『夢をかなえるゾウ4』 〜「心のこりをもてるように死にたい」と書いた、14歳の私のために〜
『夢をかなえるゾウ4』を読了。
「夢をかなえるゾウ」シリーズの最新刊。私にとっては初ゾウ。
余命3ヶ月と宣告を受けたサラリーマンが、夢をかなえるゾウ、ガネーシャの教えに導かれながら、残される家族のために成長していく、自己啓発小説。
この内容だと、誰だって自分を重ねて読んでしまう。だって人はいつか必ず死ぬんだから。そして、自分が死ぬ準備を完璧にしている人なんて、ほぼいないから。
「死」といえば、以前に『DEATH 「死」とは何か』の感想で、私はもういつ死んでもあんまり後悔がない、と書いた。でも、それは本当に後悔がない訳じゃなくて、どう頑張ったって後悔は残るものなので、死ぬ間際に後悔したってしょうがないという意味だ。
本書でも、その部分は語られる。
何かを成し遂げた偉人と呼ばれる人たちだって、全部の夢を叶えて死んだ訳じゃない。多くの人たちと同じように、まだ、あれもしたかった、これも完成させたかったって思いながら、偉人だって死んでいった。夢は全て叶うわけじゃない。私たちにできることは、残された時間の中で自分が本当に叶えたい夢を見つけて、順番にひとつひとつ取り組むことだけだ。
読んでいくうちに、そんな風に、残された時間と、自分が本当にやり遂げたいことをどうしたって考えさせられた。
そして、どんでん返しの後半。
ネタバレになってしまうので詳しくは書けないが、この後半が、最近自分が考えていたことと合致して、すごく読み応えがあった。
私たちはいつか死ぬ。誰だって。必ず。絶対。
私たちは限られた時間の中で何かを選択し続ける。そう、それが「生きる」ということだ。
どう生きるかは自分次第。もちろん何かを成し遂げるだけが人生じゃない。夢がなくたって、それは悪いことでもない。何ひとつ成し遂げなかったように見える1日だって、そこに何か意識した行動があれば、それだって立派な1日だ。
読み終えた今も、まだ私自身の答えはなくてずっと考え続けている。
そういえば、2年前に届いた14歳からの私の手紙には、「心のこりをもてるように死にたい」と書いてあった。「後悔」じゃなくて「心のこり」って、よく思いついたな14歳の私。
そんな過去の私のためにも、夢なんて大きなものじゃなくっても本当にやりたい事を見つけて、そのために限りある時間を使っていかなくちゃなって思えた、「生きる」意味を改めて考えさせてくれた一冊。
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