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『教養としての投資』 〜知の総合格闘技というリングに立つために〜

『教養としての投資』を読了。

昨年『米国つみたて投資』を読んでから、中断していた投資信託を再開した。で、ついでにiDeco(個人型確定拠出年金)も遅ればせながら開始したし、今は金もちょこっとずつ積立ている。
私の投資は、とにかく積立る。この積立に手をつけるのは、私に定期的な収入が無くなってからと決めている。
本書がすすめる投資も、基本的には「長期」の投資だ。

著者はこういう、「投資は知の総合格闘技」だと。
投資で成功するには、ビジネスに必要な知識を総合的に高めていくしかないからだ。

確かに知識がないと「投資」ってちょっと敬遠しがちになる。胡散臭いとも思われがちだ。
それはまず、「投資」と「投機」の区別がついてないのが原因だ。
あなたが土地を買ったとする。その土地で、毎年作物を収穫する。これは「投資」だ。一方、その土地を買ったときよりも、値段が上がったときに売る。これは「投機」になる。
本書が取り上げるのはもちろん「投資」だ。

「投資」は基本的に長期になる。どれくらいかっていうと、一生ずっと売らないでいるっていうくらい。それくらいの覚悟を持って買うにはどうしたらいいか。そう、その会社の内容をちゃんと調べて、それから自分で考える。
例えば、「高い付加価値」「高い参入障壁」「長期潮流」という3つの要素を持つ構造的に強靭な企業であるかとか。

全体を通して読んで、私は自分を少し反省した。
私がしている投資は、ほぼ積立の投資信託だ。本書でも知識はないけど、資産形成の必要を感じている人は、ひとまずファンドだと説明している。ただし、日本株のインデックスファンド なんかいつまで持っていても全く収益は得られない。ということでもちろん私がやっているのも、米国のS&P500のインデックスファンド 。
今年3月は一旦ひどい状況になったが、それでも現在はモリモリ盛り返してきて、今は昨年並みに戻ってきている。ということもあって、このまま何となく続ければいいかなって思っていた。

だけど、それだけじゃ面白くないんじゃないだろうか。
もっと自分の知識を高めて、その会社に投資する価値があるのかをじっくり調べて、そうやって自分が信じた未来にお金を託す。それこそが「投資」の楽しみじゃないだろうか。

そんなことを改めて思った私は、これから少しずつ自分に足りない知識を埋めていこうと思う。
足りない知識ばかりだから、すごく時間がかかるかもしれない。それだっていいじゃない、人生は長い(かもしれない)んだから。もし投資に至らなかったとしても、その知識はきっとビジネスにも役に立つはずだから。そしていつか立ちたいと思う、「知の総合格闘技」というリングに。

そんな新しい人生の楽しみを私に与え、投資というものの新しい考え方を教えてくれた、もう本当に、日本人みんなが読めばいいのになって思った一冊。


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