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初めての流産、悲しいのは皆同じ、次は授かれるの?

前回は、私の妊活の経緯について、ほんの概要ですが皆さんにお伝えしました。私は2回流産を経験しています。私にとって、とても辛い経験でしたが、本日は1回目の流産の時に、私にどのようなことが起こり、どう感じ、どう乗り越えようとしたのか、私の経験を皆さんにお話したいと思います。時期としては、2021年10月〜11月にかけてのことになります。


初めての流産

  • 私は2020年6月に結婚式を挙げました。前々から赤ちゃんが欲しいと思っていましたが、当時は、具体的にどのようにすれば赤ちゃんを授かれるのか、その仕組みや自分の身体のことさえあまりよく分かっておらず、ネットの情報を頼りに自分の基礎体温を測ることから始めました。

  • 排卵日の前にタイミングをとると妊娠しやすいという基本的なことから学び始めましたが、当時は妊活といっても手探りであり、全てが未知の世界でした。

  • 2020年10月に自己流でタイミングをとりましたが、その周期の生理が遅れ、何となく身体がほてっている感じがしたため、産婦人科に行った結果、思いもかけず、胎嚢が確認でき、妊娠していることが分かりました。

  • その時、赤ちゃんの心拍はまだ確認できなかったため、1週間後にまた病院に行くことになりました。思いもかけず妊娠が判明し、自分でもまだ信じられず、夫も実感が湧かず、半信半疑の反応だったことが思い出されます。

  • 1週間後、私は再び産婦人科に向かいました。「今日は赤ちゃんの心拍が確認できるだろうな」と、少し緊張していましたが、穏やかな気持ちで病院に向かったのを覚えています。夫も、「気をつけて行ってきてね」と、赤ちゃんの心拍を確認できることを楽しみにしてくれていました。

  • ところが、病院の検診で、胎嚢の中に赤ちゃんを確認することができませんでした。同時に、その時期に赤ちゃんを確認できない場合、それは流産の可能性が高いことが伝えられました。また、流産だった場合、その病院では「ソウハ法(掻爬法)」といって、スプーンのような器具で掻き出す処置をすることも伝えられました。

  • 私は頭の中が真っ白になり、絶望的な気持ちで帰路に着きました。涙がとまらず、とても一人で自宅にいられなかったため、外出して気持ちを紛らわせました。帰宅した夫も一緒になって泣いてくれました。流産した可能性が高いことはタイムリーに連絡していましたが、夫は会社から家に向かう電車の中で、ショックで貧血で倒れそうになったそうで、真っ青な顔をして帰宅しました。

流産の手術について

  • 夫と相談し、色々と調べた結果、流産の処置をしてもらう病院を変えることを決断しました。理由は、「ソウハ法(掻爬法)」という中絶の処置がリスクを伴うものであることが分かったためです。流産の手術については、「吸引法」という、ストロー状の細い管で吸い上げる方法があり、そちらの方が子宮を傷つけるリスクが少なく、WHO(世界保健機構)が推奨する方法のため、このやり方で手術を行う病院に変えることにしました。

  • 流産の際は、自然に出てくるのを待つ選択肢もあるそうでしたが、私が手術をお願いしたクリニックでは、次の妊娠に向けて手術を行ってしまうケースも多いとのことで、私も手術をすることに決めました。そのクリニックの手術では、部分麻酔が全身麻酔を選択でき、日帰り手術での対応となりました。私は、自分の気持ちが落ち込んでおり、部分麻酔での処置に抵抗があったことから、費用はかかったものの全身麻酔での処置を選択しました。

  • 手術自体は、手術時間の1時間前に病院に行き、手術の時間(麻酔から覚めるまで)が1時間、リカバリーの時間が20分〜30分程度のため、トータルで半日もかからないものでした。また、全身麻酔のため、少し寝ている間に終わってしまうような感じで、術後の痛みもあまりありませんでした。ただ、精神的な面においては、手術に対する不安感よりも、流産という事実に対する気持ちの落ち込みが大きかったです。当日は夫が仕事の休みをとって付き添ってくれたこともあり、比較的穏やかな気持ちで手術に臨めたものの、当時はどんよりとした暗い気持ちで日々を過ごしていました。

流産による気持ちの落ち込み

  • 初めての妊娠、そしてそれがすぐに流産であることが分かり、私はかなり気持ちが落ち込みました。自分が悪いことをしたかのような感覚になり、せっかく宿った赤ちゃんの命が自分のせいで断たれてしまったような罪悪感を感じ、とても気持ちが滅入りました。更に、手術を伴う処置に対する恐怖心も相俟って、手術をするまでの期間はかなり暗い気持ちで過ごしたのを覚えています。

  • 夫も私の気持ちを分かってくれて、何度も一緒に泣いてくれました。この時期の夫は、普段よりも私に気をつかってくれて、私もそうした夫の接し方で少し気持ちが晴れました。

