『これからの生き方。』 〜なにもない46歳の生き方。〜
『これからの生き方。』を読了。
今年で46歳。なにもない46歳。
昔から夢がなかった。小学生の時、将来なりたいものを絵に描くという授業があったとき、困ったなと思ったことをとてもよく覚えている。なりたいものがなかったからだ。ただ、そんな根本的なことを言い出すと先生も困るだろうなと思ったので、誰にもなにも言わずに全然なりたくもないもの描いた。何を描いたかは覚えていない。全然なりたくもないものだったことだけは覚えている。
ぼんやりとモノを書く仕事っていいなと思ったことはある。だけどそれは夢じゃない。だって私は、それを叶えるための努力なんて何もしなかったんだから。
そうして私は夢を持たずに就職する。キーパンチャー、営業事務、そして今は会社の何でも屋。職種にも業界にもこだわりはなかった。ただ、与えられた仕事はいつも出来る限り頑張った。
そうしてなにもないまま、46歳になった。
これが私の人生だ。自分では、なにもなくても今のところ、この人生に満足している。
だって、私が生きていることに意味なんてないんだから。
私の家族には夢がある。使命感もある。私とは真逆の人生。だから私たちは、一緒にいられるのだろう。
そして世の中には、もっと違った考え方もいっぱいある。
本書の前半は物語仕立ての漫画となっており、様々なキャラクターが登場し、仕事を通したそれぞれの生き方を見せてくれる。漫画仕立てなので、物語にも入り込みやすく、そして自分に近いキャラクターも見つけやすい。私の場合、一番近いなと思ったのは、横田編集長。でも、ちょっと本間さんも入ってるかも。
漫画の後には、「面白かった」からもう一歩踏み込めるような著者の解説があり、より理解が深まる。そして、自分がどのキャラクターに当てはまるかを判断する基準もわかるし、キャラごとにどういった部分を足すとより強みが増すのかのアドバイスもある。
私は横田編集長が一番近いと思ったけど、ほかのキャラでも部分的に当てはまることはあり、すごく参考になった。
本書のお楽しみは巻末にもあって、それぞれのキャラクターの5年後のインタビューが掲載されている。漫画の続きが気になる人にはもちろん、それぞれのキャリアのその後がわかるのも大変興味深かったし、よりキャラへの理解が深まって、もう一度漫画部分を読み返してみたくなった。
で、私。
本書のサブタイトルは「自分はこのままでいいのか?と問い直すときに読む本」。
今のところ、私が出した答えは、「私はこのままでいい。でも、もちろん変わったっていい。」だ。
なにもない46歳。このまま、なにもない86歳になっても、私は自分の人生に満足していると思う。
夢がないから、こだわりもない。
その時に自分ができる精一杯を、これからも私は生きていくだろう。変わらずに、でも少しずつ変わりながら。
私が生きることに意味はない。もしあるとするならば、いつか誰かが決めてくれればいい。
自分の人生を問い直したいわけでもなく手にとってみたが、否が応でも自分の人生というものを振り返らせ、これからの人生を考えさせられた、半分漫画でも侮るなかれな一冊。
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