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二次障害支援の3ステップ

前回の記事で二次障害とは何かを説明しました。

世界を敵視する二次障害。
彼らに世界を味方と思ってもらうためには、どのような支援を行えば良いのでしょうか?
今日は二次障害支援の3ステップを紹介します。



ミスマッチ【能動的要因と不作為要因】

前回、二次障害とは本人の特性と環境とのミスマッチだと述べました。
この「ミスマッチ」とは何か。

(例)
多動性が高い子に
☑︎じっとしていることを強要する
☑︎わからない授業を強制的に受けさせる

すると、この子は
▶︎暴れる
▶︎脱走する
▶︎ 不登校になる。
 など問題行動が発生する。


ミスマッチの背景には、
能動的要因と不作為要因があります。


【能動的要因】

能動的要因とは 不適切な関わりです。

(例)
・叱る怒る
・いじめ、虐待、体罰
・過剰な期待称賛
・能力と不一致の強制課題

つまり「過剰型」です。
過剰に叱る怒るなどの能動的要因は周りから見てもはっきりとわかります。
周囲の人が気づき声をかけたり、児童相談所へ電話をしたりするなど対応が行えます。

しかし、「過剰に褒める・期待をする」などの能動的要因は一見適切な支援にも見えてしまうので、注意が必要です。

近年、さけばれている過剰な教育「教育虐待」。
本人の許容限度を超えた勉強の強制。
これも、いきすぎた指導なので能動的要因です。

防ぐためには子どもとの間に「嫌なこと」「やめてほしいこと」を抵抗なく言える関係づくりが大切です。
上下関係が強すぎると能動的要因は発生しやすくなります。


【不作為要因】

不作為要因は、適切な支援の不足です。
(例)
 ・褒めない認めない
 ・信頼や期待をしない
 ・必要な課題を与えない
 ・役割を与えない

つまり、「放置型」です。

課題を拒否する・癇癪を起こす子に対し、
「好きなことをさせておけば、おとなしくなる」
、、、何も支援を入れない 不作為要因。
不作要因(放置)は見た目では分かりずらいものです。
周囲に気づかれにくい。
自体が悪化するまで支援が入りません。

防ぐためには、その子には何が必要でどう教えればいいのかという適切な指導計画が大切です。

能動的要因は周りから見えやすい過剰型
不作為要因は周りから見えずらい放置型
だということが分かりました。


二次障害への3ステップ

能動的要因、不作為要因により子どもは世界を敵視します。

最初に挙げた「多動的な子」の例で言うと、
「強制的な着席・課題の提供」等の能動的要因が背景にありました。

改善するために以下の手順で対応します。

①子どもが何に困っているかを観察分析し「アセスメント」を行う

②その子に合っていない環境を変更し、「適した環境」に調整する

③二次障害を引き起こす要因を減らし、「適切な支援」を行う

相手を「アセスメント」し、「環境調整」を行い、「適切な支援」を行う。
これが二次障害の大枠な手順になります。

 ①アセスメント
 ☑︎子供の性格趣味の行動観察
 ☑︎発達特性の把握
 ②環境調整
 ☑︎教室の配置、道具などの構造的環境
 ☑︎周囲の人の理解などの人的環境
 ③本人への適切な支援
 ☑︎適切な行動の獲得
 ☑︎誤学習への教え直し


以上、二次障害の要因と支援の大枠を紹介しました。
次回はさらに支援3ステップを詳細にまとめていきたいと思います。


今日の学び まとめ
☑︎二次障害が起きる原因:能動的要因と不作為要因
☑︎二次障害支援:「アセスメント・環境調整・本人への支援」


世界を敵視している子。
その子たちに共通していること、
「目」がちがうのです。。。
「お前は俺の敵だ!」
相手を威嚇するような「目」。

もちろん、私個人がその子と信頼関係を築けなかった未熟さもあります。

同時になぜ彼らがそのような「憎しみの目」をもってしまったのか、
私は彼らの「目」を忘れられません。。。

適切な支援で世界を味方だと思ってほしい。
「信頼関係を築ける社会」をつくるために今後も学んでいきます。




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