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治療の道のり(③栄養療法編)

発症後の体調の変化や、どんな道のりをたどって治療に取り組んできたかについてのまとめです。今回は不調の原因を栄養状態に見出して取り組んでいる栄養療法について。①内科・心療内科編・②整体編の後のお話。今回もかなりの長文です。

試そうと気になっている方の参考になるかもしれないので、なるべく細かく書いておきます。ただ、日本の現代医学で広く認められている方法ばかりではないことや、個人差があることはご注意ください。あくまでも私の場合についての記録であり、信頼できる方々の助言を頂きながら判断してきたことです。もし何か質問があれば、いつでも聞いて下さいね。

②では整体と出会い体調が改善するまでの経緯を書きましたが、ここからは時系列として整体に通い始めた後のお話になります。

⑥脳の働きに異常を感じ始め、栄養療法に辿り着く(発症6カ月後)

整体に通い始めてからは体質が変化していくことを実感していて、毎日苦しめられていた不調の頻度がグッと減り、薬に頼らなくても元気に過ごせる日も増えつつありました。しかしそんな中、整体に通い始めて1カ月半後の買い物に出かけたある日に、いつもとは違った症状を覚えました。ブラックアウトに近いんだけど、頭から目にかけて働かない感じ・目が勝手に閉じてしまいそうになる(眠い時みたいな)・ふわふわしためまい・急に自分や相手が何を話してるのか、何を見てるのかが分からなる…など。それから1~3日に1回、予兆なく数時間ほど起こるようになり、この症状に伴って冷や汗や呼吸の浅さなどといった発作が一緒に起こってしまうことも多くなりました。

貧血の症状かと思ったものの、発症直後に内科で血液検査をされたときに貧血ではないと診断されていたので、心当たりがありませんでした。整体の好転反応かとも思いましたが、「もしかして脳がやばいんじゃ…」と不安になり、お世話になっていた心療内科に一応相談に行くことに。

心療内科の先生に診察して頂く中で、鉄欠乏ではないかと指摘されました。曰く、「病院の簡易的な血液検査では項目に無いけど、もっと詳細な検査では隠れ貧血が見つかることもある(特に女性)」とのこと。先生もそのことを最近本を読んで知ったらしく、『マンガでわかる ココロの不調回復 食べてうつぬけ(主婦の友社)』という本を貸して下さいました。

この本の中で「血糖調節障害」「鉄欠乏」といった言葉を初めて知り、栄養の重要性や腸とメンタルの関係性なども初めて意識するようになりました。症状に当てはまりそうな話も多く書いてあったため、早速栄養と向き合ってみようと決めました。幸いにも知人が分子栄養学に精通していたため、クリニックを紹介して頂きました。毎度のことながら本当に慎重派で疑り深い私なので(笑)、知人がいなければ栄養療法に手を出すことは出来なかったかもしれません。


まずは諸症状を伝え、血液検査。一般的に行われる検査に比べて何倍も項目が多く、隠れ貧血の指標となるフェリチン(貯蔵鉄)も調べられます。また、私の症状に合わせてセロトニン(いわゆる「幸せホルモン」)などの項目も加えてアレンジしてもらいました。

私の場合、特筆すべきことはやっぱりフェリチンの低さ。生理のある女性では25未満で赤信号(※『食べてうつぬけ』より引用)と言われる中で、余裕で赤信号の範囲でした。同時に血清鉄も基準値以下。一般的に貧血を見るヘモグロビンやヘマトクリットは基準値内でしたが、心療内科の先生の読み通り、鉄欠乏の隠れ貧血だね~とのことでした(鉄欠乏の判定についてはこのサイトが分かりやすいと思います)。他にもセロトニンや好中球・リンパ球あたりが基準値から外れていました。

そして分子栄養学がすごいのは、なんといっても血液データの読み方だと思います。例えば一般的には基準値内の項目でも、他の要素から複合的に見てなぜその数値になっているのかを解明してくれるんですね。基準値内だからオッケ~で済まされてしまう項目を見て、栄養素の過不足を次々と発見して下さいました。

栄養素に関して主に鉄・ビタミンB群・タンパク質の不足を指摘されました。この3つは造血に必須な栄養素らしく、造血に十分なだけの栄養素が足りてない→血が十分に作れない→血(ヘモグロビン)は酸素を運搬するから、酸素が十分に運べなくなる→脳が酸欠状態になり、私が訴えるような症状が出る。また生命の危険を感じて交感神経がますます優位になってしまう悪循環が起こってしまっているのではないかと説明されました。心の底から納得。

ということで、プロテイン(大豆系)と、鉄・ビタミンB群・そして鉄を吸収しやすくするために必要なビタミンCのサプリメントを処方して頂きました。プロテインなんて筋肉を愛するスポーツ男子のものだと思っていたので、運動から縁遠いぷにぷにの私が飲むことになるとはびっくりでしたね。(笑)

栄養療法はすぐには結果が出ません。最低半年位はかかると言われていました。が、私が訴えていたような脳の働きがおかしい症状は1カ月位で大分改善され、体調がまた1段階レベルアップしました。私の場合、栄養療法の効き目は頭付近の症状が一番感じやすかったように思います。

