カフェオレ・ラプティ

映画等好きな母(アラカン)と息子(アラサー)です

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最近の記事

「彼らが本気で編む時は、」〜rap

最初にこの映画を観た日は、とても寒い日で、長距離のウォーキング途中、ちょうど時間が合って劇場に立ち寄った。 リン子さんのお母さん(田中美佐子さん)の、子供の気持ちをまっすぐに受け止めて共感して守る姿が心に焼き付いていた。 ずっとまた観たいと思っていて、今月wowwowで観ることができた。 辛い状況の子どもたちも描かれている。でも、暖かく、ユーモラスな台詞がそこここに散りばめられていて、観ていて心地よく感じた。 心地よいどころではないエピソードもあるのだが、入院している友

    • 『4月になれば彼女は』ネタバレ〜kaf

      観終わった後、とてもいい気分になって帰れる作品だった。 1番大きいネタバレしますのでご注意下さい。 背景が綺麗だなとぼんやり考えながら観ていたが、まさに背景がキーになる映画だった。 主人公2人が病院を歩きながら診察に近い雑談をしている。 その2人を正面から捉える形でカメラが向けられているので、登場人物が移動したら自然と背景には彼らが歩いた景色が写り込む。 現在を写しながら、過去も同時に写し出されているような画作りになっていた。 物語が進むにつれ、皆なにかを失った、あるい

      • 『ファイナルデスティネーション』〜kaf

        主は大のホラー嫌いだ。 何故なら刺激が強すぎるから。 グロい表現や、驚かす系のシーンになると決まって目を伏せる。耳を塞ぐ。情報をシャットアウトする。 が、最近好きなパーソナリティのラジオを聴いていて、その方はホラーが大好きで、ホラーについて「人間の根源的な恐怖を描くジャンルでもある」といった趣旨のことをお話しされていた。 それを聴いて、主の中で少しずつホラーの認識が変わっていったように、今思えば感じる。 それで手始めにザッと検索して面白そうなあらすじの今作を観てみた。

        • エゴイスト〜rap

          こんな映画とは思ってなかった これって人類愛⁉️ 鈴木亮平ってすごい役者 大好き❤

        「彼らが本気で編む時は、」〜rap

          『夜明けのすべて』

          三宅唱監督作品。 全体を通してとても丁寧な積み上げがなされていく。 劇中に起きる事件の一つ一つは、大小はあれどそこまで大きな波は立たない。 だが、その波が揺れる度に少しずつ人物の描写がなされる。 その一つ一つの積み重なりが、やがては大きな感動の波となったように感じた。 冒頭を除いて、常に優しい空気感が漂う。 登場人物たちは皆何かを失った人々だった。 しかし劇中で描かれていたのは悲しんでる姿ではなく、悲しみながらも日々を生きていく姿だった。 最終的に主人公の藤沢さんと山添

          『夜明けのすべて』

          「悪女について」〜rap

          芥川龍之介の「羅生門」は読んでないが、「羅生門形式」の作品は好き。 「恍惚の人」を子供の頃読んで強い印象を持っていた有吉佐和子の小説を今読んでいる。 主に入浴中に読んでいるが、一章一章が程よい長さで、しかも同じ人に関する様々な人のインタビュー形式なので、読みやすい。 そして、一人一人の印象の微かな差異が、女の嘘や策略、それに魅力もを浮かび上がらせるので大変面白い。

          「悪女について」〜rap

          『カラオケ行こ!』

          去年から気になっていた映画。 山下敦弘監督と野木亜紀子さん脚本とあれば必見だろう。 観た感想としては、とても良かった。 何年振りかわからないけれど、エンドロールが終わってスクリーンが明るくなった瞬間に「観に来て良かった。」と心から思った。 結末も心地良い明るさで終わっていくのが最高。 X JAPANの“紅”がこんなに良い曲だったなんて。 しかもこの曲の歌詞をこんなに上手く作品に反映させて。 カタルシス…かと思わせたフリにもなってたし。 こんなに良質な映画を見られて幸せ。

          エモーショナル大河「どうする家康」Ⅲ〜rap

          一昨年までは全く興味がなかった大河ドラマに、昨年はずっと夢中になって過ごしていた。 私の昨年を漢字で表すなら「大河」だ。 全編を観てきた今、年末始の休暇中に何回も見直してきた「どうする家康」を再度最初から見直している。 ナレーションが春日局の講談(?)であったことから、ナレーション部分を書き留めながら、そして、「三河一向一揆」以降を毎回解説、分析してくださっている青江さんのnote を読み込んでさらに深く味わいながら楽しんでいる。 ナレーションに使われる言葉や地名を

