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料理が上手くなるための順番はコレ

ご家庭で料理を担当する方が最も頭を悩ませるのは「日々の献立を考えること」ではないでしょうか?

アンケートによると、夕食を作る際の悩みのうち、ダントツの1位が「献立を考えること」です。

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にも関わらず、夕食を作る際に意識することを尋ねると、「栄養のバランス」が最多でした。

この結果から、外食や総菜を簡単に買うことのできるこの時代に、仕事や子育てなどで忙しい中、限られた時間の中でも栄養のバランスを考えた手作りの料理を届けたいという思いが伝わってきますよね。

なんとも涙ぐましいじゃありませんか!

そもそも料理は面倒なこと

しかしながら「そのような理想を叶えるにはかなりハードルが高い」と、料理人歴18年の私は思います。

なぜなら“おいしい”と“栄養のバランス”は必ずしも一致しないからです。

某CMでも「おいしいものは糖と脂肪でできている♪」なんていうのがあるように、糖も脂肪も肥満の天敵ですよね?

さらに最近は夫婦共働きが当たり前の世の中です。

「今日はどっちが夕飯を作る?」となった時に「(正直)疲れててそんなことしたくない」となるのも当然ではないでしょうか?

こんなこと言うとますます料理が嫌いになってしまうかもしれませんが、そもそも料理とは面倒なことの寄せ集めみたいな物なんですよね。

(だから僕らみたいな商売があるんでしょうけど)

大半の人はスピードとクリエイティブを同時進行できない

さて、ここからがやっと本題なのですが、お子さんがいたり、共働きのご家庭はとにかく時間がいくらあっても足りません。

ゆえにご家庭のごはん作りおいて最も優先されることは「効率的であること」だと思います。

よくスーパーで食材を前に頭を抱える主婦の方を見かけますが、正直いくらそこで頭を悩ませてもあまり良いアイデアは浮かんでこないと思います。

なぜならそこにある食材たちは皮も剥いていなければ、泥がついていたり、袋に入っていたりして完成のイメージが湧きにくいからです。

それは僕らプロでも同じです。

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ですので現場に行ってからウンウンうなるのは非常に効率が悪い。

時間がかかる割にこれといった答えが出てこないんですからね。

だったらどうすれば良いものか?

それは…

先にメニューを考えてから材料をピックアップすること

これに尽きます!!

「そんなの当たり前じゃん!」と思った方もいらっしゃるでしょうが、ご自分のことを振り返っていただいた時、どうでしょうか?

わざわざ事前に献立と材料を紙に書いてから買い物に出かけますか?

「そんなヒマないよ!」って方がほとんどじゃないでしょうか?

文章と同じで下書き、台本に時間をかけるほど執筆、推敲の時間は短縮されます(お前が言うなってw)

つまり料理も段取りが大事ってこと。

ただこれにはデメリットがあります…

ネックは端材が出ること

端材とは使い切れなくて余った材料のこと。

これはプロの料理人でも悩みの種です。

いわゆる「ロス」ですよね。

これを上手く使いこなせるかで年間の原価率が大きく変わってくるのですが…この話はまた別の機会にでも。

今回のように毎回毎回その都度レシピごとに食材を買ってしまうと余った野菜が他の料理に使い回せない場合が出てくるのです。

よく言う「冷蔵庫の残り物でもう一品♪」っていうそれです。

それが皆さん苦手なんですよね。

結果使いきれないままいつの間にか冷蔵庫の片隅でカッチカチになっていたりカッサカサになっていたり…

こんな経験ありますよね?

ここが献立作りの上手い人と下手な人の分かれ道なんです。

仕込みの仕込みを考える

はい、ここが今日の最も大事なところです。

前置きが長くなってすいませんでしたw

料理が上手くなるためにはどうすればいいか?それは、仕込みの仕込みを覚えましょう

例えばジャガイモをかってきたとしましょう。買ってきたジャガイモはみんな皮を剥いて水を張ったタッパーに入れて冷蔵庫で保存します。

そしてだいたい3〜4日以内に使い切るよう献立を考えます。

1日目 ポテトサラダ

2日目 コロッケ

3日目 カレー

みたいにメニューを決め打ちしてしまうわけです。

そして一括してできる仕込みはまとめやってしまう。これがとても大事なんです。

さらにポイントは献立の順番です。

今回はジャガイモの鮮度と使う量を基準に考えました。

ポテトサラダはジャガイモを加熱して以降は火を入れない食べ物ですよね?

