中山充:B Venture Captial創業者

ベイン・アンド・カンパニー、起業後10年経営、ブラジルに移住しベインのブラジル支社勤務…

中山充:B Venture Captial創業者

ベイン・アンド・カンパニー、起業後10年経営、ブラジルに移住しベインのブラジル支社勤務。 現在はブラジルのスタートアップ投資と日本企業の南米立ち上げ支援。早稲田大学卒。スペインIEビジネススクールMBA。https://twitter.com/NakayamaBrazil

最近の記事

ラテンアメリカはGDP6.8兆ドルと日本や他の新興経済圏より大きく、一人当たりGDPも1万ドルを超える重要な経済圏:いまさら見直すマクロな中南米-1

ベイン東京の最後に携わらせて頂いた食品メーカーの世界戦略プロジェクトは大きく印象に残っていて、いまラテンアメリカで物事を考えるベースになっています。 文字通りすべての国地域を分析しました。2年目のコンサル1人が2週間、マクロデータ中心に分析しただけで、世界でも知られた超巨大日本企業の経営陣に示唆を与えられた経験は大きかった。 今日の仕事納めに改めて基本的な分析をしたので、少しずつ共有させて頂きます。 「グローバル」の中にラテンアメリカがない状態をこの10年痛感しています。

    • ラテンアメリカの4都市が世界の人口トップ20にランクイン-いまさら見直すマクロな中南米-5

      トップ20のうちLATAMが最多の4都市。サンパウロ、メキシコシティ、ブエノスアイレス、リオデジャネイロです。都市の人口集中度が高いこともあり当然かもしれません。 大きな市場が複数存在することは進出後の広がりを考えると魅力的な地域と言えるでしょう。

      • 人生のKPIが98になった話と、キャッチを「永遠の社会人2年目」にしてみた話

        サンパウロに移住して1月9日の今日で丸12年経ちました。干支一周です。早いもので今日から13年目です。12年経っても落ち着く気配なく、いつまでも周りの方々に教えてもらいながらやっている、社会人2年目くらいの感覚で毎日バタバタ過ごしています。 この「社会人2年目」の感覚は昔っからあり、良く言えばチャレンジし続ける、悪く言えば要領の悪い人生を送らせて頂いている気がします。この感覚は別途深堀りしてみますが、ひとまず自分の隠れキャッチコピーを「永遠の社会人2年目」にしてみます。飽き

        • 世界の農地面積を見るとブラジル4位、アルゼンチン9位、メキシコ11位とラテンアメリカ各国が上位に入る-いまさら見直すマクロな中南米-4

          土地の大きさのお話を少し続けると、ラテンアメリカは農業においても有力な市場です。農業関連ビジネスの市場規模のベースは土地面積×面積当たりの金額とおくことができます。消費者向けのビジネスのベースを人口で考えるようなものかもしれません。 世界各国を農地面積別にみるとラテンアメリカ各国が上位に入ってきます。 ブラジル4位 アルゼンチン9位 メキシコ11位 日本の農地が狭いことを考えるとアグテックなどにとってはラテンアメリカが重要な市場であることは明白です。そして近年私に頂

        ラテンアメリカはGDP6.8兆ドルと日本や他の新興経済圏より大きく、一人当たりGDPも1万ドルを超える重要な経済圏:いまさら見直すマクロな中南米-1

          人口当たりの土地面積が最大となるラテンアメリカは食料・脱炭素などの文脈でも重要な地域-いまさら見直すマクロな中南米-3

          今日は面積のお話を。ラテンアメリカはもちろん土地面積が大きいのですが、人口当たりの面積が大きい=人口密度が低いんです。 市場として居住者に売ることを考えると人口とか都市集中度とかが大事になってきますが、食糧問題とか脱炭素といったテーマでは土地の広さが重要になってきます。 都市人口集中度が高い上、一人当たりの土地面積が高いということはかなり人がいない広大な地域があるということ。アマゾンも含みますが、ブラジルのパンタナルやアルゼンチンの大草原パンパなど、アマゾンだけではない広

          人口当たりの土地面積が最大となるラテンアメリカは食料・脱炭素などの文脈でも重要な地域-いまさら見直すマクロな中南米-3

          ラテンアメリカの都市人口比率は先進国並みの82%:いまさら見直すマクロな中南米-2

          さて、中南米に来ると「思ったよりだいぶ発展している」と思われることが多いです。なんで貧しい感じがしないのか、実際に生活していて快適なのかの一つのヒントが今日のグラフです。 日本の都市人口比率が高いのは想像通りですが、ラテンアメリカはアメリカとほぼ同等。EUや中東はもちろん、中国、ASEAN、アフリカ、インドよりはるかに高いという状況。 どれだけテクノロジーが発達しても人口集中度の高さは経済上かなり重要。オンラインショッピングできても物流が今一つだとなかなかもの届かないです

          ラテンアメリカの都市人口比率は先進国並みの82%:いまさら見直すマクロな中南米-2

          Jeff Bezosのインタビュー動画まとめ Amazon and Blue Origin | Lex Fridman Podcast #405

          この週末にようやく見られたLex Fridman PodcastでのJeff Bezosのインタビュー。Take awayがいろいろあったので自分用メモとして残しておきます。 1.2 way door decision vs 1 way door decision. 2.I disagree but I commit. 3.Truth telling mechanism/culture 4.Crisp document and messy meeting。 5.Be

