”おひとり”は飲食店でも半人前なのか

元々1人でご飯食べにいったり呑みにいったりすることが多かった私だが、コロナ禍を経てそれにさらに拍車がかかっている。

お店に入り人数を聞かれた後に席に案内されるのであるが、ガラガラで席の数もそこそこある場合、
A:「え、1人なのにこんな広い席でいいんですか?」とこちらが恐縮してしまうような一人前の席に案内されるお店
B:少人数用の席に案内されるお店
C:ホテルのエキストラベッドの様な普段使ってなさそうな席に案内されるお店
といったようにお店毎に対応が異なる。

Aの場合は、こちらが「え、いいんですか?」と聞くと「どうぞどうぞゆっくりしていってください」と言われる。人数関係なく一人前のお客さんとして扱ってくれることに嬉しくなる。

Bの場合が一番多い。納得である。混んできた時でも「私が数名分の席を無駄にしている…」という肩身の狭い思いもしなくてすむのでありがたい。

Cの場合
わかりますよ、この後くるかもしれないグループ客のためにちゃんとした席は空けておきたいですよね。でもさ、この夕食時のピークの時間で、私以外のお客はいない。席もめちゃくちゃ空いているじゃないですか。
それなのに、お店の端の、「ここ、床が平らじゃないからテーブルがたがたしてるので動かさないでください」って事前告知して、そのテーブルが動かせないおかげで椅子に座るのも一苦労な感じで、その椅子も床の影響で傾いているし、しかもハイチェアだから足付かないからバランスボールみたいに体幹鍛えながら座らなきゃいけない、という状態の席に案内するほど、1人客の私は招かれざる客ですか?

混んでいる時なら別にいいんです。それを承知で入るので。
でもさ、他にお客さんがいなくて席の数も結構あるから入ったのに、そんな状態の席に案内されるってさ…

1人客は一人前の客としては扱われないのかね。
結婚していない、子供がいないうちは人として半人前だとよく聞きますが、飲食店においても同じですか。1人客は一人前の客ではないですか。

1人客は、手持無沙汰なので、ひとしきり食べて呑んだら帰ります。だから時間当たりの客単価は高いと思います(一部、飲んだくれてくだまいて居座っているおじさん/おばさん除く)。
そして混んできたら空気読んで帰りますよ。

食事がおいしくても、そういう対応のお店は次また行こうとは思わないし、複数人でも行こうとは思わない。人数で区別するってことは、お客さんの存在よりもお店の利益優先で考えているんだろうな、って思ってしまうので。

私も飲食店で働いていたことがあるので、そういう対応もわからなくはない。
じゃあその中間対応として、今回のようにガラガラだけどこの後混むかもしれない、という状況であれば、とりあえず普通の席に案内して「もし混んで来たら、お席移動して貰ってもいいですか?」ともできるんじゃない?
これならば、お客さんは移動しなくて済めばずっと居心地よくすごせるし、移動しなくてはいけなくなっても最初に了解しているからそこまで嫌な気持ちにならない。
お店にとっても、移動が発生したらちょっと手間はかかるけど、少なくとも私みたいに悪い印象を持たれるお客さんを生み出さなくてすむ(笑)

結局そのお店は、私が帰るまでの1時間の間に、1テーブル分のお客さんが来ただけであった。

おひとりさまは「ひとりなんです、ごめんなさい」と申し訳なさを感じながら生活を営んでいる場面が結構多い。
(本当はそういう肩身狭い思いを持つ必要はないし、堂々と生きていきたい思いはあるが)
そう思っている中で、さらにそれを助長させるようなことを経験すると、「おひとり」という身分や存在をより自分でも肯定し辛くなってしまう。

「おひとり」という存在が、社会の一構成要員としてもっと認められるようになっていけば、、、と思う今日この頃である。

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