ですのでできるだけジャガイモの鮮度がいいうちに作りたい。そしてジャガイモ自体をメインで味わう食べ物です。ですので鮮度も量もあるうちに作ってしまいます。

次の日はコロッケ。前日に余ったジャガイモは炒めた挽き肉と玉ねぎを加えてコロッケにします。

なんなら前日にポテトサラダと一緒に蒸してコロッケの分までベースを作っちゃっても良いと思います。あとは翌日挽き肉と玉ねぎを炒めるだけですからね。(これでさらに時短!)

そして3日目。それでも使い切れなかったジャガイモはニンジンなどとカレーにしてしまえばほんのちょっとしか残らなかったとしても寂しくないですよね?しかも前日のコロッケで使った玉ねぎまで使い回せます!

ちゃんと加熱するので食中毒の可能性も低いですしね。

こんな感じで最後はどんな形でジャガイモを終えるのか?を考えると献立は非常に立てやすくなると思います。

食材を成仏させる一連の流れ

「食材を成仏させる」とは和の鉄人道場六三郎さんの言葉です。

僕も日頃からとても大事にしている考え方で、これにはセオリーのようなものがありますのでご紹介します。

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例えば魚を買ってきたとしましょう。その後の流れは以下のようになります。

【生→焼き→煮→揚げ】

これは鮮度が良いうちは刺身で、最後はよく揚げてみたいな感じでイメージしてください。(肉は基本的には生食はしないので焼き→煮→揚げか、焼き→揚げ→煮となります。)

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野菜の場合は

【そのまま→切る→潰す】

これは形のことを言っています。先程お話した端材は最後に余った物ですから形は不揃いです。

ですので最後の最後はすり潰したり裏ごしたりしてピューレ状にするのが最後の形です。こうなったらあとはスープがソース、デザートなどに加工すれば良いと思います。

こんな感じで鮮度や形に応じてメニューが決まれば端材も余すことなく使い切ることができるようになるわけです。

まとめ

結局のところ覚えるべきことは鮮度と形ごとのレシピなんです。

鮮度が良ければ生で、日が経ってきたら最後はよく揚げて。覚えるべきは生のレシピ、焼きのレシピ、煮、揚げと段階ごとにひとつだけで大丈夫です。

あとは食材が変わるだけ。

野菜は少しずつ小さくなってきたら最後はミキサーにかけてドロドロにしたらカレーがスープで決まりでしょうw

これなら皮も全部使えます。

あと野菜の端材はコンソメや鶏がらスープで煮てから片栗粉でとろみをつけてあんかけにしたりも良いと思います。

揚げたての魚にかけたらこれからの季節は冷めにくくて最高です。

さて、なんとなく「こんな感じで料理を進めていけば良いよ」というのがお分かりいただけたかなと思います。

ね?これはあらかじめ決めていかないとその場でパッとは浮かんできませんよね?

そのためにも最初は事前に献立を立ててからお買い物に出かけていただきたいと思います。

よく「スーパー家政婦の〇〇さん」みたいな人が冷蔵庫にあるものを使って2時間で10品とかってテレビに出てきますが、あれもきっと献立と作る順番を先に決めてしまって、あとはそこに食材を当てはめていってるんだと思います。

生で使えるものはサラダで、火を入れないと食べられないものは炒めてお弁当のおかずや最後は揚げ物にして。キノコや野菜の皮は千切りにしてあんかけに…

といった感じで。

こうやってひとつずつ分解して考えるとなんだか余り物で2〜3品すぐに思いつきませんか?

そうなればあなたも立派なスーパー家政婦(夫)です!

難しく考えずパズルを楽しむようにぜひチャレンジしてみて下さいね!

いただいたサポートは今後のイベントや活動費などにさせていただきたいと思います! よろしくお願いします!