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ペーパージャケット/開発の裏側【#01 きっかけ】

バタフライボードの福島です。

副業からスタートしたバタフライボード社は、なんとかホワイトボード1本で5年目を迎えることができました。ここまで開発に没頭させて頂き、ユーザーのみなさまには感謝しかありません。

そして、この恩をお返しするには期待を超えるWOWな体験を提供する事しかないという思いで、日々頂くフィードバックに自分なりの解釈を加えて、これまでに7つの作品をリリースさせていただきました。

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https://butterflyboard.jp


これまでは、初代バタフライボードのコンセプトをコアに連続的な進化をさせてきたのですが、今回の第8弾は全く新しいアイデアを実装した非連続な進化のプロダクトとなります。

2015年から続く日々のユーザーフィードバックに加え、アルニコ、フェライト、ネオジウムというマグネットの進化と共に歩んだスピーカー開発の16年、そして幼少期からものづくりが「単純に好きだった」という自身の半世紀に渡る経験がなければ生まれなかったと思っています。



開発のきっかけは【心】【技】【体】の3つの連鎖

PJ 写真加工用-02

【心】 ホワイトボードを使わない人の存在

私にとってコミュニケーション下手を解決してくれるホワイトボードは「神ツール」ではありましたが、そもそもホワイトボードに興味がないという方々にたくさん出会い「心」の中にモヤモヤがずーっと蓄積されていました。

【技】マグネット技術と実装技術の幅が広がっていた

過去のスピーカー開発で培ったノウハウで、磁力の効率化、極性コントロール、限界サイズの挑戦、耐久性、生産性など様々な観点でマグネット技術のマイナーチェンジを7年に渡って繰り返してきたことによって、いつの間にか「技」術の幅が広がっていました。

【体】捨てられない紙の再利用が自分事化した

増え続ける「不要な紙」。在宅ワークの日常化に加え、娘のオンライン授業の本格化と「受験」が重なり家庭内印刷が急増。それに伴い「不要な紙」が大量発生し、もったいない心理から何とかしたいという思いが自然に「体」を動かしていました。

という3つが連鎖して、多くの人にとって、頭の中をアウトプットする最も簡単で、普遍的な方法である「紙とペン」を、バタフライボードの技術で何とかしたいという思いに駆られました。



開発コンセプトは【未完を極める】

2015年の初代バタフライボードから7年、プロダクトへの要望が多種多様であることに加え、創造過程でユーザーの使い方が変化していくことを身をもって体感することで、

最終形を提示するプロダクトではなく、ユーザーの様々な使い方を受け入れる「余白」を残したプロダクトを提供することが、

ユーザーの自由度を高め、人の本来持っている能力を引出すのではないかという考えに至りました。

つまり、ユーザー自身が中身(コピー用紙、裏紙、高級紙、画用紙、方眼、罫線、テンプレ・・)を選んだり作ったりしたものを、業界の常識に囚われない斬新なアイデアでシームレスに一体化し、カッコよく持ち運ぶということです。

イメージとしては、紙という「ソフトウェア」を、革新のアナログ技術が隠された「ハードウェア」にインストールして持ち運ぶという、デジタルな世界感をアナログで実現することです。



これまでは、ユーザーフィードバックをベースにメーカー主導でプロダクトを進化させてきましたが、この第8弾ではユーザー主導で自由にカスタマイズをしながら「自分最適な道具」へ進化させる環境を提供することで、より多くの人がこれまで以上に「アイデアに出会える」ことを目指します。



開発コンセプトに影響を与えた【2冊の本】

以下の2冊は、今回の開発中に読んでプロダクトの方向性に大きく影響を与えてくれた本です。

PJ 写真加工用_アートボード 1 のコピー 6

① 行動建築論―メタボリズムの美学  黒川 紀章 (著)
テレ東「新美の巨人たち」の中銀カプセルタワービル特集をきっかけに、メタボリズム(新陳代謝)という思想がリンクしました。

「動かなきゃだめなんだ、建築は。いかなる社会の変化にもできるだけ適応するような、技術的な新しい解決策を考えること以外に、いったい建築家はなにができるんだろ。空間の問題は、そこに住む人にまかせてしまおうではないか。」


② 塑する思考 佐藤卓 (著)
外部から力が加わった時に凹んだままでいる「塑性」と、外部から力を受けると元に戻ろうとする「弾性」という「柔の要素」を2つに分解してデザインの在り方を言語化した良書ですが、デザインだけではなく自身のモノづくりの在り方やプロダクトの方向性にとても共感しました。

塑性的であるとは、社会の流れにただ身を委ねることでも、無闇に不和雷同することでも、ましてや世の中に媚びて流行を追うことでもなく、置かれた状況を極力客観的に受け止め、適切に対応できる状態に自分をしておくことなのです。


という事で、閃いたアイデアを形にしていきながら、言語化して、また形をいじって、言語化してという事を繰り返しながら、プロダクトとコンセプトに磨きをかけています。


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