          Jeff Bezosのインタビュー動画まとめ Amazon and Blue Origin | Lex Fridman Podcast #405

          日本語ができる出向・研修生募集

          最近日本語の仕事が増えてきたのですがいまだに弊社には僕以外に日本語ができる人がいないので思い切って出向・研修生として募集してみることにしました。私と直接仕事して頂くことになります。 習得できる経験 「スキル」の習得を保証できるメソッドもなく、何が身に着くかは完全に参加する方次第です。できそうな経験、伸ばせそうな領域はいかの感じです。 海外で仕事する、そして何とかなる感覚が(多分)得られます。 ラテンアメリカの優秀なプロフェッショナルと仕事ができます。 弊社なりのスタ

          日本語ができる出向・研修生募集

          1月9日の新年の始まりに人生のKPIをアップデートしてみた話

          僕の新年は1月9日に始まります。 なぜなら日本からサンパウロへの片道切符で旅立ったのが2012年の1月8日、サンパウロに到着したのが1月9日だから。ついこの間のような気がしますが丸11年。12年目に入りました。 12年目の今年は若干早く、1月6日に日本から出発します。いつも年末年始は南米にいるので勝手に”再出発”感を感じてワクワクしてます。 この間考えてみればいろいろなことがありましたが、2020年に人生のKPIが見つかったのは大きな出来事だったのかもしれません。それは「

          1月9日の新年の始まりに人生のKPIをアップデートしてみた話

          2023年上半期スケジュール

          2023年のさまざまなイベントが前もって予定されてくるようになったため、年間のスケジュールを立てられるようになってきました。 弊社企画のイベントも含めて以下が今年の主な活動計画です。年の途中で諸々変わることもあるかと思いますが日本からいらっしゃる機会があれば現地でお会いしましょう。 1月 17日:BVC Startup and Investor Meet Up Quito(エクアドル、キト) 2月 9-11日:WAOJE Global Venture Forum(タイ

          2023年上半期スケジュール

          2023年の活動領域

          2022年末から2023年にかけて弊社のミッションを具体化しました。(こちらのnoteにまとめています)そのミッションに基づく2023年の重要な活動をまとめたいと思います。 1. Pre-seed investment 3号ファンド組成:2号ファンドのフォロー投資分を除く組み入れ完了が見えてきたので3号ファンドを組成します。海外投資家を含む海外籍のファンドになる見込みで新たなチャレンジとなります。 ベンチャーキャピタリスト採用強化:1月から2名新たなスタッフがペルーで参

          「2040年までに1万社のスタートアップを支援する」ミッションを具体化してみた話

          2023年の年間計画を立てるにあたって、これまでのミッション 「Support entrepreneurs to solve global problems」 (世界の問題解決に貢献する起業家を支える) に 「Support 10k startups by 2040 to solve global problems」 (世界の問題解決に貢献するスタートアップを2040年までに1万社支える) と数値を入れて具体化しました。 これは世界一への挑戦でもあります。 世界最大のアクセ

          「2040年までに1万社のスタートアップを支援する」ミッションを具体化してみた話

          Devcon Bogotaにボランティアで参加しました!

          2022年10月11-14日にDevcon Bogotaにボランティアとして参加しました。 Web3.0領域に事業としてももっと深堀したいと思いながらもなかなかきっかけがつかめなかった中、イーサリウムの最大のイベント、Devconがコロンビアで開催されるのを聞き、とりあえず参加することにして行ってきました。 なぜボランティアで参加したのか? 貢献できることが少ししかない、でも少しはある イーサ・Web3.0の熱量を感じる なぜコロンビアだったのか? 国の通貨のボラが

          Devcon Bogotaにボランティアで参加しました!

          多様性の意味合い:AWSのPride talkをきっかけにダイバーシティについての考えを整理してみた

          多分日本では全く話題になってないと思いますが、6月28日はInternational LGBT+ Pride Dayということになっています。ブラジルでもその直前の週末はPride Paradeとしてパウリスタ大通りで盛大なパレードがあり、毎年超大盛り上がりです。私が初めてこのパレードを見たのは2011年だったんですが、日本では考えられないなあ、と思いながら改めてカルチャーの違い、オープンさを感じたものです。 こちらのスタートアップ界隈でもアマゾン・ウェブ・サービスがPri

          多様性の意味合い:AWSのPride talkをきっかけにダイバーシティについての考えを整理してみた

          Stay Updated, Donate and Advocate

          これを御覧になっている少なからぬ皆様と同様、この数日起きていることに悶々としています。こんなnoteを書いても何にもならないでしょうし、なにもしない方が良いかもしれない。 日本を含む各国・国際機関の首脳、メディアの対応、SNSで交わされるコメントを見ながら、本質的な解決の難しさを感じています。 また、個人レベルでの影響、非力さと日々の活動との乖離、今も安全快適な場所でこれを書いている偽善感などをなんとも消化できないでいます。 それでも、こうして今思うことを書いてみることにしま

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          ブラジルだけじゃない!ラテンアメリカのスタートアップ勃興期到来

          先日noteでブラジルのベンチャーキャピタル市場に日本が追い抜かれた話を投稿したところ、多くの反響を頂いた。やはりまだまだブラジルのことはなかなか日本では知られていなかったようだ。 しかし、この1年で、ブラジルにとどまらず、他のラテンアメリカ各国もベンチャーキャピタル市場が活況となっている。ダイナミックなラテンアメリカの動きを見ていくには地域全体を見なければならない。ブラジル以外の国からもユニコーン企業がうまれはじめ、アメリカにも上場し始めている。100億円単位の資金調達も

          ブラジルだけじゃない!ラテンアメリカのスタートアップ勃興期到来