷つけられる前に、先回りして傷つく用意をしてきた。

だけど、わたしは変わりたい。
きっかけは、なんだったんだろう。
多分、毎日そこら中に散らばっていた不満、不安、不信やらが積み重なっていって、気づいたらわたしの隣にいた。
こっちを見て、目を合わせて、

「お前、ほんとにそのまんまでいいんか」って言ってきた。

返す言葉がなかった。
自分のことなのに、どうしたいのかわからなかった。
ただただ、情けないなと思った。それはコンクリートの道で、転んで擦りむいた膝から流れる血を見ているときの感情と似ていた。
こんなところで、どうしてこんなところで。


痛い痛い痛い
痛い痛い痛い

でもその痛みはありふれた痛みだ。
わたしだけのものじゃない。そこら中に溢れている。
わたしの痛みは、その何十億個もののたった一つにすぎない。
それすらも痛かった。こんなにちっぽけな傷口が、こんなにも痛い。
情けなかった。涙は瞳の中、爪先立ちで踏ん張った。それだけは耐えた。



それから数日経って、わたしは日記をつけることを決めた。
でも、何か縛りがなくっちゃ。
日記は今までに何度も始めてきた。そしてその都度、諦めてきた。
だからちゃんと続けるには、何かしらの決まりがあったほうがいい。
わたしにでも続けられる、日記の決まり。テーマ。

そう思ってわたしは辺りを見回してみた。


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まっすぐと伸びた道路と、立ち並ぶビルの間に、薄青い空が待っていた。 
待っていた、と書いたけれどその相手はわたしじゃない。
理由はわからないけれど、確かにその空は誰かがやってくるのをそっとじっと、待っているんだと、直感で思った。

そうだ、空。
それから、空の日記をつけよう、と思い立った。
空ならいつでもどこでも撮れる。都会の空は電線ばかり撮るのがすこし、難しいけれど、それはそれでいい。大事なのは、日記をつけることなのだから。

そんなこんなでひとまず、空日記を始めます。
飽きたら、またちがうテーマで日記を書いてみようかな。

それでは、また明日。


2020/10/2
buonyari.

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