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5歳児に論される

3歳ごろまで息子は喋らなかった。
何かを言っているが、何を言っているのか分からず、
ニコニコしているか、騒ぐかで機嫌が良いかどうかを判断していた。

突然、私に飛びついて来ることがあり、ビックリするので
「何か、ひと言かけてから来てよ!」と息子に伝えると
「ヤッホー」 とひと言叫んでから、突進してくるようになった。
それくらい語彙がなかった。

息子は早生まれ
3歳になった途端、年少として、幼稚園に通い始めて、少しずつ
語彙力が出てきた。やはり、子供とは、年齢の近い子たちと一緒に
過ごすのが一番だった。

喋り始めると、めちゃくちゃ喋るよ!
という先輩ママのアドバイス通り、息子も例外ではなく、
めちゃくちゃ喋るようになってきた。

すると、ディベート好きな夫婦である我々に論するようになってきた。

喋りすぎてうるさくて、父親が
「おまえ、うるさいな!どこから来たんだ!」

と言えば、
「天国だよ!!」

と叫び、

「父(とと)は小さい頃、そんなに怒られたことなんかない!」
と息子に言えば

「それは、福岡のばぁばがとと(父)のお母さんだからでしょ!」
と父親を論していた。確かに夫の母(義母)は優しくて
怒ったところを見たことがない。

「ママ〜ママ〜」と何でもかんでもママを呼ぶので、
見かねた夫が 「ママ〜」と馬鹿にしたように真似をしたら

「そんなに呼んだら、ママのこと好きになっちゃうよ!!」
と言っていた。沢山、人の名前を呼ぶと、好きになっていく!って
知っているんだと。

ザイオンス効果(Zajonc effect)とは、同じ人やモノに接する回数が増えるほど、しだいにその対象に対して好印象を持つようになる心理現象

20時が過ぎて、早く寝かさなければ、明日は幼稚園に行きたくないと言い出すだろう・・・と気持ちが焦り、イライラした口調になると

「どうして怒り出しているの?」

と聞かれた。
「20時過ぎたからだよ。あんたが早く寝ないと明日起きれないでしょ!」
と伝えると

「20時過ぎて急に怒り出す奴なんているわけないでしょ!!」

と言われた。確かに理不尽すぎる私の行動・・・。5歳児に論された。

極め付けは、風呂場で遊び続ける息子に
「早く出るよ!」と仁王立ちで怒っていた時のこと。
ぼ〜〜〜〜っと突っ立ているから「聞いてるの??」と
聞くと、

私の体を指差して

「め、め、くち」

名称未設定のデザイン

と言った。
おっぱい二つに臍でそう見えるよね〜!!よく観察してる!!
じゃない。
ちがう、ちがう。そうじゃない。
今、私が言ったこと全く聞いていない。
論するとかそういう問題じゃない。

今、6歳になった息子。
どんどん、言葉が発達して、もう負けてしまいそう・・・。
いや、子育てに勝つとか負けるとかどうでも良いはずだ。

ただ、彼の発する豊かな表現や言葉を残していきたいと思う。
いつ話をしてくれなくなるか、自分の世界に飛び込んで
出ていくかは分からない。だから、今を楽しませてもらおうと思う。

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