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コールセンター物語② 三千子のおしゃべり

こちらの話と合わせてどうぞ

おはよう。あ、あたし?あたしは10時出勤なの。あたしバタバタするのが好きじゃないのよ。30分くらい前かな、出勤するの。あなたは9時出勤でしょ?いいの、こんなところにいて。ああ、休憩室に用があったのね。この部屋の掃除してるの?総務は?ああ、総務がいないときはやってるんだ。大変ね〜。

毎日?フルタイム?へ〜私はね、週3回とか4回とか。まあ月によって違うんだけどね。時間は10時から16時まで。で休憩は45分。もう食べるだけで終わっちゃうよね。なんにもできないの。1時間くれればいいのね。だから実質で5時間15分の勤務時間なの。え?そうそう。扶養の範囲で働いてる。まあ旦那とかは”働かなくてもいいんじゃないの”って言うんだけどさ、あたしは自分の使うお金は自分で稼ぎたい人だからさ。やっぱり自分で稼ぐと自由じゃない。だから仕事するのよね。

そういえばさ、竹山さん、辞めるんだって。あの人でしょ、新しい社内報作ってる人って。すごく面白いらしいってそういうこと聞いたことあるのよ。あたしは見たことないんだけど。だってほらあたし休み時間が45分しかないから、そういう資料とか見てる時間ないのよね。え?業務中に読むものだって?だって業務中はもっと時間ないわよ。電話に出なきゃいけないし。あたしに言わせてみせりゃ、なんでみんな読む時間あるのよってことよね。全く。まあそれはそうと辞めちゃうなんてもったいないよね。なんで辞めちゃうんだろ。え?自分ができる仕事をさせてもらえないって?へーそうなんだー。

でもさ、あの人っていくつだっけ?私もさ、何度も辞めようと思ったことあるんだけどさ、やっぱり自分の年齢考えるとさ、なかなか次が見つからないのよね。そりゃ働かなくても生活はできるけどさ、やっぱり自分のお金が欲しいからね〜。実際に応募しようかなって思ってもさ、今ってほら、応募も履歴書とか必要なくて、なんか必要事項を書いて送信するだけじゃない?知らない?そういうものなの。で、そうなんだけど、20代、30代が活躍中!なんて書いてあるところは、絶対に通らないのよ。若くないとダメなのよ。あ、あたしの歳言ったっけ?あたし57なんだけどね、まあ仕事ないわ。もう歳だけで絶対にダメよね。竹山さんって55歳なの?だとするとすごい勇気あるわよね〜次、見つからないわよ、その歳じゃ。え?そうなの?ま、まあ確かに専門職ならね。ふーん。・・・・。

そうだ!南畑さん!退職したって!もうびっくりよね〜なんで退職したのかしら?今度の取締役とうまくいかなかったのかしら。あんまり急なんでびっくりしちゃった。会社としては大丈夫なのかしら。だって南畑さんって取締役でしょ?お客さんもびっくりしちゃうんじゃない。なにがあったのかしら。でさ、南畑さんっていくつ?52?じゃあ次厳しいんじゃない。なかなかその歳じゃ再就職は厳しいんんじゃないかしら。いやいやいや、別に喜んでないわよ、なに言ってるのよ。え?そうなの?元々ラジオ局やテレビ局で通販の制作してたの?なんだそうなんだ。いや別に。・・・・。

さてと、ごめんなさいね〜お掃除の邪魔しちゃって。そろそろ行かないと。
ふぅ・・・でもやっぱり57歳には再就職は厳しいのよ。50代は1歳2歳違うだけでもすごく違うのよ。大変なのよ!

おつかれさま!じゃね!

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