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『サクッとわかるビジネス教養 地政学』 〜違った視点でみると、一気に理解できることもある〜

『サクッとわかるビジネス教養 地政学』を読了。

昔、ヨーロッパの中でも食文化が違うのは、カトリックとプロテスタントの違いによるって聞いたときに、なんだかものすごく深ーく腹に落ちた。
そんな風に、物事を違った視点から見ると、一気に理解が深まることってある。
だから、ひとつのものの見方として地政学というのにも、以前から少し関心はあった。

いやー、面白かった。そして、読む前より少し世界が理解できた気がする。

私的にわかんないなーって思ってた、ロシアや中東のことも、わかりやすかった。
中東って、穏やかそうな国やそうでない国が入り混じってて、なんだかいつも揉めてるけど、その揉めてる理由がよくわかんないってのが正直なところだった。でも、本書を読んだら、そりゃ揉めるよね!ってあっさり理解できた。

で、ロシア。地政学から解説されると、これまた北方領土のこととか、なるほどねー!だったし、前から北方領土は還ってこないだろうなと思っていたけど、さらに、こりゃ還ってくるはずないわーと確信に変わった。

そして、一番そうなんだー!って思ったのが、国はランドパワーとシーパワーに分かれるという説明。日本がシーパワーってのはそうだなと思ったけど、実はアメリカもシーパワーって、ほ〜っ!て感じだった。あと、歴史的に見ても、一国でランドパワーとシーパワーを両立できた国はないっていうのは知らなかった。
日本は基本的にはシーパワーの国なので、日本の敗戦も太平洋の支配に加え、中国内陸部への進出を目論み、シーとランドの両立を目指して失敗したと地政学では考えるそうだ。って、なるほどなー。

さあ、ここでいよいよ中国。今、まさに中国はこのシーとランドの両立を目指している真っ最中である。
現在の、グローバル化が一旦停止された世界では、自国だけで経済を回せる中国は圧倒的に優位で、これから数年、中国はまだまだ世界で台頭していくだろう。だからこそ、この中国のシーとランドの両立がどうなるのかは、ものすごく興味が出てきた。

と、こんな感じで私のようにちょっとかじっただけでも、世界の見え方をグッと面白くさせてくれる地政学。これからますます混迷を深めるであろう国際社会に、もっともっと関心を持つためにも、地政学に興味がない人も読んでおいてもいいんじゃないかなと思った一冊。

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