読書嫌いの葛藤記 ②

今回は、なぜ私は小説が嫌いなのか?の理由を探してみたいと思う。
前回までの記事はコチラ↓↓

深堀りの仕方がわからなかったので、3つの軸で考えてみることにした。

①過去読んだ小説について思い出してみる
②自分の趣向を分析する
③小説をもっとジャンルごとに細分化する 

①過去読んだ小説について思い出してみる

なんと、私は読んだことがあるのだ。小説を。もしかしたら、読んだ本があまりよろしくなくて苦手意識がついてしまった可能性も。ということで、一回思い出してみることにした。

■小学校低学年 本イヤイヤ期
記憶にあるのは「こまったさん」や「わかったさん」シリーズ。嫌いではなかったけど、積極的に次の本を読もうとまでは思わかなかった…。他にも豚のほうれんそうマンみたいな本とか、何かしらのゲームブックは読んだ気がする。が、しかしまったく覚えてない。親には何度本を読めと言われたことか…。

■小学校高学年 恋愛小説で高度読書成長期
ついに思い出した。積極的に活字を読んでいた時代があったことを。小林深雪さんの小説。講談社X文庫ティーンズハートシリーズ。とにかく流行っていた。こんなの小説じゃない!という人もいるだろうが、いいのだ。好きだったのだ。黙るのだ。

■中学校 読書停滞期
この時代に読んだ記憶があるのは「リング」とそのシリーズ。そして、13人だか何人だか忘れたけどたくさんいるビリーミリガンの本。両方とも興味をもって読んだけど、2冊目あたりで一気に読む気が失せてしまったのだ。飽きたのだろう。ごめん。展開が遅かったり、思った方向と違う方向に展開が進んだりとついていけなくなってしまったのだ。

■高校 古典で読書卒業期
高校の美術で絵を描くために読まされたカフカの「変身」。思い出したが、恐らくこれが私の読書人生にとどめを刺したのであろう。もともと読みたいと思った本ではない上に、意味がわからない。しかし、世界的に有名。意味がわからない。だめだ、理解できない。オチは?原因は?え?なに、なにが面白いの?となった。若かったからではない、今でも理解不能だと思う。面白さが理解できなくて悔しくもある。

■社会人 強制読書期
避けては通れない道。それが仕事だ。仕事で読まなければいけない本が何冊かあった。本のタイトルは伏せさせてもらうが、端的に言うとミステリー小説は、思ってたほど苦労なく読めた。が、ラノベはかなり辛いと思いながら読んだ。1ページ読むごとに、あと〇ページある、と確認しながら読んでしまっていた。興味がない本は辛いのだ。拷問なのだ。小林深雪はラノベじゃないのか?と突っ込まれそうだが、ここでいうラノベはどちらかというと男性向けのラノベである。ファンタジーとかバトルのお話だ。

読書の歴史を振り返ると、どうやらすべての本がダメなわけではなさそうだ。仮説だが、物語にいかに「共感」できるか、「興味」を持てるが大事な気がしてきた。当たり前の話だった。

②自分の趣向を分析する

共感と興味が持てる本を探るためには、自分の趣向をしっかりと知っておく必要がある。私は、下記のことに興味がなく、耐えられない。

①景色の鑑賞
②歴史
③他人の悩み(共感できないもの)
④遅い展開

①の景色の鑑賞とは、山、海、星、花畑、イルミネーションなどすべての景色を鑑賞することを指している。建築物もよっぽど変わってないと、何も感想がない。綺麗とは思うかもしれないが、「わざわざ見に行く」というアクションまで結びつかないのだ。絵のない話をいかに文章で絵があるかのように表現するかが小説の醍醐味であることはわかる。それを求めている人が多いことも。だがしかし、興味がないのだ。状況描写が長いとストレスが溜まる。雨だろうが晴れだろうがどうでもいいのだ。星の瞬きも川のせせらぎも小鳥のさえずりも、ただただ興味がない。必要な要素を早く伝えてほしいのだ。犯人は誰なんだ、あの女は主人公のことが好きなのか、リヴァイは死んだのか、早く教えてくれ。

小説家はやたらと風をいじりたがる。風が頬を撫でるとか、ねっとりした風とか、そよ風がラベンダーの香りを運んできたとかなんとかかんとか。う、う、う、うるさーーーーい!!いや、状況をわかりやすくする意味とか、没入感を出すためとか、意味があるのはわかるが、多すぎるのが嫌なのだ。もう、もう、風の話はやめてくれええええ!!

