こんな私に、恋人ができた

出会ってからもうすぐ4ヶ月、付き合ってからもうすぐ1ヶ月になる。
とっても、とっても素敵な人で、良い人で、優しい。

愛が強くて、ストレートに伝えてくれる人。

仕事してるところも、私の前でデレデレしてるところも、落ち着く声も、手も、大好き。

そんな恋人を見て、時々ザワザワしてしまう自分がいる。
こんなにもストレートに愛が伝えられるほど、愛されて育ったんだな。
人を愛すことを、人に愛されることを恐れる必要が無かったんだな。
こんなに優しく頭を撫でることができるほど、優しい手つきで撫でられてきたんだな。
感情を抑えなくても良い世界で生きてきたのかな。

時々送られてくる写真で、またザワザワしてしまう
大きな一軒家。
人に写真を送れるほど、整頓された室内。
幸せそうな犬。
温かくて栄養たっぷりな夕食。
もちろん綺麗に片付けられたテーブル。
そこに見切れて映る家族。

「夕食時にテレビは点かなくて、ずっと話してる」
「家族みんな、それぞれのことが好き」

そんな家族が本当にあるのかと、びっくりしてしまう。
羨ましくなる。
ぴったりな言葉が見つからない、よく分かんない感情でザワザワする。

劣等感？・罪悪感？・自分が惨め？・恥ずかしい？

「こんな家族があるのに、一体私の人生は何だったんだろう？」
「あんな想いをしたのは、何だったの？」
「あの我慢は、もしかして必要のない我慢だったの？」

なんか、色んなものが崩れそうで、信じたくなくて、脳に霧がかかる。

そんな高貴な愛情を、私が受けとっちゃいけない気がしてくる。
私から発せられる愛も、汚れたもののような気がしてくる。

関わっちゃいけない、ずっとこのモノクロで汚れた世界で生きていなきゃいけないような気がしている。

でもそんな私に、彼はいつも愛を伝えてくれる。
会って、肌が触れると、考えてたことが全部吹き飛んで安心してしまう。
「隣にいて良いのかな」と思いながら、ずっと隣にいたいと思う。
ずっと隣にいて欲しいと思う。

少しずつ、その愛を信じられるようになりたい。
少しずつ、愛し方を知りたい。
相手を愛して、自分を愛せるようになりたい。
いつか、小さい頃の自分を抱きしめて、幸せを受け取れるようになりたい。