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病気の発見[多発性硬化症闘病記①]


病気の初期症状

はじめに、私は自分の脳に異常があるなんてまっっっったく気づきませんでした
元々疲れやすい体質でした。

その中で、今思うと初期症状だったんだろうなと思うことがあります。
昨年の夏の日、歩いていたら足先がピリピリしました。
急いで整体に駆け込み、整体師さんからも「痺れというのは歪みからくるもので〜〜」と言われたので、自分は「姿勢が悪かったんだな」と納得してしまいました。

駅までの徒歩通勤を自転車通勤に変更し、できるだけリモートワークを活用するように変えました。それで終わると思っていたのですがーーー

登場人物

私    …… 29歳女性。都内在住。
彼    …… 31歳。事実婚をしている。7年目の仲。
猫    …… 白い。可愛い

発見の日 

その日は猫が6歳になる誕生日で、私は有給をとって彼氏と近所の有名ラーメン店に朝から並びました。
(ちなみに、私は日本でも有数の有給が取りやすい企業に勤めています。猫の誕生日くらいで有給が取れます。有給の取りやすさが病気になってから本当に役立つなんて当時は思っていませんでした)

食べ終わって家に帰ると13時くらいになっていて、私はお腹いっぱいになったので、こたつで昼寝をしました。行儀が悪いですね。 
彼は机に向かってPCをしていて、彼が椅子をひいたタイミングで後ろのギターにぶつかり、重さ10kgくらいあるギターがバランスを崩して私の頭めがけて倒れてきました。

当たった瞬間「痛い!」と叫びました。
私は「いたずらなKISS」の漫画家 多田かおる先生が、頭をぶつけたその日に死んでしまい未完結に終わったという話を見てから、脳の損傷については人一倍恐れていたのです。


数分経って、少し回復したものの、私の怒りは治らず、彼に「死んだらどうするの?!なんでギタースタンドにちゃんと立ててないの?」とキレ散らかしました。
彼は大きく心配してくれて、隣町の脳神経内科の予約をとってくれました。そして、私たちは脳神経内科に行ったのです。

(ちなみにギターにぶつかった怪我は大したことがありませんでした)

はじめてのMRI

脳神経内科は、当日予約にもかかわらずテキパキと診察をしてくれました。
手の震えがないか、呂律は回るかなどを聞かれました。私は、少し手先に痺れがあると話しました。

「大丈夫だと思いますが念のためにMRIをとっておきますか」
という話になりました。 

MRIの同意書を書いていた待合室では、彼と「タトゥー入れてなくてよかったね」「変なものが見つかったらどうしようw」と笑いながら話していました。
MRIは全然怖くなく、ヘッドフォンで大音量のクラシックが流れながら、ギュインギュインという機械音が大きく響いていたので庵野の世界観だなあ(笑)と思いました。

機械音はリズミカルだったので、「ここでラップができるかなーこんなこと考えてたら脳に変なもの出てきたりしないかなー」とか思ってました。

こんなのが出てきたらどうしよう、、と思ってました

深刻な宣告

MRIが終わった後、30~40分くらい待たされました。
待合室でセレブ男性向き雑誌を読みました。秋元康がトンカツの話をしていました。

待てど暮らせど診察順番は回ってこず、「長え!」と思っていました。(今、振り返るとその時間にお医者様はいろいろな可能性を探ってくださっていたんだなと思います)

診察室に呼ばれると「手のピリピリはいつから?」などと聞かれました。
そして、MRIの結果、脳にいくつかの白い影がポツポツ浮かんでいるという話になりました。実際、先生がマウスをクルクルすると、私の脳の一部分に白い雲が出ているのがわかりました。
「大事ではないと思いますが、大きい病院に行ったほうがいいでしょうね」との結論になりました。
その先生の雰囲気で只事ではないのだなと察して、怖いような気持ちになりました。

その時期、追っていたろるらりさんというイラストレーターが脳の手術をされたばかりでした。

すぐに私は「脳の大きな手術をしなきゃいけないんだ!最悪死ぬ!!」と思い浮かびました。

また、そのときは脳外科医竹田くんという医療漫画を読んでおり、本当にあったことがベースの医療事故のケースをいくつも知っていたので、とても恐ろしい気持ちになりました。
(後日、私は脳外科ではなく脳内科であることがわかるのです。手術は必要ありませんでした。それが発覚するのはまた別の話、、、、)

そんなこんなで私の帰り道に彼とトンカツを食べて帰りました。そのトンカツは美味しくなくって少し泣きました。 

その後のメンタル

病院に行った後「大脳白質病変」をずっとググっていました。
調べてみたところ、60代の患者さんはいくつか脳に「大脳白質病変」があるのが当たり前のようです。

「やはり20代で多いのはおかしいのか?」とか、「いやいやそれは20代で調べている人が少ないからで60代でMRI経験者が多いからでは??」とか自分を結論づけようとしていました。

暇つぶしにNetflixで「涙の女王」をみたところ、突然病気の話になりました。
トンデモ夫婦の笑って泣けるラブコメだと思って見ていたので、びっくりしました。

病気が判明した時のセリフで

生まれた時から健康に気をつけてきたの

お酒やタバコを好み食事をおろそかにしても
かからないような病気になぜ私が?

それはともかく治療もできないなんて

AIが運転する時代に小さな腫瘍も無くせないの?

おかしいわ

というものがあり、またちょっと泣きました。

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