セブン&アイ・ホールディングスのオムニチャネル戦略について考える

今日はセブン&アイホールディングスのオムニチャネル戦略について考えてみようと思います。

そもそもオムニチャネルとは、「マルチチャネルの小売りの進化形で、リアル(実店舗)とネット(インターネット通販)の境界を融解する試み。顧客が購買できるあらゆるチャネル(販路、顧客接点)から購買ができるよう、流通経路をつなげること。」(Wikipediaより)とあります。

上記を顧客視点で書き直します。ネットで注文してリアルな店舗で受けとれる、リアルな店舗でみて気に入ったものをネットで注文する、といったように、顧客が一番買いやすい方法で買うことができる、かつ、一番受け取りたい方法で受け取ることができる、というものです。

分かりやすい成功事例は、アメリカのWallMartです。スマホで事前に注文した商品を店頭のロッカーで受け取る、駐車場まで持って来てくれてドライブスルーで受け取るといったものがあります。一見、Amazon Freshで自宅配送の方が便利だと思うかもしれませんが、不在で再配達にならずに確実に受け取れる方法は、便利な場合も多いですよね。WallMartは全米にリアルな店舗があることを活かして、Amazonにできないサービスで対抗しています。一方のAmazonがホールフーズを買収した1つの理由だと考えられます。

で、ここからが本題。セブン&アイのオムニチャネル戦略について考えてみましょう。セブン&アイは、現在、Omni7(http://www.omni7.jp/top)というサービスを展開しています。これは、セブン& アイ ホールディングス傘下の企業、例えば、赤ちゃんホンポやロフト、バーニーズニューヨークなどの商品をネットで購入し、近所のセブンイレブンや自宅で受け取れるというものです。しかし、例えば生鮮食料品は受け取ることができませんし、納期も数日かかるようです。一方の競合のAmazonは、圧倒的に豊富な商品をセブンイレブンも含めたコンビニで、しかも即日で受け取ることができます。となると、苦戦が予想されますよね。実際、2018年2月期の決済説明資料には"オムニチャネル"という言葉が数回しかでてきませんし、売上の具体的な数値の記載がないことからも伸び悩んでいると推測します。

では、セブン&アイは、どのようなオムニチャネル戦略をとればよいのでしょうか。ライバルAmazonでは出来ないことを実現することが当然ポイントですのでそれを忘れずに列挙してみます。

1つ目は、Amazonに対して品数や納期で後じんを拝していることへの対応です。納期は、オペレーション改革による短縮が必須でしょう。品数は、全般的な取り扱い品目を増やすこともあります。近道は、商品力の強いプライベートブランドの拡充やAmazonでは取り扱いの無い商品をOmni7で販売することが考えられます。私も普段はAmazon派ですが、買えない商品は楽天を使います。同様に、Omni7でしか買えない商品を増やすことが1つの戦略として考えれます。

2つ目は、リアルな店舗で取得した情報を、それが欲しい企業に販売することが考えられます。例えば、コニカミノルタ社ではネットワークカメラで取得した顧客の上半身の姿勢や挙動をAIで分析し、顧客の購買行動という情報を販売するソリューションを提供してます。例えば、コンビニの棚であるお菓子を一度手に取って、裏面の栄養素表示を確認して棚に戻したとします。売り場で栄養素を比較して購入しているという消費者の行動情報は、お菓子メーカにとっては貴重な情報です。それに年齢や時間帯などを付加すればその情報は販売できるでしょう。さらに、店舗で商品が購入されるときの何気ない会話ってありますよね。例えばランチ時間にOLが会話している一言、「これ、リニューアルして美味しくなくなった」などの生の声も貴重な情報になると思います。

3つ目は、売れ行きに応じた販売商品の組み替えです。ネットとリアルでの商品の売れ行きをリアルタイムで測定し、店陳列やWEBのページに反映することが考えられます。ネットで頻繁に購入されるものをセブンイレブンの店舗に置くことで、コンビニの売上アップをすることも考えられます。

4つ目は、上記の2に関係しますが、顧客それぞれの好みや生活パターンを反映させたコンシェルジュサービスの提供も考えられます。私は毎週月曜日の朝は、会社最寄りのコンビニで必ずミント系菓子を5つ買います。それが単にレジに行けば買えるようになったら便利です。発展させれば、毎日必ず通るお年寄りや子供の行動を検知して見守りサービスに使うなども考えられます。

5つ目は、すでにやられていますがラストワンマイルの解消です。コンビニは食料品の倉庫、冷蔵庫であるとも考えられます。お年寄りや風邪を引いて外に出られない時などに、電話やネットで直ぐに家まで配達してくれたら便利ですよね。

他にも考えられることはあるかと思います。セブン&アイがオムニチャネルとしてとれる戦略とその可能性は非常にあることがわかりました。今後も動向を見守りたいと思います。

おしまい


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KunKun

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