②の歴史は、本当に申し訳ないけど、全く興味がない。女性の方が歴史に興味がない人が多いように思えるが、女性は身の回りに近いものほど興味を持つと言われているからなのだろうか。身近に感じられない歴史に興味が湧かない。私は女だから歴史に興味がわかないと割り切ることにした。年を取ったら興味が湧くらしいが、まだその境地に至ってない。誰が何を作ったか、どんな思いで作ったのか、この戦いの裏にはどんな事件があったのか、実はあの武将はあの女とできていたとか。知らんわい。知ることにメリットを感じられたら興味が湧くかもしれない。

③の他人の悩み(共感できないもの)は、ごめん、としか言えない。解決策がこの世に提示されている事柄に関しては、その悩みに1ミリも共感できない。ダイエットとか、ダイエットとか、あとダイエットとか。特に自分に甘い人の心理描写はイライラしてしまう。特に男性主人公のナヨナヨした考え方は、表出ろやぁああああ!!と叫びたい衝動に駆られる。すまない。これはただの偏見だ。

④の展開が遅いことが苦手なのは、私が短気だからだろう。映画でも、ど頭で人が死ぬくらいのスピード感がないと引き込まれない。もはや刺激ジャンキーなのだ。日常のシーンに必要性をあまり感じない。必要だとは思うけど、最低限にしてくれといつも星に願っている。それくらい短気だ。

逆に下記のことは興味がある。
①思いもよらない事柄
②殺人事件
小説に求めていることは何だろう?それはエンタメ性に他ならない。エンタメなので「イライラ」という感情は要らないのである。思いもよらない事柄は刺激的だし、殺人事件はアドレナリンが出る。

③小説をもっとジャンルごとに細分化する 

さて、最終的に自分の趣向を踏まえてジャンルを選べば、そんなに失敗しないのではないか、という結論に達した。普通だ。しかし、私は小説の種類をあまり知らない。が、調べたら結構たくさんあった。大変なので代表的なものに絞らせてもらう。

純文学と大衆文学
そもそも違いって何よ?と思って調べた。

純文学(じゅんぶんがく)は、大衆小説に対して「娯楽性」よりも「芸術性」に重きを置いている小説を総称する、日本文学における用語。 (wikipediaより)

よくわからんが、純文学は気取った文章が特徴なのだろう。洒落てるってことだ。一方大衆文学も調べてみた。

大衆小説(たいしゅうしょうせつ)、大衆文学(たいしゅうぶんがく)は、純文学に対して「芸術性」よりも「娯楽性」に重きを置いている小説の総称。「娯楽小説」「娯楽文学」も同義語。「通俗小説」「通俗文学」とも呼ばれた。 (wikipediaより)

つまり、エンタメ性が高いのだろう。もうここで、分かれ道が見えた。つまり、「純文学」は恐らく苦手で、「大衆文学」は読めるのではないかと。「純文学」は読んだことがない。ので、菊池良さんの「芥川賞ぜんぶ読む」を読んでみた。

この本を読むと、芥川賞の小説のあらすじがわかる。本当助かる。読んでみてわかったが、うん、純文学好きくないな…。紹介なので、どんな文体が書かれているかはわからないし、文体自体にそこまで興味はない。なので、あらすじとタイトルで判断させてもらったが、下記の2点の理由でこりゃだみだ、と思った。