  • 一般に、初期の流産の多くは、母親に原因があるわけではなく、胎児側の染色体異常のケースが多いとされます。ネットにもこうした情報が多く出ており、初期流産をした場合、母親は自分自身を責めなくていいということもよく言われています。それでも、「なぜ私にこんなことが起こるのだろう」と、やはり悲しい気持ちがどんよりと私の心の中に広がっている感覚でした。

流産で落ち込むのは、皆、同じ

  • 今、振り返ると、流産を経験した女性がとても落ち込むのは、ごくごく普通のことで、一人だけで乗り越えるのが難しい、とても悲しい出来事・経験になることが分かりました。

令和2年度子ども・子育て支援推進調査研究事業 「流産や死産等を経験した女性に対する心理社会的支援に関する調査研究」 事業報告書
  • 上記の調査は、約600人の流産を経験した人へのアンケート結果になりますが、流産直後にとても精神的な辛さを感じる傾向が強いことに加え、流産から半年以上経ってもその悲しみが癒えない人が多い状況が分かります。また、最も辛かった時期においては、日常生活に支障をきたすケースや、うつ・不安障害が疑われるような人も多い結果が出ています。流産とはそうした深い悲しみを伴う出来事ですが、人に相談することをためらう人も多く、自分の中に悲しみを抱え込んでしまうケースも指摘されています。

流産する確率は何%なのか

  • 流産をしてとても落ち込んだ私ですが、「どうして自分がこんな不幸な経験をするのか」「一般的に、どのくらいの人が流産を経験するのか」、が気になりました。流産とは、誰にとっても辛い経験ですが、自分はどのくらいの発生確率のことに直面しているのか気になったのです。私が調べたところ、幅広い調査に基づいたデータは存在しませんでしたが、「妊娠12週未満の早期流産は全妊娠の15%に起こる」というのが一般的に言われていることのようです。様々な病院が、患者さんを対象にサンプル調査した結果、大体そのような数字になるようです。

  • ただし、一口に流産といっても、その確率はその人の置かれる状況に大きく左右されるようです。一番分かりやすい例では、年齢が高いほど流産のリスクが高まるデータが出ています。35歳以上から流産の確率は20%を超えてきます

女性の加齢による流産の頻度
一般社団法人「日本生殖医学会」のデータより
http://www.jsrm.or.jp/public/funinsho_qa23.html

次に妊娠できる理論的な可能性は?

  • 流産という辛い経験をし、「次は無事に赤ちゃんを授かることができるのか」、この点もとても心配になりました。一般的には、初期流産のほとんどは胎児の染色体異常が原因、つまり、赤ちゃん側に原因がある偶発的なものが多く、母親に責任がないもの、とされます。また、よくなされる説明としては、35歳以上の人の流産の確率は約20%のため、「2回連続で流産する可能性は20%の2乗で4%、つまり、とても可能性は低い」というものです。私が意見を聞いた病院の先生方も、「1回の流産はよく起こることで、偶発的なことがほとんどなので気にしないでください。」というスタンスが多く、私も自分の流産について、あまり悲観的にならないように努めました。

無事に妊娠できるか不安で前向きになれない私

  • 「1度流産しても、次は無事に妊娠できる可能性が高い」、私が意見を聞いたお医者さんや様々な専門家の意見は大体そのようなものでした。それは、多くの患者さんを相手にするお医者さんからしたら、医学的、科学的なデータに基づいたもので、確率的にはそれが正しいのかもしれません。

  • ただ、その一方、繰り替えし流産をするような人も数多くいます。(実際、私もこのあと、2回目の流産を経験することになりました。)私のような一人の女性の目線からすると、「1回流産をしても、次、必ずしも、自分が無事に妊娠できるとは限らない」、また、「流産のあと、多くの人が次に無事に妊娠できていても、自分もそうなるとは限らない」、そのような不安な気持ちがつきまとっていたのが当時の私の状況です。

  • 「では妊娠をするためにどうすれば良いのか」ですが、私は自分の不安を紛らわすために、「妊娠しやすい体質」という何かしらの体質があり、そのような体質を手に入れるために、様々なことを試してみました。医学的、科学的には立証されていなくても、赤ちゃんを授かるのに良い身体の環境、いわゆる「妊娠しやすい体質」があるのではないかと思い、それに関する情報を調べ、自分で納得したものを実際に試すことで、少しでも前に進もうとしていました。

まとめ

まとめ

  • 私の1回目の流産の経験について読んでいただき、ありがとうございました。当時のことを思い出しながら、私の経験を書き連ねましたが、私の1回目の流産の経験の「まとめ」は以下のとおりです。

皆さんと一緒に考えたいこと

  • 本日は、流産という事実に直面し、私の気持ちの落ち込みが大変大きかったことをお伝えしました。これに対する感想や、実際に流産を経験したことがある方はどのように乗り越えたか、シェアして頂けると嬉しく思います。

  • また、流産の確率や、「次、無事に妊娠できるのか?」について私は不安が大きかったですが。このことについて、どのように考えたら良いか、感想も含め、気づきがあれば教えて頂けると嬉しく思います。

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