          エモーショナル大河「どうする家康」Ⅲ〜rap

          2023年総括〜rap〜kaf

          【映画】 (R) 「シン仮面ライダー」「ほかげ」「怪物」 (K) 『バービー』『小説家の映画』『怪物』 【ドラマ】 rap 「エルピス」「どうする家康」「麒麟がくる」 kaf 『エルピス』 【小説】 rap 「恍惚の人」 kaf 『絞首商会』 【舞台】 rap 「入管収容所」 kaf 『スローターハウス』 【俳優】 rap ・野村萬斎・趣里 kaf ・榎木淳弥・瀬戸さおり

          「ほかげ」〜rap

          塚本晋也監督の「野火」は衝撃的すぎて、しかし、本当の戦争を描いていると思った。 戦争に息子や身内が取られる・・・生きては帰れない・・・と、大事な人が殺されることを恐れる気持ちはよく聞くが、私は大事な人が人を殺す、そのことを恐れる気持ちが先に立つ 「ほかげ」では、それが描かれていたように思う。 人が人を殺すことはどのような場合であっても悪だと思う。 虐殺された過去をもつ悲しい民族が他の民族を虐殺する。世界ではそのことが繰り返されている。そういう思いは必ず将来の世界に引き

          「マザーズ」(金原ひとみ)〜rap

          最初の部分は私の子育て経験と違い過ぎて一旦積読していた。 ユカと涼子と五月という三人のマザーについて書かれていて、小説家だったりモデルだったり、ちょっと特別な子育てが描かれているように思えた。普通の人である涼子も、その煮詰まり方が異常で怖くなった。 しかし、積読を片付けようと読み始め、読み進めるうちに、30年前の私の気持ちがこと細かに蘇ってきた。 ほんのちょっとした小さなことの積み重ねで自分を追い込んでしまったり。 子供が1歳くらいの時だったか、水をコップに注ぐことを覚

          「マザーズ」(金原ひとみ)〜rap

          エモーショナル大河Ⅱ〜rap

          多分アルゴリズムの働きだとは思うんだが、今年の大河は、大河初心者を含むたくさんの人のハートを鷲掴みにしていると思いこんでいる。 そしてそれは脚本による魅力が大きいと思いこんでいる。 「キサラギ」(2007年)でハートを掴まれた私としては古沢良太すげえの一言だと、世の中もそうだと思い込んでいる。 「もし、第1幕から壁に拳銃をかけておくのなら、第2幕にはそれが発砲されるべきである。そうでないなら、そこに置いてはいけない。」1904年に『演劇と芸術』誌に掲載されたイリヤ・グリ

          エモーショナル大河Ⅱ〜rap

          「アイアムサム」〜rap

          親であること。 子であること。 を考えた。 サムとルーシーは心から愛し合っている。 実はこれだけが親子である資格なのではないか。 ただ心から愛する気持ち。 互いにそれがあれば充分なはずなのに、それが足りない者たちは、独占欲や支配欲で愛しているふりをする。 「子育てにおいて、ミスを犯してしまう不安」それはすべての親が持っている。 それを乗り越えられるのも「愛」しかないのかも。 自分の思いを振りかざすことなく、相手の思いにも心を澄ませていれば。 親子の資格があったと

          「アイアムサム」〜rap

          ネタバレあり『キリエのうた』~kaf

          急遽思い立って鑑賞。 岩井俊二監督作品の独特な空気感に包まれた3時間でした。 岩井俊二監督の映画を観てると不自由な自由を感じるというか、 本当の嘘を見てる感じというか、 不幸せな幸せを見てるような気分になる。 アイナ・ジ・エンドさん(以下、アイナさん)のキャラクターがとても良かった。 日常の会話では声が思う通り出せないが、歌なら思いっきり自己表現ができる女性キリエを演じていた。 友人との会話では苦しそうに絞り出すように声を出す。 耳を澄ませないと聞こえないようなボリューム

          ネタバレあり『キリエのうた』~kaf

          『アイアムサム』~kaf

          こういう映画好き。 最近障害を持った方について考えることが増えた。 いわゆる健常者と障害者の違いって、社会性?生産性? 主の中で、人間性においての違いが年々薄らいでいると言うか そんなに違うかな?って、思っちゃう。 境界線が揺らいできている。 作中の中盤でタイトル通りの台詞「アイアムサム!アイアムサム!」と叫ぶシーンがある。 月並みな表現だけど、そのシーンに本当に胸を打たれた。 人としての尊厳に、人種とか性別とか身体的特徴とかって関係あるのかな?

          『アイアムサム』~kaf

          「僕はイエローでホワイトで、ちょっとブルー」〜rap

          ケン・ローチ監督の映画でイギリスの格差社会についても知ってるつもりだったけど、差別についてはこの本で実感した。 他国で被差別者として生きること。想像したことはあるが、なるほどと感じた。 でも、私の心をとらえたのは、聡明な息子と母の関係性。 聡明だけど年齢相応に未熟な息子が色々なことを感じて悩んで解決して生きていく。そんな息子を個人として尊重し、必要な助言を与える母。 フィクションではなく実生活をもとにしたエッセイであることに、この母子関係に、感動した。

          「僕はイエローでホワイトで、ちょっとブルー」〜rap