その後も毎日サプリを服用して、栄養療法開始から3カ月後くらいには不調の頻度や程度が減ってきていました。毎日の体調を記録していた私は(記録法はまた別にまとめます)、段々生理や排卵の期間と不調が重なりがちなことに気づき(今までは毎日不調でしたが、改善に伴って残った不調が目立つようになった)、先生に相談。PMSと診断され、女性ホルモンの調整に重要なビタミンEを含んだビタミンA・D・Eのサプリや、PMS改善が期待されるリノレン酸のサプリが新たに加わりました。

ちなみに、過敏性腸症候群(IBS)の症状が強くなり始めた頃にプロテインを飲むと必ずお腹が張って不快症状が出るようになってしまい、今はプロテインではなくアミノ酸のサプリを服用しています。タンパク質が分解されるとアミノ酸になるので、アミノ酸の方が体内で分解する分の負担を減らすことが出来るからです。また、このタイミングでビオチンのサプリが追加されました。


⑦低血糖症の疑いを指摘され、糖負荷試験を受ける(発症7カ月半後)

同じクリニックにて、初回の血液検査と同時に低血糖症(血糖調節障害)の疑いも指摘されました。食後30分~数時間後に具合が悪くなりやすかったためです。ということで、最初に採血・検尿と甘いソーダのような飲み物を一気飲みした後水以外は口にせず、30分~60分おきに採血をして5時間後までの血糖値の変化をみる「糖負荷試験」を受けることになりました。前日には「5時間暇だな~本持ってこ~」と気楽な私でしたが、結果的にこの検査は本当に過酷なものになりました。

要は空腹の状態で超甘いジュースを流し込むので、血糖値が急上昇します。血糖値が上がると、血糖値を下げてくれるインスリンが出て平常状態に戻るんですが、私の場合はどうやらインスリンが出過ぎてしまうんです。で、血糖値が必要以上に下がってしまい、低血糖になってしまうという流れです。私は開始1時間時の採血時に震えと吐き気が止まらず倒れてしまい、血も摂ることができませんでした。その後はずっとベッドで横になっていましたが、開始5時間時の採血時に再び発作。結局本を読むどころではなく、検査が終わってもベッドから動けず閉院まで居座ることになりました。

この検査で身体は本当にキツかった反面、何度も悩まされて救急車沙汰になってしまう発作と同じ症状が出たので、原因が一つ分かったことはとてもホッとしましたね。検査結果はやはり低血糖症・高インスリン血症。参考までに私の場合は、開始30分時のインスリンが約80(50以上が過剰分泌)で、発作を起こした時点での血糖値は開始5時間時で約70(開始30分時は採血できずデータがありませんが、推測するに70以下)という数値になっていました。発症直後に「少ししか食べれない→空腹で気持ち悪い→気持ち悪くて少ししか食べれない→またすぐ空腹で気持ち悪くなる」というループを繰り返していたのは、まさにこれが理由だったことが判明。全体的に低血糖で、食べた直後は血糖値が上がって落ち着くけどすぐに下がりすぎてしまってたんですね。


併せて、小型のセンサーを腕に張り付けて2週間の血糖値をモニターする機械も試しました。普段の生活の中で血糖値がどのように変化しているかを知りたかったのと、普段のどの不調が血糖値と関係するものか割り出したかったからです。この機械は血管に刺すわけではないので痛みも特になく、缶バッチが二の腕に張り付いているような感じでした(笑)ただ、大抵の場合はこの機械で不調になるようなことはないとのことだったのですが、私はなぜか原因がよく分からない不調が続いてしまい…整体の先生に「いきなり腕に異物が付いたら、無意識でも身体には違和感あって当然じゃない?」と言われたので、1週間で外してしまいました。整体で身体が整いつつあり、ちょっと過敏に反応してしまったのだと思います。

でも、1週間でも大分面白いデータが取れました。この期間は色んなサンプルをとるためにあえて様々な生活パターンを試していましたが、例えばシナモンロールを食べたあとの血糖値の急上昇がすさまじいとか、夜食でパスタを食べた日の夜間高血糖がひどいとか、食事に気を使った日は変動が確かに少ないとか。頭で分かっていたことでも、実際に自分の生活とリンクしたデータが見られたのはとてもためになりましたね。しかしながら全ての不調が血糖値と相関関係があるわけではないことも分かりました。ちょっと残念。

今のところ私は、低GI(血糖値の上昇が緩やか)の食品を積極的に選ぶことと、血糖値を急上昇させにくい食べ方(野菜→タンパク質と食べて最後に糖質)に気を遣うこと、糖質ばかり食べないこと、を実践しており、血糖値が原因っぽい大きな不調はこの検査時以来引き起こさずに済んでいます。そこまで難しいことはしていないし、食べること大好きなので好きなものを我慢しないようにしてます。ただし、食べ方に注意する。そして甘いものや糖質を食べた後に不調が来たら、「はい低血糖~ごめんね~」と落ち着いて対処する。(笑)今のところはこれでまあまあ血糖値とは比較的仲良く過ごせていると思います。

続きは ④腸活編 ⑤マインドフルネス編 へ。 

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