①タイトルからして興味がそそられない!!
特に漢字二文字。辞書引かないとわからない、と、か!!そうか、これは高尚なエンタメだったのだ。「蒼氓」が読めない下級民族は触れてはいけない代物だった。もちろん、面白そうなタイトルもある。「コンビニ人間」とか「むらさきのスカートの女」とか。小学校中学年でも読める漢字で構成されている。

②ストーリー自体にも興味が湧かない!!!
なんですかね。老後のお話とか、まだ興味湧かないかな。若者の葛藤とか、どうでもいいかな。そして何より、自堕落な男の話はただただ不愉快だ。浮気、不倫、ドラッグ、本当の愛。いや、おまえ、デッドエンドにならないと許さないんだけど?これはあれかな?好き放題してる男が最後に地獄に落ちる系の、カタルシスを感じる系かな?だとしても、いいかな、読まなくて。

小説の主人公はそれを書いた小説家の性格がベースになっていることが多い気がする。なので、男性作家は男性の主人公になりがち。そして、これは純文学だからなのかわからないが、自己投影的な心理描写多すぎなイメージ。あくまでもイメージだが。男性主人公の心理描写に興味と共感がない。自堕落な男に共感できる要素あります?腕が二本とか、目がついているとか、こいつも肺呼吸か、とかしか共感ポイントないんですが。自堕落な男の心の葛藤に興味が湧かない。興味が湧くとしたら、北九州殺人事件の犯人の心理描写くらいだろう。この理論で言えば、男性作家の作品は全体的にNGである。というか、男性作家が女性の主人公を立てた場合、心理描写が多ければ多いほど違和感を感じることが多い。「普通女はこんなこと思わない」「気持ち悪い」「女に理想抱きすぎ」など。これは反対の場合も、男性読者はそう感じるのだろうか?

まあつまり、だ。女性作家の作品は読めるかもしれない。読んでみた。「むらさきのスカートの女」。

え、面白かったんですけど。最後納得したオチではないけど、気持ち悪さが秀逸。しかも、これは純文学らしい。だからといって、女性作家全般の本が読めるかといったら、まだわからない。一歩前進ではあるが。

さて、大衆文学なら大丈夫かといえば、そうではない。ラノベが読みづらかったのである。しかし、先の理論にのっとれば、なぜだかがすんなりわかった。男性主人公の男性目線の心理描写がとても不快だったのだ。ミステリーは、男性主人公の男性目線の心理描写がそこまでない。もっと言えば、漫画だと、男性主人公であっても客観的な表現が多いため、中和される。例えば主人公が好きな女の子を見たとき、ドキッとしているシーンが1コマあるのと、彼女のくりんとした愛らしい瞳が僕の心をうんたらかんたら~と気持ち悪く語られるのはどちらが精神的負荷がかかるだろうか?

結論 男の心理描写が気持ち悪い

いや、本当ただの偏見で大変申し訳ない。でもなぜかわからなかったところに答えが出てすっきりした。恐らく、私の中での理想の男性像があって、うじうじしている男は気持ち悪いという偏見があるのかもしれない。男が恋愛でうじうじしてるなんて想像もできないのだろう。少女漫画を読めばわかると思うが、大体ヒロインが恋する男はうじうじしてない。いつでもどっしりとしている。それがデフォルトなのだと思う。きっともっと私が愚かな男たちのことを好きになれれば変わるかもしれない。出家でも、するかな。

余談 それでも小説が好きな理由

こんなに小説のことが好きではないと言っているが、実は小説は好きである。読むのは嫌いだが、8ページくらいなら読んでもいい。軽くなら物語に触れるのは好きだ。あらすじくらいなら読みたい。できるだけたくさんの世界観には触れたい。そして、小説が本当に好きな理由。それは小説が醸し出す「知性」、タイトルから醸し出すその本の色、本の想定のワクワク感、作者ごとの文体の個性。ちょこっとずつ、たくさん。それなら私も小説が読める。ショートショートとかではなく、8ページの本がたくさんでるといいなと今夜も星に願う。

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