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「人生を乗せて」一歩踏み出すと見える景色、を、例えると

カフェトリエを開業してもうすぐ5年となり、
今日も昨日もおそらく明日も、カフェトリエにまつわる様々なことが起き続けています。
店主たち、お客さんたち、協業する仲間たち、助け合う仲間たち。
カフェトリエでできた繋がり、集まり、広がり。
会話、笑顔、記憶のどこかにかすかに残る楽しい思い出。
これらを考えたり、目の前に見ることができたときに、頻繁に思い出す情景があります。

大きな一歩を踏み出す時には、
「これをするともう後戻りができない」
瞬間があります。

店舗開業において、それは何かというと。

”賃貸契約書に押印する時”

です。

私の場合、カフェトリエ物件を見つけ、即その場で内覧を申し込み、翌日にすぐ見に行きました。

そしてその日の夕方、自宅のデスクで夕陽が差し込む申込書に押印しました。

あの景色は、忘れられません。
今はもう転居してしまったので、もう私の心の中だけです。
この情景を、何度も思い出します。

もう一つ、思い出すシーンがあります。
物件に申し込んだ際、既に10件程度の申し込みがあるそうでしたので(物販やお菓子屋さんなどのようでした)、物件のオーナーさんにできる限り早く会えるよう、不動産会社の担当者さんにお願いをしました。

自分のやりたいこと、思いをまとめたものは既にあったので、コンセプトシートや事業計画書一式とともに、プレゼンをしに行きました。他の人は断ってください、と。
吉祥寺第一ホテルの2階レストランでした。
第一ホテルも先月閉業してしまったので、この景色も私とオーナーさん、不動産担当者さんの心の中だけです。


面白いことに、これ以降で思い出すシーンも、同様なのです。
それは、
「人生を乗せた重みのある一歩を踏み出したひとと、初めて会って話した時のこと」
です。
すなわち、カフェトリエで開業した店主たちと初めて会って話した時のことです。


それだけ、人生を乗せれば乗せるほど、覚悟が大きければ大きいほど、踏み出す行動は、
ページに折り目をつけるかのように、その場所の時空を歪ませて、
自分にも、相手にも、記憶に刻まれます。

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自分の人生を賭けて一歩踏み出すと、
”その瞬間から、現在までの「レール」ができる”
そして、それ以降に起きるのは、その瞬間発生した分水嶺のようなレールの上での出来事なのです。例えてみれば、そんなイメージです。


その後、レールの上では、どんなことが待っているのでしょうか。

私の場合、
カフェトリエで、実際にお客さんの笑顔を見たり、店主たちの人生の前進を体感したり、支え合ったり、お客さんとの楽しすぎる会話をしたり、カフェトリエで初めて出会った本当に大切な人たちと過ごしている時、
ふと、
”あの時震える手で印鑑を押していなかったら、今のこの景色はなかったんだよな。”
と思うのです。
ふと、反射のように。

おそらく、あの時、印鑑を押していなかったとしても、別の人生があり、同じように人と出会い、苦しんだり、笑ったりしていることでしょう。

しかし、目の前にある笑顔たちや、実際に目の前に居る、人生を乗せ切磋琢磨する仲間たちや、出会えた大切なひとたちは、
現実のものです。

これに勝るものを私は知りません。(今の科学技術ではまだパラレルワールドは行き来できな...)

あの時、印鑑を押したから存在する、この瞬間の現実。

あの時発生したレールの上に、たくさんの笑顔や思いが派生していきます。

これが、一歩踏み出した後に見える景色です。

そして、誰かのレールの上に、誰かが乗らされているということは無く、
”覚悟をして「人生を乗せて」一歩踏み出した一人一人が”
自分のレールを持っている、ということです。

そう、レールの上に乗っているのが、紛れもない「自分の人生」なのです。
”自分の”人生が、より鮮やかになる瞬間です。

だから、カフェトリエは、人生を乗せて一歩踏み出す人たちの集まる場としてはじまり、これからも何が起きても、そうあり続けていきます。


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