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しなないどく

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外山恒一氏のテキストをいったん飲み込んで、それから考えたこと

下のツイートを見て初めて外山氏の存在を認識したのだが、これを機に政治についてめちゃくちゃ考えることになった。

極端な物言いなので、この時点で受け付けない人もいるに違いない。自分はそもそもアナキズムに共感しているので全然理解できる(それが良いこととは限らない)。

外山氏が公開しているテキストは、歴史を学ぶ目的で読んでも大変ためになった。今回読んだのは次の3つである。特に、一番上の「政治活動入門」

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全部覚えている

記憶することが脳神経の不可逆的な変化を伴うとしたら、わたしたちは何も忘れていないのではないか。思い出せないのは奥底に眠った記憶を引き出せないだけで、理屈上全部覚えている。愛も怒りも。そう考えるようになったら非常に心強い。理不尽な出来事が次々起こる。かつて燃え上がった烈しい怒りは、今は炎が見えなくともわたしの内側で炭化して沈殿し続ける。うまく言葉に出来なかったことも、生活のなかで考え続けていれば生活

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我並不哀傷 是因為你離我很遠



Manbo Keyが撮影したこのヴィジュアルイメージと,邦題『わたしが悲しくないのはあなたが遠いから』というセンテンスだけで,充分すぎるくらい作品が成立している.台湾公演なので残念ながらわたしは見れません.でもこれだけで充分すぎる.

this must be the place



藤田貴大の舞台『書を捨てよ 町へ出よう』はぜったいに映画『Stop Making Sense』を相当意識しながら演出を付けてると思う.勿論,それだけじゃなかったけれど.

スタンドライトと組み踊るようなパフォーマンスは映画の一つのハイライトで,『This Must Be the Place』の名曲度合い(世界に数ある名曲の中でも,指折りの大名曲!)を含め,僕の心のやらかい場所を今でもまだ締めつ

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なにか刹那的な光

ここに引用する二つの言葉は同じなにか刹那的な光を見てるのだと思う.

「生活こそ愛だ」みたいな意見もあると思うのですが、わたしは逆に一瞬の輝きのみが愛であって、一緒に暮らすとか性行為とかはただの生活だと思う。

何度目かの東京の夜景、何度目かのドライヴィング・ミュージック、何度目かの60年代何度目かの80年代、何度目かの女友達、何度目かのクリスマス、何度目かの頭痛、何度目かのアミューズメント・シテ

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Apple Music 15/03/18

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『And Then Nothing Turned Itself Inside-Out』Yo La Tengo

『Risqué』Chic

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『the CITY』サニーデイ・サービス

『第3期 禁断の多数決』禁断の多数決

『BLUE BLOOD REMASTERED EDITION』X

『Iran』Muslimgauze

『J. Jasmine: M

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ポケ森を出る

ドラマー/俳優のシシド・カフカが、いつだか(確かMIYAVIと三浦大知との対談で)、何かを勝ち得ようとする勝負の前には、必ず何かを手放してから家を出るようにしている、そういう話をしていた。そのとき手放すモノは何でも、具体的なモノでないスマホの写真データとかでもいいらしい。このシシド・カフカの方法論には、単なる願掛けと違った、なかなかの説得力がある。

ほしいものは手に入ってからが勝負だ、という金言

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いまだ訪れざるものの一例

言うなれば人はみな卵だからです。私たちは生きて存在していますが、己の運命たる次元にはまだ到達していません。我々は純粋な可能態であって、いまだ訪れざるものの一例にほかなりません。

ポール・オースター『ガラスの街』より。

運命、という言葉を、『輪るピングドラム』の台詞でしきりに聞くまでは、正視することも無かったように思われる。

萩の月 無言でつぶす女の眼

映えるんです

映えるんです

船越駅前から宮古を経由して、盛岡に到着する始発のバスに乗り、一番前の席で音楽を聴き車窓を眺めると、日本の田舎風景が続き、もう出社したらしいタクシー会社の人と目が合ったりして、辞めた復興相の言葉を思い出す。東北の方だったからまだよかった、という言葉が自然に出るのは、きっと常日頃からプライオリティーや費用対効果みたいな事を次から次へと考えているから、なのだろう。そのサイクルの果てに、一つ一つの命が描く

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S.A.C. '17 (2)

架空のガールズ・バンド「花柄ロングニットカーディガンズ」のシングル曲として、ちょうど三年前に書いた歌詞のデータを発掘した。

折角だからと、お盆前の混雑した新幹線車内でノーパソを贅沢にも広げ、自分の現在の感覚に合わせて手直しを施してみた。

ストロベリー・アラーム・クロックというのは、たしか伝説的なガレージロック・コンピ『ナゲッツ』に参加してる一バンド名で、そのバンドの曲は全く憶えてないけれど、語

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S.A.C. '17 (1)

胸焼けしそう あなたの遺伝子配列
愛嬌はがらんどう 惜しみのない白砂糖
よそよそしいオーディエンスと たどたどしいページェント
やめようと思うの 週末限定探偵業

星の無い夜
数えたビスケット 二十三万とんで九枚
でもたりない まだたりない
ねむりたいな 朝まで
ストロベリー・アラーム・クロック

いちごの命は長くない 甘い香りの先は仄暗い
思い出はがらんどう こぼれ落ちた白砂糖

星の無い夜

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祖母の死にたい

あんなに頑健だった祖母が、震災後少なからず気落ちしたのか、それに加えて老化がすすみ、外出を嫌がるしぼけはじめてるし転びやすい上に転んだだけで背骨と肋骨をやってしまうほど、弱ってしまった。田舎だと病院に設備も医者も足らず、入院をさせてもらう事がままならない。コルセットを巻いて家で様子を見るように、の一点張りらしい。祖母は背骨と肋骨やってるのに。それが正常の処置なのか家族の誰も分からないし、困っている

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20170330

ものを知るという事は、知らなかった自分を捨てるという事で。知らなかった自分を捨てずにものを知る事が、果たしてできるか…。

数ヶ月前のEvernoteに、こう書き残されていた。ふんふん、という感じ。

書き残しは点在しており、残念ながら再掲するほどの閃きは他に見当たらなかった。

ashamed

西洋人が神に対して抱く「罪」の意識に対して、日本人にあるのは「恥」の意識、ハラキリの時代から周囲の目に対する恥ずかしさでもって自身を律してきた、のだろう。

「恥」にもとづいた自律・自省の判断は、学力偏差値と同じように、他人の足を引っ張ることで基準を下げ相対的に自分を持ち上げることが可能だ。それはたとえば、「男が浮気をするのは仕方ない。本能には逆らえない」的な、馬鹿馬鹿しい常識が横行しているように

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