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スリランカ破綻は海の向こうの他人ごとではない

 スリランカが破綻を宣言し大統領は国外逃亡したとの報道がありました。
中国など海外からの借金経営が原因とも言われていますが、長年にわたる大統領一族の失政との批判は免れないでしょう。
 しかしスリランカには残念な歴史があります。過去には発達した灌漑技術を持ち、香川の溜池事業を進めた空海もその技術を学んだとされるほどでした。スリランカはその後、周辺国からの侵略に苦しみますが、とりわけ大航海時代のポルトガル、オランダ、イギリスの植民地化による、殺害・略奪・プランテーション化は悲惨でした。独立を勝ち取った後の復興もなかなか進まず、内線もあって経済発展も遅れ、国民生活は豊かになりませんでした。
 苦肉の策が海外からの借金での景気回復だったのでしょうが、GDPに占める対外債務は7割近くに膨れ上がっているとのこと。中国がやりだまに挙がっていますが、その比率は10%台で、日本の融資額と大きくは違いません。スリランカの破綻で、日本の融資についても返済は難しくなるでしょう。
 対外債務比率がGDP比で50%を超える国は、周辺のラオス、ブータン、カンボジア、モルジブ、サモア、ベトナムなどがあり、スリランカ破綻の波及も懸念されます。発展途上国への支援はお金だけでなく、発展につながる豊かな国造りの基礎技術の提供も必要でしょう。支援国が発展することで日本との関係も強化され、いっしょにさらなる発展につなげていければと考えます。
 そもそも植民地化で潤ったイギリスなど、復興支援をすべきだったでしょう。大英帝国の繁栄は植民地に支えられていたわけですから。

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