「先生、私の隣に座っていただけませんか?」〜kaf

正直、やや観ることに抵抗があった映画。
なんとなく主があまり観ない方向性の映画なのかなという先入観があったから。

キャストは良いし口コミも観たくなるようなものばかりで、どうしようかなぁと迷っているうちに劇場での上映は終了。
完全に機を逃した…

その後、スカパーで放送されたものを鑑賞。
物凄く面白かった。
劇場で観るべきだったと後悔。

家族間の問題を、漫画家という設定を使ってこれでもかと描く。
個人的に柄本佑さんがとにかく面白くて、沢山笑いました。
中盤、柄本さんの緊張感のある疾走シーンがあるのですがそこで完全に主のこの映画に対する姿勢が決まったように思う。
「あ、これゲラゲラ笑いながら観てもいいんだ。」と。

柄本さんのあの絶妙に間の抜けた台詞や息遣い、表情。
こんなに笑うなんて思わなかったな。

冒頭で、夫婦間にのっぴきならない問題があることがさり気なく描かれるのですが、それが中盤以降効きに効きまくってくる。
夫婦同士疑心暗鬼になりながら、それでも普段の生活を何気なく過ごしていく。さらに2人の溝が深まっていく…その緊張感たるや!
にも関わらず上記の通りの柄本さんの演技。
絶品でした…。

そうやって本編中は基本的に笑って観られていたのですが、ラストのとある登場人物の静かな物腰にグッと引き締められてエンドロールへ。

エンタメだけど、じんわりとした鑑賞後感。
この映画くらいのスケール感の物語が好きだなぁと改めて思いました。
身近で起きた出来事のような距離感。

オススメです。

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