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CBDと睡眠について



 CBDというワードがツイッターのトレンド入りするなんてことが2022年7月にあったそうですが、2017年ごろから日本にCBD製品が輸入されるようになり5年強。
 2021年より一気に加速して、参入メーカーは国内外問わず数えきれない状況になりました。実際、インターネット、ユーチューブなどでも多くのページやチャンネルが増えました。このNOTEで検索しても沢山の記事が出てきます。

 これから、毎月テーマを決めて論文を洗い出し、世界の研究の現状の一部をお伝えすると共に、CBDに対する正しい知識や最新の研究を発信していく事が出来ればと思います。

CBDと睡眠の関係

 CBDと言えば睡眠の質や不眠症などの睡眠に効果が高い事がよく言われています。コロナで少しブレーキがかかりましたが、忙しい現代人にとって睡眠は大きなテーマだと思います。

 そこで今回は睡眠をテーマに様々な研究論文を元に考察してみたいと思います!!

CBDを利用する42%が睡眠の改善目的

 というデータがイギリスで行われた研究であります。
現在、または過去にCBDユーザー378名に向けてオンラインで回答を求めたものになります。


出典元

・全体の62%は女性、また25歳~54歳が72%。
・使用目的として主なものは、不安感(42.6%)、睡眠障害(42.5%)、
 ストレス(37%)、および全身の健康と福祉(37%)であった。
・ 54%が1日に50mg未満のCBDを使用していた。
・ 72.6%が舌下でCBDを使用していた。
・ 回答者の大部分がCBDの使用がストレス、睡眠障害、不安に有効 であったと報告した

継続的な使用において結果が良好

高濃度、低濃度に関わらず2週間~4週間程度の継続利用によって睡眠改善に効果が高いというデータがあります。

目的:低用量CBDの不安障害と睡眠障害への効果を検証する。
• 対象:不安障害患者(47名)、睡眠障害患者(25名)
• 素材:CBD25mg(経口カプセル)。
    ※一部の患者には50mgもしくは75mgのもの が使用された。
• 回数/期間:1日1カプセルを3ヶ月間
• 評価:ハミルトン不安評価尺度、ピッツバーグ睡眠質問票

結果:
• 不安障害患者と睡眠障害患者の両方で、不安感と睡眠障害に改善。
• 効果は1ヶ月ほどで生じ、その後変動を示しながら安定した効果を示した。

考察 
• 今回の研究では一般に報告されている高用量の投与ではなく低用量の投与での効 果が検討された。
本研究の結果から、低用量であっても不安障害患者および睡眠障害患者の症状改 善が期待できると考える


高容量CBDの単回急性投与は睡眠へ効果は少ない

目的:高用量CBDの睡眠に対する急性効果について 検証する。

• 対象:健常成人男女26名
• 素材:CBDカプセル(300mg)
• 回数/期間:単回投与を2回(1週間以上間を開けて実施)
 睡眠ポリグラフ測定30分前に投与した。
• 評価:詳細は左図参照

結果: プラセボと300mgのCBDカプセルではいずれの項目でも有意 差が見られなかった。

出典元

 考察
• 単回投与実験であるため、この結果は⾧期投与の効果につい ては言及できない。
睡眠ポリグラフの評価を見る限り、単回の高用量急性投与は サーカディアンリズム(睡眠周期)に影響を及ぼさないと考える。

つまり沢山取るより継続する方が睡眠にはいいし、効果も期待しやすい。


なぜ継続することで効果を得られるのか。

加齢やストレス等様々考えられますが、CBDがアプローチする経路は2つ考えられます。

 カンナビノイドがどのように効果を発揮しているかはエンドカンナビノイドシステムという体の機能において、脳・神経系をつかさどる受容体CB1と免疫系を司るCB2という受容体が存在しています。

 この2つの受容体へCBDが作用しているのですが、睡眠においてはCB2への作用が大きく寄与している事が考えられます。

睡眠を妨げる体中の炎症

 ストレスも含めて慢性痛や体の炎症や痛みに苦しんでいる方も多いと思います。CBDでは慢性不安や慢性疼痛の方の炎症に対してアプローチすることで睡眠の質が上がるという印象があります。

 痛みや炎症は止まることなく常に神経や脳に信号を送っており、それらが快適な睡眠を妨げている事が考えられるからです。逆に言えば、健常者の単回投与では大きな効果が感じにくい面も考えられます。

 CBDの睡眠への効果はエンドカンナビノイドシステムの中でも免疫系であるCB2受容体への関わりを通じて全身の免疫系の働きを 整え、その結果不安や痛みが軽減し、睡眠障害へも効果が あるといった考察になります。


覚醒作用についても理解が必要

 CBDには2面性があり、少量の場合は覚醒を促し、高容量の場合、弛緩やリラックスを促すと言われています。これは脳のCB1受容体への作用が主になります。ただし、この量が非常に難しく、その時の体調や精神状況によって覚醒するのか、弛緩やリラックスとなるのかが変わってしまいます。

 特に初めて利用されるかは、大麻成分ということで過度な期待や体感を期待してしまい、摂取後に軽い興奮状態に陥ったり、CBDの苦みや香りの成分で覚醒してしまうということが起きてきます。

 慣れてくれば自分の感覚で摂取量を調整することはできますが、睡眠直前に摂取する事はオススメしません。

睡眠前に摂取というよりは食後のリラックスタイムに摂取がオススメ。


まとめ

睡眠に対してのアプローチのイメージ’

 CBDはエンドカンナビノイドシステムという、神経系、免疫系の二つの経路により、体に効果をもたらしてくれます。

 今回は睡眠に対してというアプローチでしたが、CBDは単純に狙った効果以上に体中の受容体の作用によりバランスを取り戻してくれます。
それは、自身では気づいてないレベルでの疾患も含めて神経系、免疫系を正常化することで、体の持っている機能を普通の状態に戻すということです。

 これは抗酸化作用、抗炎症作用、アンチエイジング、睡眠の質等CBDの大きな効力を理解する事でその使い方をよりうまく理解することが出来ると思います。

 次回は痛みとCBDの関係について書いてみたいと思います。
今回の記事が参考になった方は是非、良いねをして応援してくださいね!


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