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何のためにICTを使うのか?


自己紹介

こんにちは。成人です。
私は現在、放課後等デイサービスの児童指導員として働いています。
前職は某専門学校デザイン学科の専任教員、前々職では某大学の技術系の職員として、情報システム課、そして広報課にて、主にWeb関連の業務に携わりました。この頃は論文執筆、非常勤講師、デザインの仕事、などもしていました。

はじめに

以下より、私の仕事について書いていきます。
あくまでも、私が勤務する事業所の話、かつ私の立場における日常の例ですので、一般化するものではありません。

ICT系?

上述のとおり、私は情報システム関連の仕事に携わっていました。そのためか、私の配属先では、ICT系の支援に力を入れる方針が立てられました。それを知っていたため、勘づいていましたが、案の定、会議のなかで上長から「ICT系については…成人さん!お願いします!」と言われました。ほぼ一任された格好です。その直後、「もちろん、1人で全部やれって言ってるわけじゃないですよ。みんなで協力しましょう」という旨のフォローをされましたが…。

仕事を振られて私が真っ先に思ったのは、「ICT系」という表現です。太陽系ではありません。それは確かでした。

太陽の周囲を運行する惑星として、水星・金星・地球・火星・木星・土星・天王星・海王星があります。太陽を中心としたそれら惑星の総称として、人間が「太陽系」と名付けました。名前は後付けです。
同様に「ICT系」の場合、惑星に相当するものがあるはずです。そう名付けているわけですから。察するに、活動内容でしょう。しかし、ほぼ決まっていない、そもそもICTって何?という状況でした。

要するに、先に看板(名前)を作ったから、あとはよろしく、というお願いだった、と考えられます。

なぜ「ICT系」が出てきたのか?

仕方がないので、ICTを使用した支援が推進されるようになった背景を探りました。具体的には、私以外のスタッフにそれとなく話を伺ったり、過去の活動内容を調べたりして、証言および事実を収集しました。情報を集めれば、おのずと背景が明らかになるだろう、と見込んだからです。

結果として、おおむね次のような理路なのではないか、と思われます。

  1. マインクラフト・プログラミング(Viscuit・Scratch)・ドローン・タイピングなど、色々やってみたが、個別支援・集団支援ともに継続して採用される頻度が多い活動が、マインクラフトになった。

  2. マインクラフトは、安定して利用者数が見込める活動だと考えられる。これが社内において、ICTを使用した支援として認識されるきっかけになった。

  3. ICTが何なのかわからないが、ウケがいいらしい。

  4. ICTを使用した支援は収益に寄与するのではないか。

  5. 「ICT系」を推進しよう。

何のためにICTを使用するのか?

利用者ごとに個別支援計画が作成されます。それに長期目標・短期目標が記載されます。その目標の達成を目的として、どのような活動がその達成に寄与しうるのか、考えています。あくまでも活動を通して何かを得てほしい、気がついてほしい、知ってほしい、などの意図があるわけで、活動自体が目的ではありません。

しかし、上述に述べたように、「ICT(系)」という言葉が独り歩きすると、ICTを使用した活動自体が目的になりがちで、何のためにICTを使用するのか、という肝心の問いが見えなくなってしまうのではないでしょうか。

ICTは情報通信技術です。技術というものは、人間が何のために使用するのかによって、活かし方の方向が左右されるものだと、私は考えています。

例えば、コミュニケーションに関する困り事をお持ちの利用者の場合、自身を客観視するために、本人が会話する様子を動画撮影し、あとから視聴して自身の言動を検討していただく、といった活動が考えられます。iPad等で動画撮影するだけですが、そうしたICT機器がなければ不可能な活動ですから、何のためにICTを使用するのか、という問いに対する回答のひとつにはなると思います。

私が同僚から「ICTって何?」と尋ねられたら、趣旨として上述のようなことを回答するように意識しています。もちろん、それが正しい、とは思っていません。反論されることもあります。

ICTって何?

それは、結局「ICTって何?」という疑問が根底にあるものと思われます。だからこそ、「その回答は成人の考え方を述べたものであって、質問の答えになっていないではないか」という反論になるのでしょう。もっともだと思います。

しかし、言葉の定義にこだわっても、利用者には無関係だと思います。利用者(その家族)にとって重要なのは、支援者が利用者に対して何のためにその活動を実施しているのか、だと思います。

ある活動について「何のために」と考えた結果として、ICT機器を使用したほうがいいなら、そうすればいいだけのことではないでしょうか。難しく考える必要はありません。
その実践の結果として質の良い活動内容が蓄積したら、そのときに「ICT系」としてまとめればいいと思います。

ただし、それを実践するには、スタッフにも多少なりともスキルが求められます。そうした人員が不足する一方、世間の動向としてICTを取り入れる必要に迫られる、そんなときに比較的デジタルの分野に明るそうな中途が入社してきた。だから、その人に任せればいい。おそらく、それが現状なのだと思われます。

おわりに

GWに帰省しました。放課後等デイサービスの児童指導員という仕事を説明することが、難しく感じます。

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