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ロンドンのおじさんから雑誌を買って、私は社会をもうちょっぴり知った

こんにちは!ビジネスレザーファクトリー大学生ユースメンバーのるーちゃんです。

ビジネスレザーファクトリー(以下、ビジレザ)とは       
ソーシャルビジネスしかしない企業「ボーダレス・ジャパン」のグループ会社。日本のビジネスパーソンへ牛本革製品を届けることで、バングラデシュの貧困解決に挑んでいます。

ユースメンバーが関心のある社会問題についてお届けするこのシリーズ。

今回は、「旅行先でホームレス問題に取り組むとあるサービスに出会った話」を書きたいと思います!皆さんも街中で見かけているかもしれない、あのサービスです。


1. ロンドンで出会ったおじさん

昨年10月、美術館巡りが好きな私は旅行でロンドンを訪れました。

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訪れた美術館のひとつ、National Gallery。ロンドンは無料でアートを楽しめる美術館が多く、素敵な街です。


National Galleryをあとにして「次はどこへ行こうか」と駅をふらふらしていると、私は1人のおじさんを目にします。人が忙しなく動いている中、おじさんはずっと同じ場所に留まっていたので気になって近寄ってみると、おじさんのそばにある立て看板にはこう綴られていました。

“THE BIG ISSUE”


(ん、、なんか聞いたことある、、なんだっけ、、、)と10秒程考えこみ、私はこの“THE BIG ISSUE”が「日本でも行われている、ホームレスの人が販売している雑誌」であることを思い出し、ちょっと意気込んで買ってみることにしました。

おじさん「どこから来たの?」
わたし 「日本からです。ビッグイシューの名前を聞いたことがあって...!」
おじさん「あ〜そうだね、確か日本にもあるよね!」
わたし 「そうですよね!ひとつ、ください。」
おじさん「ありがとう!2.5ポンドね!今回の特集面白いから読んでみてね〜」
・・・みたいな会話を交わした気がします。笑

何か特別な話をしたわけではないけど、私が勝手に持っていたステレオタイプの「ホームレス」像とは全く違う、とても気さくで明るいおじさんでした。

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この方は私が出会ったおじさん本人ではありませんが、ロンドンではこんな感じで赤いジャケットを着て雑誌を販売されています。


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おじさんから購入した雑誌。ミュージカル『ハミルトン』の制作・出演として知られるリン=マニュエル・ミランダのインタビューが特集されていました。


2. ホームレスの人の仕事をつくり、自立を応援する 「ビッグイシュー」

私がビッグイシューに出会ったのはたまたまロンドンでしたが、日本では『ビッグイシュー日本版』が販売されています。ここで簡単にビッグイシューの紹介をさせてください。


ビッグイシューとは、ホームレス問題の解決を目指している企業です。ホームレスの人が雑誌『ビッグイシュー日本版』を販売するという「働く場」を提供しています。

1991年にイギリスで始まり、日本では2003年9月に『ビッグイシュー日本版』が創刊されました。


定価450円の雑誌『ビッグイシュー日本版』をホームレスである販売者が路上で売り、彼らは230円を収入として受け取ります。最初の10冊は無料で提供し、その売り上げ4,500円分を元手にして、それ以降は1冊220円で仕入れていきます。

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ホームページより画像引用)


雑誌では様々なテーマが扱われています。社会問題のコラムや、有名人のインタビュー記事、そして1番人気の連載「販売者に会いに行く」などなど、ボリュームたっぷりです。

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(6, 7月のビッグイシューの特集一覧)


「路上で販売されている雑誌を買う。」

言ってしまえばとてもシンプルな行為ですが、その背景にはこんな思いが込められています。

雑誌『ビッグイシュー日本』はすべての人が生きやすい社会、特に若者が希望をもって生きられる社会をつくる雑誌。率直さと楽しさを合わせ持つ「今を生きる市民」の雑誌です。
そこでは、「生きていくのに本当に必要なこと」が取り上げられ、路上(販売者)の目線を持ち、読後「希望をもって」社会に関われる「参加型の雑誌」です。
ホームページより)



3. 雑誌を買ってみて、読んでみて、思うこと

ロンドンでおじさんから『ビッグイシュー』を買った私はホテルへ帰り、さっそく雑誌を読んでみました。

1番はじめに読んだのはこの部分。先ほど出てきた写真に写るおじさんがビッグイシューに出会い、世界にはいい人がたくさんいることを知ったお話です。

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「家もお金もなく生き延びられないと思っていたけれど、ビッグイシューを販売するようになったことがきっかけで、怖いと思っていた街の人々はやさしいと気づき、人生が好転した。」

私が会ったおじさんもそうかもしれないな、そうだといいなあと思い、私は社会をもうちょっぴり知れた気分になりました。


「路上で販売されている雑誌を買う」ことで、販売している人にも買う人にも、お金や知識、人との交流がめぐっていくようなこの事業は、ビジレザの事業にどこか似ている気がします。

「貧困」「ホームレス問題」と聞くと、ただただ大きくて複雑な問題の印象を持ちやすいですが、こうした1つのアクションを積み重ねれば解決できることもあるのだと、改めて実感しました。



もしかしたら、読んでくださった方の中には「ビッグイシューは知ってるけど買う勇気がちょっと出ない...」と思っている方もいるかもしれません。今回noteを書くにあたって調べていたらこんなブログも見つけたので、ぜひ読んでみてください!


北海道、宮城、東京、神奈川、石川、愛知、京都、大阪、奈良、兵庫、岡山、熊本に販売員さんがいらっしゃるそうです。お近くの販売場所を下記URLからぜひチェックしてみてください。



最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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