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2023年を振り返る2 “押し買い”の被害の次は怪しい親戚出現?高齢者を狙う犯罪が多すぎる!!

(「2023年を振り返る1 高齢者の病気把握は大事!主治医を変えて良かった!」の続きです。) 

 私の母は2019年に認知症とわかり、2022年5月には要介護2となりましたが、介護サービスをフル活用して一人暮らしを続けています。
 2023年3~4月頃に、母は“押し買い”の被害に遭い、父からもらったダイヤの指輪、有名ブランドのシルバーリング、カメオ、サンゴのネックレス等を騙しとられました。貴重品箱に貴金属が無いのは、しまう場所をまた変更したからだろう、と勝手に思い込み、私は被害に気づくのが遅れました。
 被害に遭う前(2~3月頃)に実家で怪しい業者からの電話の対応をし、やってきた不用品回収員を断りもしたのに、母を犯罪から守ることができませんでした。狙われていることを察知し、対策をすぐにしていれば被害を無くす、もしくは小さくすることができました。大変悔しいです。
 このような経験を、他の方にして欲しくないです。今回は、母を狙った犯罪について書きますので、ご自身やご家族の防犯に役立ててください。

 母が5月に17万円の指輪を購入したのは、“持っていた指輪が無くなって、身に付ける物が無くなったから“でした。指輪を返品して、しばらくしてからぽろっと出てきた話です。怪しい業者の電話や来訪、それまでの4~5ヶ月間の母の言動、いろんなことがつながり、どこを探しても指輪等が無く、盗まれたことにようやく気が付いたのは、被害に遭って2カ月以上経ってから。母は盗まれたことを記憶していないので、警察に被害届を出すこともできませんでした。

 友人の叔母さんも認知症で一人暮らしをしていて、“押し買い”に貴金属を持っていかれたそうです。叔母さんは持っていかれたことは覚えており、「悔しい、悲しい」と話していたそうでです。
 防犯対策は、盗まれそうな物は家に置いておかないこと。実家の権利書等は認知症がわかった時点で、私の家で預かっていましたが、貴金属は母が身に付ける機会がまだあるかも…と躊躇してたら、やられてしまいました。

 12月になり、ある日デイサービスの職員から「お母さんが今日親戚と会うからデイサービスを休むと言ってますが、よろしいですか?」と朝に電話がかかってきました。親戚?何それ?初耳です。
 母に電話をすると、20年以上連絡をとっていない従弟から電話があり、今日の11時に車で迎えに来ることになっている、とのこと。従弟の連絡先は分からず、どこに行くの?ときくとそれもわからないと言います。従弟は横浜の歓楽街でバーテンダーをしていると言っていた、そうです。
 これはかなり危険!と判断し、従弟の対応は私がするので、とにかくデイサービスに行くように母を説得、デイサービスには事情を話し、危ないので自宅に一人で置いておけない、何がなんでも施設で預かっていてほしいとお願いしました。

 この日は午前に仕事の重要な打ち合わせがあり、従弟が来るという時間に私は実家に行くことができません。実家の隣家に電話をし、事情を説明し、もし11時頃に誰かが訪ねてきたら声をかけてもらい、その人が従弟の名前を名乗ったら、私の携帯電話の番号を教えるようにお願いをしました。
 打ち合わせを終え次第、仕事を早退し実家に直行。お隣さんによると約束の11時頃には、実家には誰も訪ねてきていないようだった、とのこと。実家の留守電にはメッセージは残っておらず、本当に従弟からの電話だったのか、約束したのはその日の11時だったのか、母の言うことをどこまで真に受けたらよいのか悩みました。

 母がデイサービスから帰ってきた後、もう一度従弟からの電話がどのようだったか説明を聞きましたが、母のメモには従弟の名前と11時と書いてあるだけで、新たな手がかりを得ることはできませんでした。
 しかし朝は「大事な親戚だ、会いたい」言ってましたが、「何で20年以上全く連絡が無かったのに、今さら連絡してきたんだろうね。」と投げかけると、何の話をされるか分からず不安もあると言います。
 母と相談し、また連絡があったら、下記のとおりにするよう、メモを書き、母がいつも座るリビングの机の上に貼りました。
①会うなら必ず娘(私)と一緒に会う、会う約束は私の携帯電話の番号を教えて、私と約束するように伝える。
②従弟が訪ねてきたら、今日は体調が悪いから対応できないと言い、私の連絡先を教えて、会う約束は娘として欲しいと伝える。
 突然家に来たら、入れないわけにもいかない、と何度もきいてきましたが、四六時中私が母と一緒にいることはできません。「メモに書いてあるよ、②のとおり対応するしかない。」と話しました。

 母は電話が従弟からと信じていますが、たぶんオレオレ詐欺に引っかかったのだと思います。10年以上前に母から職場に「〇ちゃん(私の息子、母にとって孫)から、学校でひどい目にあっていると電話があった。大変!」と電話があり、オレオレ詐欺にすっかり騙されていたことが発覚しました。
 母は「自分から孫の名前を言っていない」と言いましたが、当時高校生の息子はそんな電話はしておらず、ひどい目にも遭っていないと爆笑。母は詐欺師に言葉巧みに孫の名前を言わされ、詐欺師はその名前を語り、お金を振り込ませようとしていました。
 詐欺師が親戚の名前を母から引き出し、巧妙なシナリオで親戚を助けるために金が必要と、母から金を巻き上げようとしていたのかもしれません。

 机上に貼ったメモは何日貼られているか、貼ってあっても母がそのとおりに対応できるか分かりません。この半年以上、様々な注意の貼り紙をしてもほとんど効果は無く、母の行動を変えるのは難しくなっています。
 前の週に警官から、電話の防犯対策をすすめられていたので、いろいろ調べた結果、NTTの「特殊詐欺対策サービス」を受けることにしました。
NTT「特殊詐欺対策サービス」ご案内HP
 尚、母は一定期間無料の条件に該当したので、2025年3月31日までこのサービスを0円で利用できることになりました。ご関心のある方、ぜひサイトをチェックしてみてください。

 私はこのサービスを受けるのに必要なNTTの“ナンバー・ディスプレイ”と、“ナンバー・リクエスト”の手続きを早速で行い、まずは12月下旬から実家の電話を自動的に電話番号非通知の電話の受信拒否、国外等からの電話も受信拒否をするようにしました。
 なんと!“ナンバー・ディスプレイ”、“ナンバー・リクエスト”は、2023年4月17日以降より、70歳以上だと高齢者無償化の対象となり、月額利用料が無料となりました!適用条件があるので、まずはサイトでチェックしてください。
NTT「ナンバー・ディスプレイ(ナンバー・ディスプレイの概要、高齢者無償化について説明あり)」

 この年末年始も、昨年同様に母は特養のショートステイを利用しています。何が起きてもスタッフさんが対応してくださる、実家で犯罪に巻き込まれる心配も無い、私は精神的に無茶苦茶ほっとしています。
 認知症の母が一人暮らしをしていることが、自分にとっては大変大きな精神的な負担になっていることを毎度実感する正月です。

 

先日、イベントで配布されていたチラシ。特殊詐欺の被害が増えています。

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