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FPSゲーム的ゾンビホラー(レビュー:『パンデミック』)

オススメ度:★★☆☆☆

 原因不明のウィルスが蔓延するアメリカ。感染者の症状は5段階に分かれ、レベル1は治る可能性があるが、レベル5にまで達すると暴徒化し、治す余地なしと診断されていた。CDC(疾病)センターのドクター、ローレンは、崩壊したニューヨークから未感染者を助けるべくロサンゼルスの救助チー...

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 様々な「惜しさ」に満ちた作品である。まず、Amazonの内容紹介文(上記引用のもの)からして途中で文章が切れている。惜しい……。

 内容的には感染病パニック映画と思わせて、ほぼゾンビ映画となっている。ここで言う感染病パニック映画とは『アウトブレイク』『ザ・ベイ』などの病気要素がクローズアップされたものであり、ゾンビ映画とは峻別したい。「ゾンビも感染病では?」と言われればそれはそうなのだが、今回は別枠として話をさせて欲しい。感染病パニック映画にはゾンビ映画とはまた違った趣があるからだ。

 その違いの一つは、医療者側の活躍である。ゾンビ映画になってしまうと、主な脅威は「襲い来るゾンビ」となり、それに対抗する武力を持った人たちが映画のメインとなる。しかし、感染病パニック映画では、進行する感染状況を組織的に封じ込めようとする医療者たちの戦いとなり、科学的な対処というSF的な要素が強くなる。

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