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Amazonプライムで。「レザボア・ドックス」



レザボア・ドックス デジタルリマスター版が公開中である。
広島でも2月から公開されるのであるが、待ちきれない。
我慢できない、このタイミングで…Amazonプライムで観れてしまうなんて。

おそらく最初に観たのは、高校生の時だったと思う。
衝撃的だった。
映画って、すごい。
素直にそう思って以来、私は、ずっと映画が好きだ。

それ以降も何度か観てはいるのだが、不思議なことに近年は観たいタイミングで観れないことが続いていた。観たいときにサブスクで解禁されておらず、わざわざ近所にDVDをレンタルしに行ったら、誰かに借りられている。
真の名作は、常にだれかにレンタルされているものだ。
もどかしい。
もうDVDを購入して手元に置いておけ、と言われそうだが、そう簡単にしてしまうのはなんだか違う。大好きだけど、観られるタイミングは自然に任せたい。
そんな映画もある。

あの6人のイヌは、どうしてこんなに、かっこいいのだろう。
1992年、まだ28歳のクエンティン・タランティーノ監督が世に送りだした初長編作は、色褪せることなく私たちを魅了し続ける。
色褪せない、なんて表現はダサいな。

唯一無二なのだ。
愛され続けて当然だ。

宝飾店を襲い、ダイヤを奪う。
そのミッションを遂行するために6人の男が招集された。
襲撃と同時に事態は急展開。
え、なに、どうしたの、なんでこうなったの?説明して?
と思うのだが、当の6人も同じことを思っている。
計画実行後の待ち合わせアジトに、順に集ってくる男たち。
疑心、妄想、信頼、忠義、信条
雇い主ジョー、その息子エディも加わり、とある倉庫を舞台に、男たちの限界ギリギリの心理戦が繰り広げられる。



6人のイヌのコードネームが、色、というのもシンプルかつ最上級にかっこいい。
ホワイト、オレンジ、ブロンド、ピンク、ブルー、ブラウン
ちなみに私は、コードネームをジョーが発表したときに、ピンクが「パープルがいい」とごねるシーンが大好きだ。

それぞれの登場人物の、ミッションに至るまでのエピソードを回顧しつつ、クライマックスまで予測不可能な暴走に付き合わされるわけだが、観終わったあとの不思議な充足感にまた魂をもっていかれる。
映画を構成しているのは、ギャングと、スラングまみれの笑えない雑談と、バイオレンス。ごくシンプルなこれらが、構成の巧みさによって、すべて必要不可欠な要素として活きてきて、ジグソーパズルの最後の1ピースをはめたときのようなコンプリート感をもって衝撃のラストを見せてくれる。

かっこよすぎるのである。

かれこれ32年も前の映画になるが、まだ観たことのない若い世代の方にぜひ観てほしい。
映画も音楽もその他エンタメ全般に容易にアクセスできて、発信も受信も自由にできる現代。お若い世代は、みる目も肥えているだろう。
それでもきっと、「こんなの観たことない」と、思わせてくれる名作だと思う。

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