見出し画像

大自然にいると寛容になれる気がしてた

私は仲間とキャンプをする。
大自然はいい。

前日が雨だったりすると
無数の星がまたたく。

画像1

人口1万人程度のド田舎で育った私でさえ
大雨が明けた翌日の山奥で見る星空は度肝を抜かれる。
始めてそれを見た時には

「天の川ってホントにあるんだ」

と思った。見たことが無い人はぜひ。

キャンプはいい。
大自然は心が洗われる。
何にでも優しくなれる。
そんな余裕が生まれる。

朝、コーヒーを淹れる
そんな自分に酔うのが醍醐味だ。

私はよくオートキャンプ場を活用する。
ライトなファッションキャンパーだ。

周囲には映えるテントが立ち並び
家族の幸せそうな会話が聞こえてくる。

独身の私は街中だったらヤサぐれているが
不思議とそうはならない。

その理由は明白。コーヒーとホットサンド。
これをカッコつけてながら食べる必要があるからだ。

画像2

キャンプで意外と大事なのが洗い物だ。

汚れたまま皿は運べない。
そして帰宅後は案外疲れていて、
皿洗いがしんどいからだ。

スポンジと食器洗い洗剤は欠かせない。
これはキャンプあるあるで
朝の炊事場は結構混む。並んだりする。

普段は行列が大嫌いだが、
自然に包まれた環境は案外イヤじゃない。

近くを川に流れる水の音。
さわやかな風が心地いい。

炊事場で順番を待っていると
芝を刈る業者の人が
「おはようさん!」なんて話しかけてくる。
「おはようございまーす」と返す。
交流って、いいもんだ。

ペット連れや家族で散歩する人もいる。
歯磨きしているオジサマもいる。

歯磨きオジサマが「かぁ~」って言う。

「ん?」って思う。

いやいや、こんな爽やかな
大自然の中で皿洗いをしているのだから
気に留める事じゃない。
心地いい朝だわー。

(歯磨きオジサマ)「ゴホッ!ゲホッ!」

「ん?」

いやいや、
こんな爽やかな環境でにいるんだから
気に留める事じゃないぞ。おれ

一生懸命、皿を洗う。

歯磨きオジサマの喉も落ち着いてきた。
さっきのような雑音も無い。

小鳥のさえずりが癒しを運んでくれる。

おじさんが炊事場に近づいてきた。
さっきのような違和感もない。

右手に歯ブラシ、左手にコップ。
きちんと炊事場でうがいをするのだろう。

むしろ念入りに歯磨きしてて偉い。
エチケットは大切ですよね。

オジサマがコップに水を入れる。
その水を口に含む。
喉を鳴らすが、それは想定済みだ。
不快になんて思わないよ。おれは。

排水口に向けて「ぺっ」っと吐き出す。
シンクでバウンドしたその飛沫が
私の袖口に飛んできた。

クッッソ
はらたつ。

無理!大自然でもムリ。
寛容になんてなれん。
最悪だ。。。

なんて葛藤をしていると、
オジサマは二回目のうがいをしてた。

次はバウンドしないように
優しく吐き出してたから、
「悪気は無いんだな」
って思って水に流す事にしました。
炊事場だけに。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?