バタフライマン 第10話 先代蝶戦士の初陣
メタモル・シティが新都市計画によって開発される何十年も前、この地はアケビという農村であった。畑と農家が点在する何の変哲もない穏やかな村で、店と言えば個人経営の商店のみ。その中心の一際立派な西洋風の屋敷が、カラスマ家であった。そこで暮らしていたのが。若き日のカラスマ・キイチである。彼の父にしてミドリの祖父、カラスマ・カヅキは大変尊敬を集めていた人格者であり、地主にして莫大な資産を持ちながらそれを私利私欲のために濫用せず、慎ましやかな生活を送っていた。その息子であるキイチもまた、